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米朝首脳会談を前に、"最大限の圧力"をめぐって日本とトランプ大統領の温度差が顕著に?

 週末、朝鮮労働党の金英哲副委員長が北朝鮮の最高幹部としては18年ぶりに訪米、ポンペオ国務長官と会談した。2日間にわたった会談の最大の狙いは、米朝首脳会談を前に"敵対関係を解消する"という意思を伝えるとともに、非核化、体制保証に関する最終調整を行ったとみられる。

 さらに金副委員長はホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領に金正恩氏の親書を手渡し、1時間半にわたって会談した。別れの場面ではトランプ大統領が握手をしながら車まで見送った。アメリカ大統領が国賓以外をこのようにして見送るのは異例のことで、首脳会談への強い意気込みを感じさせた。

 ポンペオ氏は「世界の流れを変える一生に一度のチャンスを掴むには、金正恩氏の勇敢なリーダーシップが必要だ。トランプ大統領と私は、彼が違いを生み出せるリーダーだと信じている」「この72時間で真の前進を遂げた」と述べる一方、最大の焦点である非核化については「一筋縄ではいかない」とも述べており、トランプ大統領も「12日になにかにサインすることは決してない」と語っている。

 2日放送のAbemaTV『みのもんたのよるバズ!』に出演した国際法学者の金惠京氏は「北朝鮮は経済制裁で追い込まれているし、トランプ大統領は今年の秋に大統領選の中間選挙があるので外交的な成果がほしい。お互い対話が必要な状況ではあるが、リビアのように一気に非核化させたいアメリカと、段階的に非核化をしたい北朝鮮なので、話が噛み合わない。アメリカは本当に非核化してくれるのかと思っているし、北朝鮮はトランプ大統領を信じていいのか、非核化したとして本当に体制を保証してくれるのかと懸念している。12日の首脳会談は行われると思うが、今は駆け引きの中で、どちらが主導権を握るのかという状況だ。最終的には段階的な妥協を目指すと思う。2020年の大統領選挙に向けて、2年くらいかけて妥協点を探していくだろう」と話す。

 コリア・レポート編集長の辺真一氏は「北朝鮮が言っていることは昔も今も一貫している。アメリカが敵視政策を撤回しない限り、核を手放さないということ。これは裏を返せば、敵視政策を撤回し、北朝鮮を攻撃しない、北朝鮮を外交的・経済的に孤立させないということをはっきりさせれば、核を撤回する意思があるということ。さらに経済制裁の解除、支援。これらをトランプ政権が保証すれば、非核化に応じるというのは一貫しているはずだ」との見方を示した。

 しかし、北朝鮮への経済支援について、トランプ大統領は自国ではなく、日本などをあてにしているという見方も存在する。

 明治大学の海野素央教授は「トランプ支持者たちとしては自分たちの税金を使ってほしくないし、トランプ大統領も民間企業や他の国に支援させるというのが本音で、"近隣諸国だから日本と韓国と中国が出す"とも言っている。メリットとしては北朝鮮には資源があるし、リゾート開発も期待できる」と説明した。

 トランプ大統領は、気になる発言も飛び出している。「12日にシンガポールで金委員長と会談する。私は首脳会談が一度だけだと言ったことはない。今回は"顔合わせプラスアルファ"だ」というものだ。

 このことについて海野氏は「トランプ支持者は非常に期待しているので、その期待値を下げようとしている発言だ。やはり非核化についての溝が埋まらないのだろう。トランプ大統領は2日朝の会見で、"プロセス"という言葉を少なくとも8回は使っている。つまり"結果"ではなく"プロセス"に移った。スピード感を下げ、まずは人間関係の構築を行うということ」と推測した。

 さらにトランプ大統領は「もう『最大限の圧力』という言葉は使わない。多くの制裁を準備しているが、対話をしている間は科さない」とも述べている。

 海野氏は「トランプ大統領が北朝鮮に気を遣い、妥協しているように聞こえる。NBCのベテラン記者によると、金副委員長が入った大統領執務室にはリビア方式を主張しているボルトン補佐官がいなかったそうだ。ペンス副大統領もいなかった。一方、日本はこれまで"最大限の圧力"でやってきた。こうなると、米朝会談をなんとか実現させたいトランプ大統領・ポンペオ氏と、日本=ボルトン氏という温度差が顕著になってくると思う」と指摘した。(AbemaTV/『みのもんたのよるバズ!』より)

放送済み『みのもんたのよるバズ!』の映像は期間限定で無料視聴が可能。

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