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米朝会談の行方

米朝会談の行方に再び注目が集まりそうです。北朝鮮が韓国との南北閣僚級会談を突如中止したのは米韓合同訓練が北朝鮮を刺激したから、というものです。これに対して「北朝鮮の常套手段がまた始まった」という見方が主流ではないかと思います。

個人的には合同訓練は単に表向きの理由で北朝鮮側がもしも本当に腹を立てているとすればアメリカ側のボルトン大統領補佐官が提示している非核化プロセスの「リビア方式」なのだろうと思います。リビア方式は非核化をしたのち、経済制裁を解除するという流れです。しかしリビア方式の源であるリビアにおいてカダフィ大佐がアメリカが支援する反体制派により殺害されたという歴史があることから北朝鮮にとってリビア方式は「恐怖の方式」となるのでしょう。

ボルトン氏は北朝鮮の核兵器を廃棄し、アメリカのテネシー州の施設に持ってくるやり方を提示しているようです。

この話にはもう少し奥深いところがあります。それは交渉の矢面がアメリカ側のボルトン氏に対して北朝鮮側が金桂冠第一外務次官である点です。ボルトン対金桂冠の対決は因縁の対決ともいえる6カ国会議の時代からのライバルとされます。双方、強硬派の上にお互いを強く意識して一歩も引かない姿勢を見せています。金正恩委員長がわざわざこの75歳のあまり健康ではないとされる金外務次官を抜擢したのはそれなりの思慮があったものと思われます。

ではこのバトルは北朝鮮にとって戦略上有利かといえばとんでもなく不利な展開となるとみています。アメリカからすれば「まんまと罠に引っかかった」ぐらいにしか思っていません。アメリカが交渉で頑なになればなるほどアメリカから提示されるであろう条件は北朝鮮にとってより厳しいものとなり、金正恩氏が受け入れがたい内容になる可能性があります。

では、北朝鮮の脅しのように「朝米会談が危ぶまれる」といえば北朝鮮が有利になるのでしょうか?アメリカからすれば好きでディールをしているわけではなく、「国際社会の中でアメリカが外交ポイントが取れるなら交渉してもいいぜ」ぐらいのものです。よって、アメリカからすれば「いつでも止められる」選択肢があります。

個人的にはシンガポールの会談は実行するとみています。今、会談を止めれば北朝鮮は追い込まれてしまいます。金正恩氏の熱が少し冷めたら考え直すでしょう。熱さましは、中国あたりが担当するのかもしれません。

問題は朝鮮民族に共通する「ムービング ゴール ポスト」であります。先々、韓国側と経済や人的交流が活発化すると思いますが、双方とも都合が悪くなると「そういう約束はしていない」と突っぱねる癖があります。今までは対日本に対してあきれるほどのご都合主義を見せつけてきましたが、今度は同じ民族同士でそれをするわけです。一定の熱愛期間は兎も角、しばらくすれば双方、大バトルを展開しないとも限らないと私は思っています。それが結局、朝鮮半島の歴史であり、そんなものは繰り返すのが目に見えているのでしょう。

外交専門家はそこまで見抜いたうえで非核化だけは絶対条件であとは民族間でやってくれ、ということではないかと思います。仮に北朝鮮の経済制裁が解除された場合、アメリカが北朝鮮に投資をするかといえば案外、中国にAIIB経由でやらせる気がします。アジア開発銀行が主体にはならない気がしてなりません。これは単なる予感ですがアメリカは半島情勢にあまり突っ込みたくないという感情を抱く気がします。

いづれにせよ、歴史の教科書に出てくるような展開がもう間もなく始まろうとしています。注目です。

では今日はこのぐらいで。

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