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野党1年生が国会議事堂で小泉進次郎をにらみつける理由 ~座談会・支持率ゼロ政党の「新しい地図」#2~ - 常井 健一

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#1[絶望から生まれた幻の「新党ゼロ」は何を訴えたかったのか]から続く

◇ ◇ ◇

 安倍政権の支持率低下と反比例して浮上していく小泉進次郎の人気。全国的な世論調査の中では「次の総理にしたい人」として首位になることも増えてきた。マスメディアは彼の一挙手一投足を無批判に追い続け、自民党内はもちろん、野党の党首からもラブコールが聞こえてくる。

 9月の自民党総裁選がどう転ぼうが、ポスト安倍の時代は、今後3年以内に必ずやってくる。総理大臣になる宿命を背負い、2020年代を見据えて「決起」の準備を進めている37歳のホープに対し、これからの野党はどう対峙していくのか。野党執行部たちが目の前の政局対応に忙殺されている中、進次郎世代に当たる国民民主党の若手たちは手探りながら、来たる「小泉進次郎政権」との対抗軸を見いだそうと模索し始めていることは、あまり知られていない。

 去る4月、永田町に彗星の如く現れては消えた、誰も知らない若手集団「新党ゼロ」の実像に迫る座談会の後編。「男子校の放課後」のような雰囲気の中で語り合い、氷河期世代ならではのゆるい政党観を掘り下げていくと、「2025年」という日本政治の分水嶺が浮上してきた。(司会・常井健一)


左から青山大人(あおやま・やまと/39歳)、森田俊和(もりた・としかず/43歳)、関健一郎(せき・けんいちろう/39歳)

党首討論で「モリカケ問題」を扱わなかったのは健全だ

関健一郎 我々、「新党ゼロ」の5人に共通するもうひとつのポイントは、「政党はどこでもいい」と思っていることでしょう。支援者にも政党ではなくて、「あんたを応援している」と言われます。だから、政党のために政治をやっているわけではない。法案の採決時の党議拘束ってどうなの――と思うし、審議拒否も非常に不愉快です。

青山大人 そうだよな。

 5月の党首討論で、我が党の玉木雄一郎共同代表が「モリカケ問題」を扱わなかったのは健全だと思うし、その路線を共有する仲間たちを誇りに思う。今までやりたくなかったけど、そろそろ政党名をちゃんと訴えようかなと思わされました。

森田俊和 55年体制で東西冷戦があった時代は、日本の政党も右と左ではっきり分かれていたと思うんですけど、今はそうではない。昔からの惰性で、保守系の組織団体は自民党を応援して、労働組合は自民党以外の候補を応援しているだけ。

 

 今や「同一労働同一賃金です」と、一昔前の社会党が言うべき内容を安倍政権が言っている時代ですよ。一方で、民主党政権は、保守政党がやるべきこともやっていた。だから、政党のスタンスって、もう何でもありだなという感じです。「紅白歌合戦」みたいなもので、政治家がたまたまAチーム、Bチームに分けられて、それぞれの役割を分担している。もう自民党と野党に大きな差はないと思います。

中選挙区時代は自民党内で政権交代が起きていた

青山 確かに、イデオロギーの時代ではないけど、いつの時代でも権力は必ず腐敗するわけですから、10年ごとに政権交代が起こって、より良い政策を練り上げることを競うような二大政党制ができればいいなと思っています。

 

 例えば、2000年代、政権交代前に民主党が掲げていたマニフェストって、非常に先進的だったんですよね。まさに最近、財務省の問題が出てくる中で、歳入庁・歳出庁創設のアイデアが議論されているけれども、あれだってずっと民主党が言っていたこと。保育無償化だって、もともとは民主党の看板政策だったのを安倍政権に取られた。でも、結果的にそれが実現して、少子化対策になれば、僕はそれでいいと思っている。

 僕も、自民党は別に嫌いじゃない。中選挙区時代は自民党が派閥で分かれていて、党内で政権交代が起きていた。今も、あれぐらいの振れ幅で政権が変わるべきだと思っています。国民民主党は、そういう選択肢になれるように目指していけばいい。

 

筋トレ、筋トレ、筋トレという日々

森田 元自民党の立場から古巣を見ていると、今の雰囲気を息苦しいと思っている人も結構いるように思えます。私が自民党を離れたのは、そもそも自民党埼玉県連の事情でもあるんです。埼玉県議の大ボスがいて、その方が埼玉の自民党を仕切っていることで組織がちょっとおかしくなっている。それに嫌気が差した一部党員の方々が、私を応援してくれています。実際、自民党さんも公明党さんも、2~3割の支持者は私に入れてくれました。

 

青山 それは、すごい。

 自民党では我々と同世代の若手が「魔の3回生」と呼ばれているけど、彼らには質問機会が回ってこない。初当選して半年ちょっとしか経っていない僕らのほうが質問回数で上回っていると思います。遊ぶ暇なんて、ありません。「江夏豊並み」に登板していますが、1年生議員の時に野党にいて、質問力を鍛えられて良かった。

青山 筋トレ、筋トレ、筋トレという日々。

 あと、国会の本会議場に座ってみて気づいたことなんですけど、議場の縦に座っている人(同じ党の先輩)より、横に座っている人たち(他党の同世代)とのほうが、価値観が共有できたりする時が多いんですよ。

 

 あまり気づいてもらえないのですが、国民民主党の1年生はモリカケ追及をほぼやらないですからね。僕らの世代は「人の悪口で票は増えない」と思っている。モリカケ問題に関する政府の説明に納得している有権者なんていないと思いますが、同時に僕らが過度に追及することも有権者は求めていません。

森田 モリカケ追及を派手にやって、テレビに出まくっていた先輩たちが2017年の衆院選で落ちている。選挙は目立っているから通るわけではないということです。「アイツは畑の中まで来て、握手してくれたよな」「一緒に飲んだよな」「カラオケを歌ったよな」という親近感を持ってもらうほうが、有権者が投票所で鉛筆を握りながら迷った時に自分の名前を書いてもらえる。

大人が悪口ばかり言い合っている国会は恥ずかしい

青山 子どもたちが、例えば関さんを見て「政治家をやりたい」って、そう思ってほしいよね。よく小学校の卒業式に来賓で呼ばれるのですが、将来の夢を語る時に「政治家になりたい」と言う子に出会ったことがない。10年間、毎年出席しているのに。

 

 よく地元の中学生が修学旅行で国会見学に来るんですけど、大人が悪口ばかり言い合っている今の国会は恥ずかしくて見せられない、申し訳ないという挨拶をしています。まず、自分たちが国会のあり方を見つめ直したほうがいいですよね。

青山 一方で、自民党は世襲議員ばかりになっている中、うちらはみんな1代目、それぞれ「創業者」じゃないですか。出来上がった党の仕組みもない。3人とも農村地帯だし、特にうちの茨城なんか、自民党以外の政党の基盤がまったくない地域ですよ。

 小泉進次郎さんを筆頭に自民党の同世代は、完成した組織の中で培養されたわけでしょう。その違いは、結構大きいと思っています。例えば、今の自民党は、国の権限を強めて、中央集権に戻そうとしている。僕はそれには大反対で、どんどん地方に権限も財源も与えるべきだと思っています。

 

 有権者から「青山さん、今の政治家はみんな土のにおいを感じない」とよく言われるんですよ。僕は一応、以前に畑を借りてブラックベリーを作っていたんです。草取りとか含めて、少しでも自分の手で土を感じようと。そういった意味では、僕らの強みは、地方から出てきた1代目の政治家という点。関さんが言うところの「世の中の中庸」に近い感覚を持っているという自負があります。

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