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「専業主婦」は見下されている?共働き世帯の増加で覚えた違和感 - 女性が日常で感じているモヤモヤ⑥

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私が運営しているカエルチカラ・プロジェクト(目の前の課題を変えるための一歩を踏み出せる人を増やすことを目指す)言語化塾(https://www.facebook.com/kaeruchikara/)では、女性たちに日頃感じているモヤモヤを言葉にして整理してもらっている。また、私自身、2017年春から駐在妻としてシンガポールで過ごしており、アイデンティティクライシスを経験して試行錯誤してきた。

今回は、私が運営している海外×キャリア×ママサロン(https://lounge.dmm.com/detail/293/)の参加者でもあり、言語化塾の参加者でもある愛子さん(38歳)の作文から。愛子さんは「主婦」につきまとうイメージの問題を取り上げ、多様な生き方を認めて個を尊重してほしい、もっと主婦にまつわるポジティブな発信があってもいいのではないかと訴えます。

主婦をやっていたらダメですか!?

私は、2013年から足掛け5年。夫の海外赴任に伴い「専業主婦(駐在妻)」になることを決め、今に至ります。それまで日本では大学院を卒業後、留学もして、ハイキャリアと言われるコンサルティング会社でバリバリに働いていました。なので、専業主婦になることは非常に抵抗感がありましたし、今もすっきりはしてはいません。

「出産後は家族の時間を優先し、自分のキャリアや夢はまた時期が来たら向き合えばよい」と覚悟を決めたものの、割りきれない。主婦の生活は、平日も休日もなく平凡だからか。環境の変化に伴い気心の知れた仲間が少ないからか。バリバリ働き、同僚とワイワイガヤガヤはしゃいでいたあの時間だけが、キラキラを増すばかりです。

主婦になる道を「自分自身」で選んだのに、どうしてすっきりしないのでしょうか。

今年の初めに、若竹千佐子さんが小説『おらおらでひとりいぐも』を執筆し、芥川賞を受賞しました。世間のニュースでは、「専業主婦」が快挙!!といった内容の見出しが目につきました。

私はこの見出しに対して、違和感を覚えました。「専業主婦」が賞を受賞するのがそんなにすごいことなのか?深読みすれば、こうした報道は、主婦には受賞するようなスキルも能力もないはずなのに受賞した、すごいね!という前提にたっているように思えたのです。かつての自分がそうだったように、世間一般において「主婦」という立場であることが、見下されているのではと感じました。

「主婦」を下に見る風潮に違和感

これで、気が付いたことがあります。私は家事や育児が嫌なのではなくて、「見下されている主婦になり下がった」と感じるから、今の自分を受け入れられないのだと。

他にも目を向けてみると、「主婦にもわかる」とか「主婦向け」「主婦にぴったり」などの表現が様々な場所で溢れています。その人が、どんな経歴であれ、「主婦」になったとたんひとくくりにされ、「難しいことはわからない」という扱いに。小ばかにされている感が否めません。

かつてのホームドラマや漫画で、「家の中のこと以外に興味がない」ように作り上げられた「主婦像」が、依然として独り歩きしてはいないでしょうか。「難しいことはわからない」とは限らないにもかかわらず、主婦を下に見る風潮を感じます。

一方で、経済の不確実性が高まる中、専業主婦は、経済的に安定した男性と結婚できたものだけが得られる「特権」として、一部では羨望のまなざしで見られていることも確かでしょう。しかし、ニッセイ基礎研究所の調査によると、夫の収入が1000万円以上の約87万世帯のうち、妻の収入がない世帯は約2万世帯であり、約1%となっている。つまり、高収入男性と結婚しても、実際「専業主婦」になる人はそんなに多くありません。

経済的な補償があったとしても、実際「無職の既婚者」になってみると、理想とは違う点があるのかもしれません。それに、もし一部の人の「憧れ」だったとしても、社会的な扱いがそれに追いついているかどうか、疑問があります。むしろ、「有閑マダム」的に揶揄されてはいないだろうかと。

本稿では、こうした「主婦」を見下す風潮などの「偏見」の理由について解明していきたいと思います。

そして、主婦としての生き方は一つの選択肢であり、均質的なイメージで扱われるべきではなく、実質をとらえた存在として扱われるべきだということをこれからの社会に向けて、提唱したいと思います。

なぜ、主婦が見下されるのか?

①<社会が主婦を見下してきた理由>

内閣府の調査によれば、2016年度時点での女性の大学進学率は、約48%で、男性では約55%となっています。ここ10年で、その差が縮まりつつあります。戦後直前からの推移を見ると、女性の大学進学率はとても低かった歴史があります。そして、携帯電話が出始めた20年前でも、女性の大学進学率は約20%程度、男性は約40%近くと、約2倍の差がありました(10年前でやっと女性が約40%台、男性約50%台と差が縮まり始めます)。

そして、家庭のあり方を見ても、90年代までは専業主婦世帯が共働き世帯数を超えていました。高度経済成長期からこのころまでは、仕事をするよりも「女性は家事育児に専念」が普通とされていました。。女性は知識・教養を得るよりも、家庭に入ることが社会規範(もしくは幸せ)とされていた経緯があります。仕事をしようにも専業主婦から抜け出すことが難しく、社会的プレッシャーや構造が日本にはあったと思います。

こうした歴史の中で、どうしても「主婦(妻)は依存的」「主婦(妻)は男に食わせてもらっている」とみなされがちになっていきました。家庭での経済的地位がそのまま社会的地位へつながり、地位が低くなってしまったのだと思います。

高学歴でキャリアを築いた女性の中にも一部、主婦への見下しがあったと思います。私の母はいわゆる男女雇用機会均等法の創成期から成熟期までの1980年代~2000年代を駆け抜けた「職業婦人」でしたので、家庭内でなんとなくそのような考えを私自身も受け継いでいたように感じます。

②<主婦自身が自分で自己肯定感を下げている理由>

昨今、ワークアズライフ、ワーママ・イクメンや保活など、仕事と家庭のあり方や両立に関する記事をよく目にします。この傾向も、主婦であることへ後ろめたさを感じる要因になっていると思います。

育児休業制度が未整備だったり、共働きがまだ普通でなかった時代、家事と仕事を両立することは難しかったでしょう。しかし、企業の制度や自治体等のサービスも改善しつつある昨今、仕事の質、保育の質を選ばなければ、文字通りの「両立」はしやすくなってきているように思います。

さらにここ数年では、両立の「質」を追求しようとする人が増えつつあると思います。事実、育児も家事も完璧にこなすテクニック(時短料理、時短掃除)に関する情報があふれています。仕事も家庭も「完璧(思い通り)」にこなし、どちらも犠牲にしない。「両立の質」を高めるために努力する女性の姿がうかがえます。

また、家事のテクノロジー化が両立ブームを後押ししているといえます。従来、時間がかかっていた家事も、家電やサービスの進化により、多くが全自動化されてきています。買い物も、ネットスーパーが普及し、今後はロボットの出現もあるでしょう。

こうした変化により、一層主婦の役割があいまいになりつつあります。時間をかけて家事をこなす時代が終焉を迎え、経済も社会制度も、働く女性をバックアップするという風潮が高まっています。

このように働く女性(特にワーキングマザー)を取り巻く環境は激変する一方で、主婦であることはマイノリティ化しつつあります。2017年度の厚労省発表の資料によれば、共働き世帯数が専業主婦世帯数を1.6倍上回りました。

単純に数字上でマイノリティ化するだけならいいのですが、この「共働き世帯」が社会風潮的に女性の”あるべき生き方”として規範化しつつあるようにも感じます。仕事は続けるべき、子どもをもったら育児も仕事も「キラキラ」と両立させるべき、というように。

このように「共働き世帯」が常識化する中、逆行するかのように主婦を選択した人は、後ろめたさを感じるのではないでしょうか。本来は「完璧に」両立できるのが普通で、「みんな頑張ってるのに私だけできていない」…といった劣等感を感じる人もいるでしょう。この劣等感が、主婦を選んだことへの自信を失わせる要因の1つだと思います。

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