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【読書感想】ルポ東大女子

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ルポ東大女子 (幻冬舎新書)

ルポ東大女子 (幻冬舎新書)
作者: おおたとしまさ
出版社/メーカー: 幻冬舎
発売日: 2018/03/29
メディア: 新書
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Kindle版もあります。

ルポ東大女子 (幻冬舎新書)
ルポ東大女子 (幻冬舎新書)
作者: おおたとしまさ
出版社/メーカー: 幻冬舎
発売日: 2018/03/28
メディア: Kindle版
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内容紹介
一学年あたり約3000人いる東大生のうち、約600人しかいない希少な存在「東大女子」。「女子なのに東大行ってどうするの?」という世間の偏見をかわし、努力の末に合格。
しかし学内のテニスサークルの男子からは無視され、他大生の男子からは高学歴ゆえに避けられがち。理解力や処理能力が高く優秀なため、比較的出世するが、それでも最後は「男社会」の壁に結局ぶち当たる。かといって就職せずに〝女性らしく〟専業主婦を選べば、世帯の生涯収入が3億減るという現実。偏差値ヒエラルキーの頂点に君臨する〝究極の高学歴女子〟ゆえのジレンマと、その実像に迫る

 「東大女子」か……

 僕自身は、東大卒の女性に知人と言える人はいないので、興味深く読みました。
 ただ、地方の「駅弁大学」でも、医学部に来る女性、あるいは女性医師と、東大女子って、けっこう似ているのではないか、と思います。
 どちらも、「せっかくこうして学んできたのだから、自分の能力を活かした仕事をして生きていく」という意識が強いのではなかろうか。

 大学に入りたての頃、同級生女子たちと話をしていて、「田舎で、結婚とか出産も踏まえて、女が一生できる仕事って、学校の先生か医者しかないと思って」という言葉を複数の人から聞いて驚いた記憶があるんですよ。
 「勉強ができる女子」というのは、高校を卒業して、大学を選ぶ時点で、そこまでの覚悟をしているものなのか、と。地方の医学部って、男は「進学校くずれ」みたいな人が多くて、「まあ、なんとか医学部の隅っこに引っかかったし、大学生活をエンジョイするか!」なんて感じだったものなあ。

 僕がいた大学では、途中に看護学科が新設されて、「ああ、世間の『女子』っていうのは、こんなにくだけた人たちだったんだな」と、雰囲気の違いに驚いた記憶もあります。実際は、大学で看護学をやろうという「女子」は、世の中の平均よりもかなり「キャリア志向で、デキる人たち」だったんですけどね。

 そう考えると、医学部というのは、とくに地方では、なんのかんの言っても、似たような人が集まっていた、とも言えそうです。
 この『ルポ東大女子』を読みながら、そういえば、同じ大学でも、医学部女子と看護科女子のあいだには、微妙な溝があったことを思い出しました。もちろん、そういうのは、男の側の勝手な思い込みの可能性もあるけれど。

 僕は体育会系とは極北の人間で、男女とも「頭の良い人」に憧れるし、話していて楽しい、と感じることが多いのです。何をもって「頭が良い」とするかは、うまく説明するのが難しいのですが。
 ただ、その一方で、ちゃんと仕事をしようとする人たちが、育児や家事があるなかで一緒に生活するというのは、とても難しいことだな、と実感もしているのです。
 高学歴の人に社会が望む仕事というのは、ものすごく忙しかったり、イレギュラーな呼び出しがあったりするものが少なくない。

 そして、子どもは、とくに小さいときには、誰かが傍にいてあげる必要がある。
 「父親の育児参加を」という声は大きくなってきているし、父親の側としても、子どものそばにいたい、というのはあると思う。
 でも、世の中は、そんなに簡単には変わらない。

 僕が以前勤めていた病院で、若手の研修医(男)が育休をとることになったとき、外来で看護師さんたちが、「あの先生、育休とるんだってよ!」「ええーっ、まだ研修医で、男なのに?」という会話をしているのが耳に入ってきました。

 医療の現場で、男にも育休制度があるはずの職場でも、こんなものなんだな、と。
 その一方で、僕自身も、「これでまた、当直とか外来の仕事が増えるのかな……」と暗澹たる気分になりました。
 理想は理想として、自分にも負担がかかるとなれば、黒い感情が浮かんでくるのも事実なのです。
 「今でさえ一杯一杯なのに……」と

アンバランスな男女比に対して、東大もただ手をこまねいているわけではない。
「社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的立場に女性が占める割合を、少なくとも30%にする」という政府方針を踏まえ、大学としても「2020年度までに学生の女性比率30%」を掲げている。

 だが、2017年5月1日時点での学部学生における女性の割合は、19.4%。旧七帝大と呼ばれる国立大学の中でも最も低い。
 京都大学の女子学生比率は22.4%、一橋大学は28.3%、東京工業大学は13.1%、東京外国語大学は65.6%、慶應義塾大学は35.5%、早稲田大学は37.8%である。世界のトップ大学といわれるハーバード、イェール、プリンストン、スタンフォード、ケンブリッジ、オックスフォードの学部学生の男女比はほぼ半々。理系のイメージ強いマサチューセッツ工科大学でさえ、女子学生が約46%を占めている。

 2010年に朝日新聞出版から発行されたムック『東大へ行こう。』の表紙に写っている東大生は全員女性。女子志願者を増やすためにイメージチェンジを狙う大学側の意図が明確に表れている。現役東大女子をそれぞれの母校に派遣し、講演を行ってもらうように働きかけてもいる。女子高校生向けの大学説明会やオープンキャンパスも開催している。女子向けの大学案内冊子まで発行した。

 こういう試みや奨学金制度など、「女子学生を増やす」ことに注力しているにもかかわらず、東大の女子学生は、なかなか増えないそうです。

 こんなふうに宣伝しなくても、いちばん勉強がデキる人たちは、男女関係なく、受かるのならみんな東大に行くんじゃない?と僕は思っていたのですが、実際はそうでもなくて、女性の場合はとくに「あえて東大を敬遠する」あるいは「親に反対される」というケースが少なくないんですね。

 2002年に発足した東京大学男女共同参画室が2003年に発表した「東京大学男女共同参画基本計画」によれば、1982年5月1日時点の学部学生の女性比率は約7%だったというから、この35年間で3倍近くに増えたと言うことはできる。しかし実は2003年には18%、2005年には19%をすでに超えており、それ以降はほぼ横ばい状態なのだ。

「2割の壁」が越えられない。

 そこで2016年11月、東大は一人暮らしの女子学生向けに月額3万円を補助する制度を導入することを発表した。
 これに対しては、男子志願者に対する逆差別ではないかという批判も噴出した。同じ新入生なのに、女性だとお金がもらえて男性だともらえないというのでは、そこだけを見ればたしかに不平等だ。しかし問題はそこだけではないのである。

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