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違うようでも同根のルール破り

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 新聞の第一面にトップ記事が二つ並んだ。それぞれ違う事案の経過と結果だが、どちらもレフェリーの笛が鳴って、ルールに照らした裁きが示されたところだ。日大の、ルール破りをしたアメフト選手は、いさぎよく実名と顔をさらして謝罪し、監督とコーチから受けた指示をも隠さなかった。この勇気ある謝罪は、アメフトという競技と、おそらくは母校の名誉をも守るだろう。

 もう一方でも、レフェリーの笛が鳴って協議は一時中断したのだが、これから先の展開が予断を許さない。ルールブックが、アメフトのように明快ではないからだ。始末の悪いことに、事件本人の安倍首相が、ルールの適用を自分に都合の良いように変動させたい意向を示しているように見受けられる。素朴な心情として、古くからの友人を助けてやって何が悪いのかという思いがあるのではなかろうか。

 さらに複雑なのは、これが過去の案件で、ルールの適用がすでにが学校という形に出来上がり、そこで学んでいる学生もいるという事実である。運動競技のように、隊形をもとにもどして、間違えた前の所からやり直すということができない。攻める側も守る側も、これから頭を痛めながら議論を続けることだろう。

 しかし、この両方の事件に共通していることは何だろう。それは、「ルールは守ることに意味があるから作られる」ということだと私は思う。スポーツは、ルールがなければ、そもそも成り立たない。そして政治家は、法律の適用に個人的な影響力を及ぼさないのが、公正な執行を保障するためのルールなのだ。ところが、これが難しい。官僚の世界に「首相案件」という言葉が存在するのが、それを示している。

 こう考えてくると、ルール破りを根絶するためには、「首相案件」も言葉ごと無くして行く以外に方法はない。これから始まる国会での議論では、長年の悪弊にメスを入れる根治策を考えてほしいと思う。官僚は国民全体のための奉仕者であるという、憲法の規定に立ち返るべきなのだ。

 ルール破りは恥ずかしいことだ。それは人間同士の信頼を傷つけるからだ。もし守ることが不都合なルールがあるのなら、それを直す提言から始めるべきなのだ。安倍首相に、「首相案件」で政治をゆがめた可能性が少しでもあるのなら、認めるべきものは認めて、後世のために政治を明るくしてほしいと思う。権力をふるって不都合を隠蔽するなどは、策の下の下なることを知るべきだ。

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