記事

高齢者ネット右翼が増えている? - 鈴木耕

1/2

ご老人に絡まれちゃった

 某日、あるところで高齢者(ぼくもそうだが)のネット右翼みたいな人に、突然、絡まれてしまった。

 とにかく一方的に持論(というほどのものでもなかったが)をまくし立て、こちらが茫然としていると、「お前は間違ってるっ!」と、声高に怒鳴りつけて去って行った。いやはや、激しいご老人でした。

 「自衛隊は国防のために絶対に必要で、それを認めない憲法を早く改正すべきだ」というのが、よく聞くと彼の言いたいことだったようだ。

 だけどこの人、どうもきちんと憲法を読んだことがないみたいだった。だって「国防を認めない」なんて憲法のどこにも書いていないし、「憲法が認めていないのは、国の交戦権ですよ」とぼくが言っても、「交戦権」とは何かを、まったく理解していなかったのだ。うーん、それじゃあ、憲法の何を変えろと言いたいのだろう? 「何だっていい、とにかく憲法を変えろ!」なのか。

 どうも、こういう人が増えているらしい。ぼくのように「平和ボケ老人」を理想としている者にとっては、なんともメンドーな人たちだ。国防だ、安全保障だ、国防軍だ、自衛戦争だ、世界に誇れる日本だ、などとひたすら元気のいい言葉で興奮するような人たちには、ぼくはなんと言っていいか分からない。

 こんな軍国高齢者だけではなく、たとえば「ヘイトスピーチ」や「差別トーク」を繰り返す人たちにも、意外に中高年が多いという。

 中高年と言えば、モノの分かった人たちだと思うのが普通の認識だろうだけれど、どうも何かが変わってきているらしい。

 でも、なんで高齢者ネット右翼が増えているのだろう。いや、ほんとうにそんな類いのご老人たちが増えているのだろうか。少なくとも、ぼくの周囲にはあまり見かけないのだが、それはまあ、ぼくの交友範囲のせいだと言われればその通りだろう。

弁護士たちの反撃にネット右翼が大慌て

 最近、ネットでけっこうな騒ぎになった事例に「弁護士に対する大量懲戒請求」というのがある。要するに「朝鮮人学校への補助金支給」に関して、それを推進するような弁護士はけしからんから懲戒処分にすべきだ、という請求が、一斉に、ほぼ同じ文面の書状で、しかも大量に所属弁護士会へ送りつけられたという件だ。

 これを受けた弁護士たちは反撃に出た。懲戒請求をした人たちを特定して、彼らを提訴したのだ。提訴された人たちの中には、「そんなつもりじゃなかった。軽い気持ちでやってしまった」と後悔している人も多いという。

 そりゃそうだろう。裁判所からの出頭命令がやって来るのだからビビッてしまう。この件に関しては「週刊金曜日 5月25日号」の片岡伸行氏の記事に詳しい。少しだけ、引用させてもらう。

ネット煽動の大量懲戒請求、弁護士が相次ぎ提訴へ

裁かれるヘイト社会の悪意

不当な懲戒請求を大量に送りつけたネット右翼に対し、弁護士側の反撃が始まる。背景にはヘイトクライム(憎悪・差別犯罪)を醸成させる「政治とメディアの連動」。裁かれるべきはヘイトにつながる歴史偽造と差別主義の悪意である。(略)

 記事では、この件の経緯が詳しく書かれているので、ぜひお読みいただきたい。そのきっかけになったのが、ある人物のブログでの煽動であり、そしてその裏には、流行作家や国会議員らのプロパガンダがあると指摘している。内容は、在日朝鮮人に対するいわれなき憎悪である。作家や国会議員がその先頭に立って旗を振るのだから、哀しい国だ。

 この記事の中には、次のような記述もある。

(略)大量の懲戒請求に対応するには多大な時間と労力がかかり、精神的な苦痛も被っている。一方で佐々木・北両弁護士らは懲戒請求者への和解も呼びかけ、謝罪の上「弁護士1人当たり5万円の損害賠償額」を支払えば提訴対象から外すという。

 「ブログによる洗脳状態で(懲戒請求を)やってしまったという人もいます。ネット右翼というと若い人のイメージがありますが、これまで和解に応じてきた人たちはいずれも高齢の人でした」(略)

 差別的な言辞を吐き、ヘイトブログに踊らされたのは高齢者が多かったというのだ。高齢者の間で、いったい何が起きているのだろうか?

あわせて読みたい

「ネット右翼」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    本物?「三億円犯人」に直接取材

    BLOGOS編集部

  2. 2

    秋篠宮さま 小室親子はもう他人

    女性自身

  3. 3

    築地の営業強行は小池知事の責任

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  4. 4

    サウジ記者 遺体解体する音声も

    WEDGE Infinity

  5. 5

    朝日「安倍支持ネット民は貧乏」

    木走正水(きばしりまさみず)

  6. 6

    沢田研二の公演中止は罪深き甘え

    常見陽平

  7. 7

    業界人が「干される」実態を告白

    NEWSポストセブン

  8. 8

    よしのり氏「沢田研二は哀れ」

    小林よしのり

  9. 9

    若者が野党を批判する理由に衝撃

    猪野 亨

  10. 10

    片山さつき氏は説明責任を果たせ

    大串博志

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。