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親が学校と付き合う究極の方法 教師歴40年で見えた最大のコツ

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 2018年2月24日、東京都で講演会「究極の学校とのつきあい方」が開催された。講師の岡崎勝さんは、愛知県名古屋市で40年以上に渡って小学校の教員を務める一方、雑誌『お・は』編集人でもある。『お・は』創刊20年という節目に行なわれた講演会で選んだテーマは、「究極の学校とのつきあい方」。教員の目から見た学校とのつきあい方とは。

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 小学校の教員になって40年以上が経ちました。いまも非常勤として理科を受け持っていますが、じつは「学校」があまり好きじゃないんです。「学校って本当に必要なのだろうか」という問いを持って教員になったものですから、「学校ありき」で物事を考えたことがありません。現在も、学校とどうつきあうか、どう距離をとるかというのは私自身の課題としてつねに持っています。そして、それ自体が『おそい・はやい・ひくい・たかい(以下、『お・は』)という雑誌を創刊したきっかけであり、編集人として今日まで20年間も続けてこられたモチベーションにもつながっています。

逆の価値観を

 『お・は』の編集をするうえでこだわり続けてきたのは「いまの学校や社会の価値観を突き放してみませんか?」ということです。学校という場所は「個性を大切に」と言いつつも、実態は大人がつくった「ものさし」で子どもを「分けて、ならべて、ばらばら」にしようとするところです。その根底には、効率をよくしていこう、なんでも数値化し、比較しよう、競争させれば活気が出る、みんな同じがいい、などの考え方があるわけですが、これには強い危機感を持っています。

 最近、若い先生たちのなかに「子どもが元気でイキイキするから競争させましょう」と言う人がいます。たしかに楽しそうにがんばっている子もいるんですが、その輪に入れない子、そういう雰囲気を感じ取った時点で気力が萎えてしまう子がやっぱりいるんです。それを見たとき、自分の認識のまずさに気づいてくれればいいんですが、たいていの先生は「この程度でめげていたら社会で生きていけないぞ」と、逆にはっぱをかけてしまう。それを当然視するムードが教員間にあるものだから、よけいに子どもは追い込まれてしまいます。こんなことを続けていては、その影響は悪いかたちでかならず出てきてしまうなって。

 学校にある「ものさし」を壊すためには、「はやいよりおそいほうがよいこともある」「たかいよりひくいほうがよいこともある」というように、逆の価値観を提起することが必要だと考えています。『お・は』を続けてきた20年は、それをいかにして伝えるかということに悩み、考え続けた時間だったように思います。

「評価」は可能?

 その意味で言えば「評価」も同様です。「学校で子どもを評価するなんて、そもそも可能なのか」という問題提起です。職員室でこういう話をすると「岡崎さんとは議論にならない」と、ほかの先生に言われてしまいます。浮くというより、ほぼ飛んでいる状態に近いですね。浮いていれば沈むこともできるんですけど(笑)。

 とはいえ、「評価をやめる」ということは、結局できませんでした。学校の「ものさし」のありように疑問を投げて問い続ける一方で、その枠組みから完全に自由になることはできなかったんです。そうした葛藤や矛盾を抱えつつも、今までなんとかやってこられたのは、『お・は』だけではなく、市民活動にも参加するなど、さまざまな市民に出会い、学校の外の空気をよく吸っていたからでしょうね。それは子どもにとっても親にとっても、非常に重要なことだと思います。

 本日のテーマ「究極の学校とのつきあい方」について、ずばり言ってしまえば、「学校とべったりとつきあわないこと」だと私は考えています。どうしたって集団行動が苦手な子はいるし、人が多くて騒々しい場所はイヤだという子もいます。しかし、学校は画一化された価値観と暮らし方を子どもに提供する場ですから、「こうあるべき」という枠組みが決まっています。

 こういう話をすると「時間を守る、まじめに出勤する、というのは社会人として当然だ」と言う人がいますが、本当にそうでしょうか。子ども時代に培ったことが大人になって実になるかと言えば、かならずしもそうではありません。だからこそ、子どもを学校に預ける場合、「学校とどう距離をとっていくか」というのは、親としてつねに考えていかなければいけないことだと思います。

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