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シリア攻撃─化学兵器の研究開発能力低下のための武力行使が許されるのか

アメリカのトランプ大統領が、シリアに対する攻撃を行いました。化学兵器を使って、女性や子どもを含む多くの民間人を殺傷した、それに対する報復である、という位置づけです。

安倍総理は、「化学兵器の使用は、極めて非人道的であり、我が国として容認することは断じてできない。化学兵器の拡散・使用は決して許さないとの米国、英国、そして、フランスの決意を日本政府として支持する。その上で、今回の3か国の行動は、事態のこれ以上の悪化を防ぐための措置と理解する」とコメントしました。

前回のシリア攻撃とよく似た構図で、行為そのものを支持するのではなく、決意を支持する、そして、事態のこれ以上の悪化を防ぐための措置として、今回のこの行為を理解する、という二段構えです。

こう言わざるを得なかったのは、第1に、シリアが化学兵器を使用したという確たる証拠を得られるには至っていないこと。第2に、安保理決議が得られないなかで、3か国での単独行動だったことがその理由です。しかし、なるべくアメリカに対して寄り添っているという姿勢を示したい。したがって決意を支持するという、中途半端な言い方になっています。

河野外務大臣は、「事態のこれ以上の悪化を防ぐ」の意味について、化学兵器の研究開発能力を今回の攻撃で低下させる措置であるという、そこを理解するとも言っています。研究開発能力、つまり、大量破壊兵器の製造装置を破壊することについて理解をするということですが、研究開発能力を低下させるために、武力行使を容認されるというのは、今までにない論理です。しかも、今回の攻撃が、シリア問題の大きな解決に向けて、意味のある行動とは思えません。

多くの難民が発生した。そして、シリアという国が各国の、例えば、ロシアなどの新しい兵器の実験場としても使われている。中東全体の大きな火種にもなりかねない。このシリア問題の解決に向けて、国際社会で何をなすべきか、そういう議論が忘れ去られたまま、厳しい言い方をすれば、トランプ大統領を取り巻くアメリカの国内情勢も厳しいなかで、そこから目をそらすためにという観点も含めて行われた武力行使だったのはないかと、極めて残念に思っています。

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