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人はみな性的な目で見られている

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このところ、大きなセクハラ問題が2つたて続いた。

1つは財務省の福田前事務次官による女性記者へのセクハラ疑惑。

もう1つがTOKIOの山口達也氏による未成年女性タレントへのセクハラである。

前者については福田前事務次官はセクハラ行為を認めていないものの、財務省はセクハラ行為があったと判断し、減給20%6ヶ月の処分を行うという。(*1)

後者については山口氏自身が共演の女子高生タレントを自宅に呼び出し、無理矢理キスをしたという一連の行為を認めている。(*2)

まず、セクハラ被害を受けた女性たちの対応は十分に立派であったと考える。

女性記者は自分の所属するメディアが協力してくれないと感じた結果、他のメディアに情報を提供し、結果、今回の問題を表沙汰にした。

また未成年女性タレントは無理やりキスされるという被害は防げなかったが、その後に屈すること無く示談を成立させ、また山口氏自らセクハラ行為を認める記者会見を行わせた。

社会的権力を盾に一方的に他者を性的な欲望のために利用するセクハラは許してはならないし、また発生したときはしっかりと断罪される必要がある。こうして問題が露出する傾向はいい傾向であるといえる。

しかし一方で残念なのが、この問題の論じられ方である。

被害者女性を誹謗中傷するような論じ方は論外だが、一方でセクハラを批判しているように見えるようでいて、実のところ全く関係ないことを論じている人たちが目についた。具体的に2つの例を挙げてみよう。

1つは作家の筒井康隆氏の言葉である。

筒井氏は自らのサイトでセクハラ問題にこのように言及している。

「セクハラ問題でテレビがえらく騒いでいる。異性にモテず、二枚目意識も持てない人はセクハラに走るしかない。気の毒としか言いようがない。」(*3)

テレビでえらく騒いでいるセクハラ問題は上記の2件である。かたや官僚のトップである事務次官という権力者、かたや年をとったとはいえ、問題の発覚までメディアの最前線で活躍してきた人気アイドル。この二人の問題をして「異性にモテない人の問題」とくくるのは無理やりどころか真逆の嘘だろう。

そもそも50代の福田氏による性的なワードを連呼するやりかたや、40代の山口氏による無理矢理キスをしてしまうというやり方。10代後半の恋愛ならともかく、大の大人がこうした幼稚とも言えるやり方をしてしまうのは、実際にこういうやり方で成功していたからである。

いわば彼らはモテるがゆえの成功体験により、安易なセクハラを繰り返していた。しかし数を重ねる中で、成功しない事例もあり、そのうちの氷山の一角が女性からの告発により露呈した。そう考えるのが妥当である。

筒井氏のような考え方の裏には「女性からモテる男性は好ましい人間である」という偏見がある。これを逆にすれば「モテない人間は好ましくない=セクハラをするのはモテない人間だ」ということになるのである。

しかしこの考え方は角度を変えれば「モテるという状態は望ましい人格の結果としてもたらされる」という考え方になる。故に世界の男たちは歳を重ねると、他人から羨望されるような若く美しい女性を手元に置きたいと考えるようになる。それがいわゆる「トロフィーワイフ」だ。「こんな若くて美しい女性にモテるほど、わたしは素晴らしい人間なのだ」。そう誇るための女性を手元に置くという考え方に至るのは、筒井氏のような考え方があればこそである。

いわば筒井氏のような考え方はセクハラを批判しているように見えて、むしろミソジニー(女性嫌悪)の表明でしかないと僕は考えている。

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