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スポーツと言葉。

ワールドカップが、1週間後に迫っている。昨日は勝ったけれど、ではそれでグッと盛り上がっている感じはしない。なんというか、「始まる前から後味が悪い」という奇妙な感覚になっている。

もちろんサッカーファンにとっては「そんなことはない」のだろうけれど、「フツーの人」の関心は移ろいやすい。開幕したら、それなりに賑やかになる可能性はあるけれど。

やはり、前監督の解任から「なんか変な感じ」が漂っているんだろが、その後もどこか妙な空気がある。

でも、それはプレーではなくメディアから漏れてくる「言葉」が関係しているように思うのだ。

本田がNHKの番組でこう言ったとか、長友がツイッターで挑発的なことを言ったとか、その内容は素人が見ていても「いい感じ」にはほど遠い。

考えてみると、最近のスポーツの話題は、「競技の外」であることも目立つ。どちらかというと、「言葉」をめぐる騒動だ。

日大のアメフトをめぐる話も、プレーそのものよりも「記者会見で何を言ったか」「どんな指示があったのか」ということに焦点が当たっていた。考えてみれば、昨秋からの大相撲の騒動もそうだ。言葉の応酬が続いたけど、いったい何が問題だったのか、よくわからないままに終わってしまった。

その、「言葉の格闘」はSNSを通じてだれでも参戦できる。

羽生結弦や大谷翔平の活躍には、称賛の言葉が連なる。ところが称賛の語彙は多くない。だからみんな同じ言葉を連ねることになるし、言葉よりも拍手を送りたい気持ちになるだろう。

ところが、何かも問題が起きた時の「糾弾の語彙」というのは、実にさまざまだ。最近は大人しくなったけれど、競技場でのヤジなどはどこから矢が飛んでくるかわからない。そして、現代のヤジの主戦場はネットだが、現場のヤジよりもさらにきつい。

その場で選手に睨まれるわけでもないから言いたい放題になる。そもそも、誰だって参戦可能だ。

SNSなどを見ると、「みんなこれほど文句を言いたいのか」と改めて驚く。「批判精神に溢れている」ようにも見えるし、「単にイライラしている」ようにも見える。

どちらでもいいんだけれど、こうなるとスポーツ選手や監督は、そろそろ「言葉」と向き合うことを真剣に考えた方がいいのだろう。少なくても現代のスポーツはメディアとの関係に大きく依拠しているのだから、「不言実行」というのは難しい。

スポーツのリーダーは「言葉のマネジメント」が求められていく。『野球は言葉のスポーツ』という大変おもしろい本があるけれど、すべてのスポーツが言葉と向き合うことになって来たように感じる。

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