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「カジノが新たな依存症を生む」論について

現在、衆院の委員会にて法案審議の真っ只中にある我が国のカジノ整備でありますが、反対派の人達の決まり文句として「日本は既に世界一のギャンブル大国であり、カジノを新設すれば依存問題が益々拡大する」とする論があります。ただ、私としてはこの論はナンダカナァと思うんですよね。

まず大前提の論議ですが、我が国日本は間違いなく世界有数のギャンブル大国ではありますが、残念ながら「世界一のギャンブル大国」ではありません。おそらく世界中の全てのギャンブル専門家が認める世界一のギャンブル大国はイギリスでありまして、かの国に比べれば日本のギャンブルなんてのは未だ「生まれたての赤子」と言っても差支えがありません。

例えば、嫌ギャンブル派の方々は「こんな全国津々浦々に賭博場(パチンコ店のこと)があるのは日本だけ」などと表現をするわけです。確かに、日本の1億2千万人に対して約1万軒のパチンコ店の存在は世界的に見れば勿論、多いと思うわけですが、対するイギリスは約6500万人の人口に対してベッティングショップ(ブックメイカーの店舗)が約8500万件も存在します。それに加えて、より簡易的なマシンゲームの提供を行なう「アーケード」と呼ばれる店舗が全国に1700軒、さらにはビンゴパーラーが550軒に、今日本で最大3軒作るかどうかだけで揉めに揉めまくっているカジノが全国におよそ110軒存在します。

これに加えてかの国では、ネット上で各種賭博サービスを提供するオンラインゲーミング事業も780程認可されていますから、はっきり言って「日本は世界一のギャンブル大国」だなんていう人は英国に向かって土下座して謝った方がいい。

「こんな全国津々浦々に賭博場があるのは日本だけ」なんて言ってますが、そんなこと言ったら「自国の王族の出産」を賭けのネタにして遊んでしまうのは世界広しといえどもイギリス人だけです。

一方でイギリスも含め、世界各国におけるギャンブル依存の有病率は以下のとおりです。

ダウンロード
(出所:わが国に蔓延する「ギャンブル依存症」の現状, 田辺等 )

この数値は各国ごとの調査手法の違いがある為、単純な比較をすることは出来ないのですが、少なくとも圧倒的世界一のギャンブル大国であるイギリスが同時に「ギャンブル依存大国」であるなどという話は聞いた事がない。寧ろ、少なくとも上記のような各国比較の中では寧ろ世界的に見ると非常に低い生涯有症率となっているわけです。(繰り返しになるが、単純比較はできないのだけど)

現在、衆院で進められている我が国のカジノ合法化を実現するIR整備法の審議などをみていると、反対派として審議に登場する皆さんは「日本は既に既にギャンブル大国であるにも関わらず…」などと、非常にヒステリックな反対論を語るのですが、私としては「じゃぁ、逆に世界一のギャンブル大国であるイギリスが、世界一の『ギャンブル依存大国』ではないのは何故だと思いますか?」と聞きたくなってしまうワケです。

要は社会的に提供されているギャンブル施設の総量や、その種類の豊富さというのは、そこから生まれる依存問題の大きさとは必ずしも連動していないということ。我が国においてギャンブル依存問題がこれ程までに大きく存在しているのは、本来社会的なセーフガードとして必要となるギャンブル依存の予防(リスク教育)や、依存者に対する早期発見の体制が長らく敷かれてこなかったこと等に起因するのあって、それをこれから急速にやって行きましょうというのが、今回、IR整備法案と共に別途現在審議が進んでいるギャンブル等依存症対策基本法の目指すところであるわけです。

その辺の全体像をご理解頂いた上で、様々な論議を展開して頂きたいなぁと思うところであります。

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