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アングル:米銀株、上昇余地に慎重な見方 利上げの恩恵は織り込み済みか

[18日 ロイター] - 米国の銀行株が2年間急上昇した後、2018年も株価がさらに上昇することに期待する投資家は、融資の伸びが加速するか規制が大幅に緩和されない限り、失望することになるだろう。

S&P500銀行株指数<.SPXBK>の利益は第1・四半期、予想を3.1%上回った。ウォール街の2018年通期利益予想の伸び率は5月上旬、32.2%と、4月1日時点の予想の28.4%から上昇した。

ただ投資家は、銀行融資の伸び率に失望しており、これは、トレーディング関連収入や純金利マージンの伸び、昨年12月の税制改革による減税でだけでは相殺できない。

米銀の利益は予想を上回ったものの、S&P500銀行株指数は、4月13日のJPモルガン・チェースを皮切りとした決算シーズン序盤の数週間、横ばいとなった。5月に入り、全体相場が上昇する中、銀行セクターは5営業日続伸した。ただ、年初からの上昇は1.2%となり、年間で20%上昇した2016・17年とは程遠い状態となった。

中小銀行で構成するS&P1500銀行指数<.SPCOMBKS>は年初来で2%高と、大手銀をやや上回った。だが、2016・17年通年の上昇率はそれぞれ22%、17%となっており、見劣りする。

投資家は米銀行セクターについて、金利上昇や経済成長から恩恵を受ける手段とみなしている。一部は株価上昇を見込み、融資需要の改善、米金利上昇と規制緩和による利益増加の加速を期待している。

だが、それ以外は銀行株の一段の上昇余地について懐疑的だ。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズ(KBW)の調査責任者、フレデリック・キャノン氏は「ホームランのようなものを銀行に期待するのは難しい」と話す。「金利上昇も減税も、株価に織り込まれている。規制面での影響はすでに確認したかもしれない」という。

同氏は、融資の伸び加速がカタリスト(触媒)となる可能性はあるが、確率は高くないと述べた。

<バリュエーションは魅力的か>

一方で、ジョン・ハンコック・リージョナル・バンク・ファンドのポートフォリオ責任者、リサ・ウェルチ氏は、割安感から銀行株は上昇すると予想する。S&P500銀行株指数の予想株価収益率(PER)は11.34倍と、過去の中央値である12.56倍を下回る。

米国では2007─09年の金融危機後に成立した金融規制改革法(ドッド・フランク法)修正案が議論されており、ウェルチ氏は銀行間の合併増加や株価上昇につながるとみている。

ただ、アバディーン・スタンダード・インベストメンツの株式調査アナリスト、マイケル・クローニン氏は、法人税減税により企業が既存債務を返済するためのキャッシュは増えており、結果として融資の伸びに水を差したと分析した。

米連邦準備理事会(FRB)の統計によると、大手米銀の融資は4月に5兆0700億ドルと、3月の5兆0500億ドルから増加。一方、4月の商工ローンは1兆1800億ドルと、3月の1兆1600億ドルから増加した。

同氏は「緩やかな融資の増加が続くだろう。2018年後半に大幅に増えるとは予想していない」と述べた。

ポーテイルズ・パートナーズのパートナー、チャールズ・ピーボディ氏は、米企業が引き続き自社株買いや設備投資を拡大させれば、貸出の伸びも拡大すると楽観的だ。ただ、貸出の伸び加速を好感した株価上昇は短期的だという。融資加速により、信用コストも加速するためだ。

ピーボディ氏は「あすにも株価が急落するとは思っていない」が、「年末までに振り返ってみれば、今年の前半がピークだったと気付くだろう」と述べた。

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