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堀潤氏「与野党・行政は対立を越え"公文書の問題に向き合っている"という姿勢を」

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 8日、審議拒否を続けていた野党が衆議院本会議に出席。先月20日以来19日ぶりに国会は正常化した。それでも10日には衆参両院の予算委員会で柳瀬唯夫・元首相秘書官の参考人招致が行われるなど、混乱の出口は見えない。諸問題に早々に幕引きを図りたい与党だけでなく、攻勢を強める野党への批判の声も根強い。国会運営をめぐる問題、公文書管理の問題について、元NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏に話を聞いた。

ーー野党がようやく審議に応じました。それでも国会では森友・加計学園をめぐって、公文書や証言にまつわる問題が長引いています。

 国会運営について、与野党の国会議員の方々に最近聞いた話で印象に残っているのが、「中継が入らない審議では良い議論ができているんですよね」というものです。自嘲気味にため息混じりで話す議員の姿が印象的でした。

 実際のところ、国会では審議された法案の8割程度が成立しています。当初は対立していたとしても与党側が法案の修正に応じ成案するケースも少なくありません。審議拒否したり、真っ向から対立して政局を匂わせたりする審議というのは一部です。

 しかし、ニュース番組では対立軸が鮮明で、センセーショナルな様子を中心に取り上げられる印象が強いですよね。だから議員も中継が入ると国民の視線を意識するし、党勢を盛り上げたいという思いもあって、どうしてもアピール合戦をしてしまいます。とくに野党の皆さんにとってはアピールの場ではあるけれど、ポピュリズムは警戒しなくてはいけません。

 "安倍政権倒せ!"の一辺倒ではなく、各論に目を向けたいですし、個人的には参議院改革をやっても良いと思います。こういうときこそ、じっくり冷静な議論ができるよう、党議拘束をかけないルールにするとか、議員は各都道府県から出すようにするとか。いつも「政治改革」が叫ばれますが、その手前の部分で変えられることもあると思います。

 その意味で、NHKは編成の都合で中継しないこともあるけれど、衆参両院がインターネットを中継しているし、ニコニコ生放送やAbemaTVなどで国会審議の様子はかなりカバーできるようになってきている。欲を言えば、僕たちの側もそういうものを見ていく必要があると思います。

ーーなかなか興味が持てないとか、時間がない、という人はどうすれば良いでしょうか。

 フェイクニュースの問題もありますし、自分で情報を見極めましょうと言われる時代です。余力がある時に、自分の興味・関心のある問題について、政府はどういう見解なのか、調べてみるのも良いと思うし、とても面白いということを伝えたいですね。たとえばSMAPの解散をきっかけに、芸能事務所の問題が出てきました。その時、労働法の観点から見てどうなのか、といった、意外に身近で多様な質疑がされているんです。

 とはいえ、いちいち中継やアーカイブ映像を見るのは…という方も多いでしょう。僕がよく使うテクニックの一つなんですが、国会での質疑の内容は書面として残っているので、そこを見てみるわけです。

 最近、ネット上に"働き方改革は陰謀だ、アメリカの強い要求に従っているだけだ"というような言説を目にします。果たして本当なのか?と思ったら、国会の委員会や政府の会議でそういう話が出たのだろうかと調べてみる。関係する官庁のサイトに行って、「アメリカ 日本 働き方改革 要請」「アメリカ ホワイトカラー・エグゼンプション」などと検索すると、いろんな会議の議事録が出てくる。すこし玄人っぽいけれど、PDFになっていないものはPDFすると、本文の検索ができます。とにかく資料は膨大ですが、検索してみる価値はありますよ。

ーー公文書管理の話に戻ってきますね(笑)

 そうですね。日本はそこが明らかに遅れています。アメリカでは公文書館のサイトにアクセスすれば、すぐに文書が出てきます。しかも公開されているものに関しては、黒塗りになっていることも少ない。特に印象的だったのは、担当者のメールアドレスや電話番号がきちんと記されているものもありました。"○○さん、こんにちは"から始まる、まさに担当者同士のメールも含まれていました。たとえば福島第一原発事故についても、自宅のPCからそういうものにアクセスできる環境を目の当たりにして、海外の方がよほど情報を得られると思ってしまいました。

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