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焦点:アップル脱却探る台湾ホンハイ、事業多角化の壁

[台北 6日 ロイター] - 台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が、新たな成長戦略を模索している。米アップル<AAPL.O>のiPhone(アイフォーン)の受託製造企業として世界的な地位を築き上げたが、スマートフォン市場拡大が頭打ちになり、アップルはサプライヤーの多角化を進めているためだ。

中国本土における事業開始30周年の記念イベントを6日から始めたホンハイは、既に単なる電子機器の受託製造企業ではなくなっている。シャープ<6753.T>を買収したおかげで液晶パネル生産では世界最大手となっているほか、自動運転車の新興企業やがん治療研究への投資も手掛けている。

ただ昨年終盤以降株価はおよそ20%下落しており、さまざまな新しい取り組みを成長につなげられると証明する必要性は増すばかりだ。

シャープ買収や最近の一連のディール、例えばシャープを通じた東芝<6502.T>のパソコン(PC)事業取得発表などを見ると、自社ブランド製品の生産に注力することがホンハイの新戦略の一部だと読み取れる。

ホンハイの郭台銘会長の特別補佐を務めるルイス・ウー氏は、それと同じぐらい重要な存在として、クラウドコンピューティングなどのソフトウエアサービスと専門的なハードウエアの双方を含む事業に対して、「一体的なソリューション」を提供していくという難しい計画を挙げる。

ウー氏はこうした計画を、特に中小企業や専門機関に訴求する「新しいビジネスモデル」と呼ぶ。例えば病院などにはハード、ソフト面で自分たちでは対応できないような高度の技術的な要求があるという。

同氏は「われわれは多くの顧客のためにデータセンターを構築しているが、そうしたサービスを提供している会社としてまだ認知されていない。将来的には、すべての新規の取り組みをまとめた上で顧客に技術サービスを提供していくことが可能だ」と語った。

ホンハイは、従来の専門性を活用して完全自動化工場などの「スマート・マニュファクチュアリング」サービスを製造業セクターの他の企業に展開していけるという算盤もはじいている。

ウー氏はこうした変革がすぐに実現しないことは認めており、何人かのアナリストもそれに同意している。

元大投顧(台北)のアナリスト、ビンセント・チェン氏はホンハイについて「今のところ、受託製造企業を新たな事業モデルに転換するのは非常に難しい」と述べた。

ホンハイとしては、特にアップルをはじめとする既存顧客をつなぎとめるために慎重な対応も迫られる。アップルからの収入はなお全体の半分前後を占めている。

トレンドフォースのアナリスト、ボイス・ファン氏も、あまりに多くの分野で成果を追い求めるのは「リスクであるのは間違いない」と指摘。それでも次の成長機会を探し出すのは、ホンハイにとって重要になるとの見方を示した。

ホンハイが今後、競争が激しく巧みなマーケティングが不可欠な主要消費家電分野で、自社ブランド製品の販売を推進していくのがどれほど大変かはなおはっきりしない。

むしろトレンドフォースのファン氏は、ホンハイが既存ブランドをさらに買収する可能性があると予想する。

一方、元大のチェン氏は、中国のスマホメーカー、小米科技(シャオミ)の事業モデルをホンハイは見習えるかもしれないとみる。チェン氏によると、シャオミはスマホなどの製品を売っているだけでなく、それに付随するさまざまなサービスを自分たちの店舗を通じて提供している。

(Jess Macy Yu記者)

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