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【米朝首脳会談、米社説より】

シンガポールで開かれた米朝首脳会談は、会ったこと自体が歴史的な成果であり、非核化に向けて中身はなかったという論調のアメリカの社説が目立ちます。

トランプ大統領の行動に対して保守系のWSJが意外と厳しく、リベラルなNew York Timesがそこまで厳しくないという印象です。

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Washington Postの社説はNo more concessions(これ以上の譲歩はするな)。

この中で、「シンガポールサミットは間違いなくキム・ジョンウン氏と彼が率いる北朝鮮の勝利だった」と総括しています。その理由を「みずからの親族までを殺害する独裁者が正当な政治家として、アメリカ大統領に『有能だ』と評価されて国際舞台を堂々と練り歩けたたため」といいます。

一方、トランプ大統領が与えたのは、米韓軍事演習の一時停止と米軍の撤退の可能性など、大きな譲歩。内容がない中で例外は「米韓軍事演習の凍結の突然の発表」であり、米韓同盟の根幹を揺るがすものとして、韓国政府、それに米軍をも驚かせたとしています。

「トランプ氏はキム氏に対してこれ以上一方的な譲歩をすることは避けるべきだ」と締めくくっています。

New York Timesの社説はWhy the North Korea Meeting Was the Trumpiest Moment So Far(米朝首脳会談がかつてないほどにトランプ的だった理由)の中で、米朝首脳会談は紆余曲折があったが、トランプ大統領のパフォーマンスに絞って見ると、10点満点だったとしています。

「独裁者と会う時は往々にしてそうだが、トランプ大統領はお行儀良くしていた」として、2人の握手が笑顔で13秒に及んだことなどを紹介。さらに、会談のあとトランプ氏のキム氏に対する感情はほとばしるようで、「外交会談の分析ではなく、まるでお見合いの結果を解説しているようだった」といいます。

トランプ氏が世界でもっとも極悪非道な独裁者と仲良くすることはどんな状況下でも特筆するべきものだとしつつ、「アメリカの最大の同盟国のカナダのトルドー首相を弱虫でまったく不誠実だとたたきつけた直後だったのでより鮮烈だ」と強調。

トランプ大統領は過度に独裁者が好きで、「権力を維持するために非道であればあるほどトランプ氏の尊敬が高まるのだ」といいます。さらに、トランプ氏の方がキム氏よりはるかに背が高いことを指摘し、「この大統領にとって大きさは大事なのだ(for this president, size does matter)」とも。

また、歴代大統領がなしえなかった北朝鮮とのミッション・インポシブルの達成は、リスクが大きいからこそ、トランプ大統領がどうしても成し遂げたいといいます。

仮に達成できれば、トランプ大統領は誇大な賞賛と、のどから手が出るほど欲しいノーベル平和賞を獲得できるだろう、と締めくくっています。

WSJは社説のPromises, Nuclear Promisesで、「ドナルド・トランプもキム・ジョンウン氏も得たいものを得た。握手とテーブルを挟んで仲良く語る写真や映像だ」と総括しました。

共同声明については口約束に過ぎず中身が乏しかったと一刀両断。さらに、中身のなさを指摘されたトランプ大統領は「だって時間がなかったんだもん」と述べたということです。

「制限のない交渉プロセスにコミットしたことでトランプ大統領は歴代の大統領と同じ罠に落ちる恐れがある」として、あらゆる交渉の段階で北朝鮮がアメリカに譲歩を迫り、終わりのない、いつもの交渉となるだろうと予測しています。

トランプ大統領は最初の一方的な譲歩として、米韓軍事演習の停止を宣言しましたが、トランプ大統領は、イランに対して核開発の全面停止を求めているからには、北朝鮮に対しても核開発の全面停止の合意以外はあり得ないと厳しく指摘しています。

FTの社説はタイトルだけで十分かも。Kim Jong Un outmaneuvers Donald Trump in Singapore(シンガポール会談でキム・ジョンウン、トランプに打ち勝つ)。

米韓軍事演習の凍結などアメリカの一方的な譲歩を引き出し、「現段階ではキム氏のほうが一枚上手な交渉人だということを示した(for now Mr Kim has shown himself to be the cannier dealmaker)と締め括っています。

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