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北朝鮮は、トランプが喜ぶ「餌」を持っている。米朝会談で最後に笑うのは誰か=矢口新

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まもなく米朝首脳会談が実現する。米国は核全廃を勝ち取れるのか、北朝鮮は望むような結果を得られるのか。私はどちらも叶う可能性が高いと考えている。(『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』矢口新)

※本記事は、矢口新氏のメルマガ『相場はあなたの夢をかなえる ―有料版―』2018年6月5, 6, 7日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:矢口新(やぐちあらた)
1954年和歌山県新宮市生まれ。早稲田大学中退、豪州メルボルン大学卒業。アストリー&ピアス(東京)、野村證券(東京・ニューヨーク)、ソロモン・ブラザーズ(東京)、スイス・ユニオン銀行(東京)、ノムラ・バンク・インターナショナル(ロンドン)にて為替・債券ディーラー、機関投資家セールスとして活躍。現役プロディーラー座右の書として支持され続けるベストセラー『実践・生き残りのディーリング』など著書多数。

選択肢を間違えれば滅ぶ北朝鮮。トランプを喜ばせる秘策とは?

強国と対等に渡り合う北朝鮮

米朝首脳会談はシンガポールで、6月12日現地時間午前9時からの開催に決まった。日本との時差は1時間なので、日本時間午前10時からだ。

以前から私は、その政治体制への不信感にも関わらず、北朝鮮の政治を「面白い」と見てきた。米国の政治家たちと、対等に渡り合っていたからだ。

これは、日本のみならず、英・独のような他の同盟国にもあまり見られないことだ。北朝鮮はまるで、ロシアや中国のように超大国のような振る舞いを続けてきた。

もっとも、米国から既に厳しい経済制裁を受けているのだから、米国におもねるような態度を取る必要もない。

主導権は完全に米国にある

とはいえ、日本のメディアに散見するように、「北朝鮮は騙す」というような、まるで北朝鮮が主導権を握っているかのように考えるのは的外れだ。

世界の1強は米国で、どの国も例外なく、米国にどう対応するかが、国の将来を決める

北朝鮮ももちろん例外ではなく、大きな態度も、核兵器保有も、米朝首脳会談も、すべて生き残るための駆け引きだと言える。

は、自爆テロの道具だ。使えば、それなりの効果はあるが、1回限りで、自国の犠牲は計り知れない。そう考えると、交渉の道具として使うのが最善で、望む結果が引き出せるならば、核全廃も選択肢の1つだ。

北朝鮮は、トランプが喜ぶ「餌」を持っている

では、北朝鮮が望むような結果が、米国から引き出せるだろうか?

私は、トランプ大統領からなら引き出せる可能性があると考える。何故なら、世界でトランプ大統領だけが、他国、及び自国の反対派を顧みずに、独断で判断を下すことができるからだ。

このことは、トランプ大統領が喜ぶような「餌」を与えれば、金正恩委員長が望む結果が引き出せる可能性を示唆する。

では、北朝鮮はそんな「餌」を持っているだろうか? 持っているのみならず、「餌」だけ取られて泣き寝入り…という事態を避けられる防御策を持っているだろうか?

それは、「ある」と言えるのではないだろうか。

19カ国も「制裁」しているのは米国だけ

繰り返すが、世界は米国の1強である。どの国も例外なく、米国にどう対応するかが、国の将来を決める。

米国防省は、6月1日に議会の要求に応じて、米軍が2017年にアフガニスタン・イラク・シリア・イエメン・リビア・ソマリアの6カ国で、499人の一般人を殺害したと報告した。こうした公表は初めてである。

また、米国の経済制裁の対象国は、2017年10月時点でロシア・ベネズエラ・キューバ・北朝鮮・イラン・イラク・シリア・リビア・ソマリア・イエメン・コンゴ・スーダン・ベラルーシ・リベリア・中央アフリカ共和国・ジンバブエ・ウクライナ・レバノン・南スーダンの19カ国とされている。

これほど、他国を「制裁」しているのは米国だけだが、これは1強であるためだ。

米軍により一般人が殺害された上記の国々うち、アフガニスタンを除く5カ国が、経済制裁も受けている。

このことは状況が許せば、米国は他の経済制裁国14カ国でも、武力行使を行う可能性があることを示唆している。

アフガニスタンを操ってタリバンと戦い続ける米国

例外のアフガニスタン政府は、経済制裁どころか、反対に経済援助と軍事援助を受けている。米の傀儡政権がタリバンと戦っているからだ。

米ブッシュ政権は、2001年にアフガニスタンに侵攻した。タリバン政権が、911テロの首謀者とされたオサマビンラディン氏の引き渡しに応じなかったという名目だった。

それ以前から、タリバンによるバーミヤン遺跡の破壊などが世界的に報道されていたので、米軍はアフガニスタン国民をタリバンから解放する正義の味方だという印象だった。

そして17年が経った現在も、タリバンはアフガニスタンでの最大勢力を維持している。国内では支持されているのだ。

そのオサマビンラディン氏は、隠れ家で家族との団らん中に、丸腰のまま、裁判にもかけられずに、米軍によって殺害された。オバマ政権の頃だ。

テロ被害者のはずの米国は、真相を解明するチャンスを得ながら、自ら闇に葬ったのだ。

トランプ政権になって、米軍はアフガニスタンに追加配備することを決めた。その理由として、米国はこれまでアフガニスタン戦争で7000億ドルを費やしたが、同国には少なくとも3兆ドルの価値の鉱物資源があり、十分に回収可能のためだという。

政治を「わかりやすく」したトランプ政権

トランプ政権になって、少なくとも1つだけ、良くなったことがある。

トランプ氏のツイッターによって、しばしば米国の本音が聞けるようになった」ことだ。

公式発表やメディアの報道を見る限り、米国がなぜアフガニスタンに攻め入ったのかが、どうもよく分からなかった。バーミヤンの遺跡破壊が野蛮なら、イラクのメソポタミア文明の遺跡を空爆し、壊滅させたのは誰なのか?

トランプ政権が教えてくれたのは、米国は経済的な利益のために戦争を起こすということだ。これまでもそういう見方があり、私などもデータから、そう見ていたが、それらは陰謀説だと退けられていた。

トランプ大統領は、政治というものをわかりやすくしてくれたのだ。

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