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アイコスの売れ行きが鈍化。中年は「紙巻きたばこ」がやめられない?

 加熱式たばこで市場をリードしていたフィリップ・モリスの「アイコス」の売れ行きが鈍化しています。喫煙者の約半数を占める50代以上の世代に普及が進んでいないことが原因です。これを受けてフィリップ・モリスの株価が暴落するなど市場には混乱が広がっています。加熱式たばこをめぐっては、受動喫煙の問題を解決すると期待する声がある一方、従来の紙巻きたばこと同様、健康問題や周囲の迷惑について指摘する声も出ています。


写真:ロイター/アフロ

 アイコスは米フィリップ・モリス・インターナショナルが開発した加熱式たばこです。同社は、他社に先駆けて加熱式たばこを市場に投入したこともあり、加熱式たばこでは断トツのシェアとなっています。特に日本は世界でも有数の加熱式たばこの市場となっており、各国の投資家が日本におけるアイコスの販売動向に関心を寄せています。

 ところが、4月に発表した同社の1~3月期の決算では、日本市場においてアイコスが伸び悩んでいることが明らかとなり、市場は落胆。株価が2割近く下落する騒ぎとなりました。

 アイコスの売上が伸び悩んでいるのは、JTが競合となるプルーム・テックの販売に本格的に舵を切ったということもありますが、中高年世代への普及が進んでいないという理由が大きいといわれています。日本における喫煙人口の約半数は50代以上ですが、50代以上の喫煙者はあまり加熱式たばこを好みません。この層は喫煙市場における中核層ですから、たばこメーカーにとっては影響が大きいでしょう。

 加熱式たばこは従来の紙巻きたばこと比較して、健康被害や周囲への影響が少ないといわれています。フィリップ・モリスでは、アイコスを使用したことによる周囲への影響について大学と共同研究を行っており、悪影響は確認されないとする報告書をまとめています。もしこの話が本当であれば、加熱式たばこは、受動喫煙の問題を解決するひとつの手段となる可能性があります。

 しかし加熱式たばこについては従来と同様、健康への影響を危惧する声が出ているほか、悪臭について指摘する意見もあります。喫煙に厳しい米国ではまだアイコスは認可されておらず、FDA(食品医薬品局)が継続して調査を行っている段階です。

 意図したわけではないでしょうが、日本市場は加熱式たばこの将来を占う試金石のような状況となっています。加熱式たばこについて社会としてどう位置付けていくべきなのか、もっと国民的な議論が必要でしょう。

(The Capital Tribune Japan)

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