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「即位=位に就くことではない」 東大教授が教える“生前退位”における重要ワード

 「この先の自分の在り方や務めにつき、思いを致すようになりました」

 天皇陛下が退位の意向を滲ませた“お気持ち”を表明されたのは、2016年8月のこと。以来、政府は「生前退位」についての議論や法整備を重ねてきた。2017年6月には、一代限りの退位を認める「退位特例法」が成立。12月には、退位の日を2019年4月30日とする閣議決定がなされた。

 年齢からくる身体への負担が心配される中、陛下は被災者や島の人々を訪問してこられた。去年10月に九州北部豪雨の被災地を慰問。翌11月には鹿児島の屋久島と奄美群島を訪れ、今年3月下旬には沖縄の与那国島などを訪ねられた。

 陛下は来年85歳で4月30日の退位の日を迎えられる。平成があと1年を切った最中、『けやきヒルズ』(AbemaTV)では「天皇陛下が退位されるということ」について歴史学者で東京大学教授の本郷和人氏とともに考えた。

 生前退位に際しては様々な行事が行われるが、その中で本郷氏は「剣璽渡御の儀」を重要な儀式に挙げる。

 「特定の宝物が王様を守るという考え方から、日本の場合は“三種の神器”が天皇陛下のお体をお守りするものとなっている。鏡は内侍所(ないしどころ)にいつも安置されているとされていて動かさない。残りの勾玉(璽)と剣を、前の天皇陛下のところから新しい天皇陛下のところへ持っていくことによって、新しい天皇陛下が位に就くことになる」

 また、退位とともに目にするのが「即位」という言葉。本郷氏によると、正式には「即位=皇位に就くこと」ではないという。

 「皇位というのは1日も空位があってはならず、前の陛下が退位されたらすぐに次の陛下がその位に就かなければならない。その皇位継承は『践祚(せんそ)』といって、『5月1日に新しい天皇陛下が践祚された』というのが正しい言い方。『即位』は、こういう方が天皇陛下になられますよということを国民に知らしめる、皇位に就くことを“内外に明らかにする”ということ。践祚の日から1年、2年の時間をかけて準備を整えてから『即位式』が行われる」

 生前退位について解説した本郷氏。では、約30年続いた「平成」とはどのような時代だったのか。本郷氏は「一言で言い表せない期間だった」と振り返る。

 「例えば、明治時代だったら『明治維新』があって、言いか悪いかは別として富国強兵という目的があった。大正時代でいえば『大正デモクラシー』、昭和は『大きな戦い』と『敗戦からの復興』とすぐに出てくるが、『平成』といえば何だろうと。地下鉄サリン事件(平成7年)や山一證券の経営破たん(平成9年)など一つひとつの事件はあったが、全体としてはなかなか見えてこない、そういう元号だったのかな」

 一方、キャスターの柴田阿弥は「平成しか生きていない身ですが」と前置きしつつ、「悲しいこと・暗いことがあって、不景気だと小さい頃に言われていたことを思うと、生活の便利さやお金を使うこと以外の楽しみを知っている平成世代も悪くないんじゃないかなと思う」と言及。本郷氏の「右肩上がりの経済成長という神話は終わったが、今の方が生活レベルは上がっている。昔はディスコで踊るなど、皆が同じ方向を向いていた。今は一人ひとりが自分にとって大切なものは何かを大切にして生きている」とのコメントには、「(人生の)ゴールがたくさん増えたんじゃないかと捉えている。幸せには色々な生き方があると平成で新たに示されたのでは」と自身の考えを述べた。

(AbemaTV/『けやきヒルズ』より)

▶︎放送済み『けやきヒルズ』の映像は期間限定で無料視聴が可能。

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