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アルコール依存症から見た山口達也くんの状況

まず私の属性を断わっておきます。私はアルコール依存症(以下、単に依存症と書きます)を自己診断し自力で克服した少し珍しいタイプの患者です。詳しくは以下の過去ログを参照してください。

私の持病について
私の中のアルコール依存症 

山口達也くんは、本人は否定しているものの、いや否定してるからこそ、依存症に違いないと言われています。

山口達也さんは依存症の診断と治療を受けて欲しい
山口達也メンバーの謝罪会見を精神科医に解説してもらった

依存症患者が否認してる(自分は依存症ではないと思いそう言い張る)状況がどんなものかを簡単に解説します。

依存症は、アルコールに身も心も支配される病気です。彼は自分は依存症ではないと言い、お酒を止められなかったのは、犯行に及んだのは自分の甘さだったと言っています。 これは心身がアルコールに支配されてそう言わされているようなものです。

依存症患者が飲酒したら、制御することはできません。泥酔に至るまで飲んでしまうし、泥酔すればどんな卑劣な行為も平気でします。シラフの時は絶対しない犯行に及んでしまうのは、「依存症患者がお酒を飲んだ」からです。他の要素はありません。

しかしそれを自認してしまうと、もう彼はお酒を飲むことができなくなる。アルコールに支配された彼が、それを言うことはできないのです。そういう体になってしまっているのです。

「自分の意志で飲んだじゃないか」「自分の意志で犯行に及んだのじゃないか」。依存症を知らない人は皆そう言います。そして、彼もその主張を是認して、「はい、自分の意志で今後はきちんとします」という。断酒という選択肢が自殺と近いくらいハードルが上がってるから、そう言うんです。

本人はいつでも酒をやめられるし、少しくらい飲んでもセーブすればいいと思ってる。しかしそれは、アルコールの害を、依存症という病を知らないからなのです。

今、テレビでABブラザースの中山氏が「大人なんだからきちんとケジメしろ」みたいな総括をしてましたが、そういう問題では全然ないです。酒飲みには「飲んでも大丈夫な健常者」と「飲んではいけない依存症」の2種類がいる、それだけです。

山口くんが依存症についての正しい知識を得て、自分のこれまでの全ての行動、自分の心理を客観的に見つめて、依存症であることを自覚することが全ての始まりです。

「自分は特別に強い人間でもなければ悪い人間でもない、ただの依存症なんだ」と気づくこと。人間の心なんて、身体を壊せば意志で維持できるようなものではありません。

どんな健常者でも、数日間飲まず食わずや睡眠ゼロで暮らせば自分の心は完全に制御を失います。依存症患者は常にその状態の瀬戸際に立ってるようなものです。

アルコール依存症は、断酒すれば発症を止められます。しかし、何年断酒しても、次の日に1滴のお酒を飲めば元に戻ってしまう病気です。

やるべきことは簡単ですが、もともとお酒が大好きでなった依存症だから、これが最も難しい。依存症を自覚し治療することは、今まで自分の一部だと思っていたお酒と一生縁を切るつらい出来事です。

こういうと、健常者の皆さんはきっと「被害者の気持ちになってみろ」と非難するでしょう。非難すればいいと思います。しかし、なんと言われようと患者にとっては断酒することが一番辛くって大切なことなのです。

TOKIOに戻るとか、芸能活動をどうするとかは、些細なことです。一番大事なことは、依存症と戦うこと。そしてその戦いに、日々勝ち続けることです。

山口くんはどうか勇気を振り絞って、厳しい現実に向き合ってほしいと願っています。あなたは普通の、依存症患者です。

 

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