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消費税ではなく、政治そのものが問われているのです

消費税をあげることについての直近の世論調査を見ると、反対が急増してきています。昨年までは、さまざまな世論調査で、消費税アップに理解を示す人のほうが多かったのですが、今月行った朝日新聞の調査を見ても、反対が57%と、賛成の34%を大きく上回るようになりました。
消費増税案に反対57%、賛成34% 朝日新聞世論調査 :

政府の説明不足を指摘する声が多いようですが、もちろん現実味を帯びてきたために慎重な意見が増えることがあっても、それ以上に政治への不信によるところが大きいのだと思います。やるべきことを政治はやっていないということでしょう。

消費税のみならず、国民負担率も、海外ではむしろ日本よりも率が高い国が多く、消費税をあげたから経済がだめになるのではなく、むしろ政府や政治への信頼があるのか、ないのかで経済も変わってくるのだと思います。政府への信頼、政治への信頼がないままに、増税にむかうと不満だけが残り、人々の心も萎縮してしまいます。

だから自らの身を切る議員定数の削減や、公務員給与のカットが行なわれようとしているのですが、まだまだ政治と国民の間に意識の差があり、納得が得られない状況です。どう見ても、消費税を上げるための理由を繕うためのものでしかないと感じている人が多いのでしょうし、今示されている程度では得心が得られないということでしょう。

その国民の気持ちに応えるだけの政治が行なわれていないのが残念ながら現実です。昔の名前ででている「自民党」と、「民主党」と看板を変えただけになってしまった「元自民党」の政局争いばかり見せつけられると、当然もっとまじめにやれとなります。
【産経・FNN世論調査】消費税増税、自民党も土俵際 85・5%「与野党協議に応じるべきだ」+(1/2ページ) - MSN産経ニュース:


国民の利益、また日本の国家の将来よりも、権力闘争のゲームをやっているとしか国民には映っていないのです。与野党共にもっと国民の利益に目を向けるべきなのです。マーケティングなら顧客第一主義ですが、政治なら国民第一主義であってほしものです。言い訳ではなく、信頼を得るだけの発想力や決断、また自己犠牲が求められているとしかいいようがありません。

まさに、自民党の中川秀直先生がご指摘のように要は国民が納得するかどうか、国民の合意をえることが重要な政治課題なのです。そのためにはまずは政治家が変わらなければなりません。今の自民党にそれができるのでしょうか。
国民的な合意形成のためのコストはどう負担するか(中川秀直) - BLOGOS(ブロゴス) :


さて議員定数の削減ですが、日本の国会議員がそれほど創造的で、生産性の高いことをやっているとは思えないので、議員定数を削減してもさほどの影響もないと思いますが、比例区80議席削減だといわれても、さほど身を切った決断だとは感じないのです。いっそ機能が重なってしまい、国会の停滞の原因となっている参議院を廃止ぐらいにすればいいとも思ってしまいます。前者は改善案とするなら、後者は改革案です。

少数政党は議員定数の削減や比例区の削減には当然反対します。議員定数の削減は競争の激化をもたらし、しかも比例区が削減されれば少数政党は選挙で勝てません。だから反対だ、民主主義の根幹を揺るがすと騒ぐのですが、それも説得力がなく、もし生き残りたいのなら、国民の支持を得ることのできる案を示すべきでしょう。野党に対しても、なんら創造的な解決も示せず、ほんとうに存在価値があるのかと国民が冷ややかに見ている現実を直視すべきだと感じます。


しかし、国会議員数で言えば、日本が多いかというとそうでもなく、赤旗によれば、1995年の比較で、人口100万人あたりの議員定数は、イギリスは11.24人、ドイツ8.03人、フランス9.92人など、日本の3.98人ははるかに少ないほうです。しかし、アメリカは州政府の権限が大きい国なので、国会議員は1.65人と日本よりも極端に少なくなっています。
日本は国会議員が少ないから少数精鋭になっているというのならまだしも、現実は、自民党政権時代でも、民主党政権になっても、大臣になるたびに知識や見識のなさが露呈したり、失言を繰り返すのだから、そうともいえません。
日本共産党・知りたい聞きたい/日本の国会議員は世界からみて少ない? :

少数政党も、議員定数を減らすことに対抗して国民の支持をえようとするなら、あるいは比例代表を減らすことに反対を唱えるだけでなく、共産党の主張にあわせて政党助成金廃止、さらにもっといえば国会議員に対する歳費を大きくカットする法案を提出すればいいと思いますね。そのうえで議員数維持と比例代表の拡大を訴えればいいのです。自己利益にもとづく自己主張だけでは最悪です。

また国会議員の人数が多いと民意が反映されるかというと、こちらも怪しいのではないでしょうか。少数政党も与野党ネジレのなかでキャスティングボードを握るぐらいの数をもたなければ影響力はないので、いくら少数政党が生き残っても、かならずしも民意が反映されるとは限りません。国政レベルで、ニーズに沿ったきめの細かな政策を行おうというのは、まだ中央集権型の政府、大きな政府を残したいということにも聞こえてしまいます。

多様なニーズに応えていくためには、中央集権の全国一律平等という仕組みではなく、地方の独自性によって多様な仕組みに変えていかなければ解決しません。国会議員の数ではないのです。

やがて、地方へ権限を移していくということであれば、国会は地方のニーズを吸収するよりは、国として行うべきことに集中すればいいので、すべて比例代表制にしてしまい、人数を大きく減らすのも一手かも知れません。


議員の数の問題よりは、国会議員に支払っている経費のほうが問題の本質かと感じるのですが、Wikipediaで見ると、国会議員数の多いイギリスの下院議員一人あたりの歳出は970万円と慎ましやかで、アメリカでも年額約1700万円だそうです。
歳費 - Wikipedia :

日本の国会議員の場合は、一人あたり年額約2200万円(手当てを含めた総額は約4200万円)はいかにも多いという印象を受けます。世界最高の水準だといわれています。さらに政党助成金がでるのだから日本国民は国会議員に多額の投資していることになります。田中康夫さんの場合なんかは、政党日本の政党交付金を一人占めで、給与、手当を含めると1億8千万円弱を受け取っているので、ちょっと待てよ、それならもっと仲間の議員を増やす実績を示すか、政党助成金を受け取るなよと言いたくなります。

いくら高い経費をかけていても、それだけの働きをしているのなら、国民の不満はないのでしょうが、増税のために、議員定数削減、公務員給与のカットという程度の発想しかないのなら、いい仕事をしているとは感じないのが国民です。


共産党は政党助成金を受け取っていませんが、経済に責任を持たない限り、永遠の野党の限界を背負っているのでしょうし、いっそ「みんなの党」とか他の党でも、政党助成金は自主的に受け取らないという潔さを見せ、自分たちなら、日本の経済や財政をこう思い切った方法で立て直すという展望を示せば、支持率が急上昇するのではないでしょうか。

状況を見れば、少数政党が大きく伸びる機会がやってきているのですが、どこかにその好機を掴んでもらいたいものです。

要は我が身を切ってでも、日本の明日のために貢献するという気迫、過去のしがらみを絶って、将来をどう切り拓くかの信念やビジョンをどう国民に感じてもらうかではないかと思います。既成政党との違いをもっと強力に印象づけ、新しい風を感じてもらわなければ、しょせん少数政党の域をでません。

議員歳費を大きくカットする、そのかわり選挙で思う存分自らの主張を知ってもらうために、インターネット全面解禁でも提案すればと思います。寄付金を集めやすい制度の導入も提案すればいいのではないでしょうか。

いずれにしても、国会議員のみなさまには、大きな志をもって、国民から信頼される政治を実現していただければ、きっと将来を託そうという国民の支持も得られると思うので、よろしくお願いを申し上げたいと思う次第です。

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