記事

世界的には7割の人が週1回はテレワーク

世界最大のサービスオフィス会社リージャスグループ(IWG)の調査によると、全世界ベースでは働く人の70%は最低でも週1回はテレコミューティングを行っている。また53%の人は最低でも週の半分はテレコミューティングを行っている。

テレコミューティングは日本語では在宅勤務。総務相の情報通信白書では「テレワーク」という言葉を使っている。テレワークは何となく和製英語ぽいが、1970年代前半にアメリカで生まれた造語なので和製英語ではない。テレコミューティングもテレワークもほぼ同じである。

IWGは世界96ケ国で1万8千人のビジネスパーソンに調査を行ったので、日本を含んでいると思うが、日本の個別データを見つけることはできなかった。

そこで日本のテレワークの実態を少し調べてみた。

総務相の情報通信白書によると2016年時点での企業のテレワーク導入率は13.3%であった。

また2017年6月のプレジデントは日本テレワーク協会の調査をベースに「在宅勤務をしたい人は59.1%だったが実際に在宅勤務をしている人は8.9%に過ぎなかった」と述べている。

IWGの調査とは調査方法・調査時点・サンプル数が違うので、単純に比較出来ないが大雑把に言って、世界では約半数の人が仕事の半分を在宅勤務でこなしているが日本では在宅勤務をしている人は1割に満たないというところだろうか?

また別の調査を見ると日本の在宅勤務の特徴が浮かび上がってくる。

国土交通省の「テレワーク人口実態調査」(平成29年)によると、テレワーカー全体に占める20代男性の割合が21.9%、30代男性の割合が21.6%と比較的若い人男性のテレワーカーが多い。40代男性のテレワーカー比率は20.6%、50代男性は18.7%、60代男性は16.2%である。

一方アメリカのある調査を見ると、テレワーカーの平均年齢は46歳で、テレワーカーの5割は45歳上だった。

また日本では男性のテレワーカー比率が女性に較べて、どの年齢層でも相当高いが、アメリカではテレワーカーの数は男女ほぼ同数である。

世界的に見ると急速に普及しているテレワーク。その一番の推進力はデジタル通信技術の発展であることは間違いない。

そしてある種の業種(営業やカスタマーサービスなどが典型)では、生産性の向上が見込まれるので企業側が歓迎していることがある。また企業側としてはオフィス維持費用を削減する効果も期待できる。

一方働く立場では、通勤時間を削減し、またよりフレキシブルな働き方を行うことができるというメリットがある。

もっとも良いことづくめではない。まず働く側には自分を律する強いモチベーションがないとテレワークは成り立たない。企業側としては、勤務時間に連動した報酬ではなく、成果に連動した報酬体系を準備する必要がある。

またたまにはオフィスでミーティングに参加することはあるにしろ、自宅またはその近くのレンタルオフィスなどで仕事をすることになるから「孤立感」を抱く人も出てくる。

日本でテレワークが進まない理由は上で述べたテレワークのマイナス面がプラス面より大きいと感じる企業が多いことだろう(働く人の6割近くはテレワークを希望しているので)。

ところで最近最新のフリーアドレス型オフィスを身近に見学するチャンスがあった。フリーアドレスというのは従業員が固定デスクを持たず、大きな机の周りに集まって仕事をするオフィスの形態だ。

さすがに役員・部長クラスには固定デスクが用意されているが、それ以下の階層は皆オープンスペースを利用していた。

フリーアドレスは幾つかのメリットをもたらす。一つはその時の仕事のテーマ(プロジェクトなど)に合わせて柔軟・迅速にワーキンググループを形成することが可能になる。また固定デスクやわき机がなくなるので「机上整理」が進み、書類の手元保管がなくなるメリットがある。

一方職位が上がると部下と対面するような座り方ができると期待していた向きにはdisappointingな仕組みだろう。そしてフリーアドレスは組織のフラット化を推進するはずだ。

ところで最近私のある顧問先であるプロジェクトを立ち上げるため、座席の配置換えを巡って何人もの人が鳩首会談を繰り返している現場をみた。そしてその後実際に机の並べ変えを行うのだから、相当な時間をこの問題にかけたことになる。フリーアドレスな瞬時にして片付くのだが・・・

私はモノゴトが漸進的に進む(あるいは漸進的にしか進まない)日本では、フリーアドレスの普及がテレワークの普及につながると考えている。それはサラリーマンが椅子取り競争を止めて、自分のライフスタイルを重視した生き方に向かうのと軌を一にするだろう。

あわせて読みたい

「仕事術」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    高額ギャラで寄付集める24時間TV

    渡邉裕二

  2. 2

    野田氏への疑惑が総裁選に影響か

    天木直人

  3. 3

    「日本の技術はスゴイ」は勘違い

    Dr-Seton

  4. 4

    エアコン我慢には何の価値もない

    赤木智弘

  5. 5

    「野党は反対するだけ」はデマ

    小林よしのり

  6. 6

    子どもの車内放置 親へ忖度不要

    岩永慎一 / ITmedia オルタナティブ・ブログ

  7. 7

    山本太郎氏ら懲罰の議長こそ問題

    猪野 亨

  8. 8

    園監督が米へ「日本に飽き飽き」

    NEWSポストセブン

  9. 9

    Amazonの意外なベストセラー食品

    後藤文俊

  10. 10

    ストロー規制 廃プラ溢れる日本

    中田宏

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。