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漫画村がアクセス不能に!?〜政府はサイトブロッキングを検討、海賊版サイトへの対策は?

「現在漫画村はメンテンス/もしくは負荷が高い状態です。」

 11日、利用困難な状態になり、インターネット上では「ついに閉鎖か」「管理者が逃亡」などといった噂も飛び交った漫画海賊版サイト「漫画村」。若者を中心に利用者が広がり、今年に入っても月に約30万人が利用しているというビデオリサーチインタラクティブによる調査結果が出るなど大きな問題となっている。今年2月には日本漫画家協会が「まったく創作の努力に加わっていない海賊版サイトが利益をむさぼっている現実がある。日本のいろいろな文化が体力を削られてしまい、ついには滅びる」と、対策を訴えていた。

 菅官房長官は夕方の会見で「政府としてはインターネット上の海賊版対策を強化するために、サイトブロッキングを含め、現在あらゆる方策の可能性を検討している。現在、その検討を政府一丸となって進めているところだ」と明かすなど、漫画村をめぐる状況は刻一刻と変化している。

 Twitter上には「『漫画村』がなくなっても第2第3の『漫画村』が生まれるんや」「無理。『漫画村』がない生活無理」「漫画村の代わりは本屋だよ」などの書き込みもされている。

 また、この春から大学生になった若者たちに話を聞くと、「悲しい。悲しいみたいな。え、どうしようこれから、みたいな」「困る。無料で見られたのはありがたかったので。違法と知っていても見ちゃうというのはあった」といった声が聞かれた一方、「明らかにやっていることが間違っているし、閉鎖がいいんじゃないかな」「違法でやっているなら閉鎖してもしょうがないかな」という意見もあった。

 著作権侵害を続け、アクセスしてきたスマートフォンやパソコンを使って強制的に仮想通貨のマイニングを行っていた問題も指摘されてきた「漫画村」。骨董通り法律事務所の福井健策弁護士は「追及の難しい海外サーバー上でサイトが運営」「身元を隠して運営する技術が発達」「海賊版コンテンツにリンクを貼るだけの行為はこれまでは適法と考える土壌があった」といった点を挙げ、ブロッキングについても緊急避難的に検討すべきだとしている。

 しかし、政府が検討を進める漫画海賊版サイトのブロッキングに対しては異を唱える声も上がっており、インターネットコンテンツセーフティ協会などの団体が「ブロッキングを行うには全ユーザーの通信を監視する必要があり、通信の秘密を侵害する」として反対声明を発表している。

 ITジャーナリストの三上洋氏は「インターネットプロバイダー(ISP)や携帯電話会社が政府からの要請を受け、見られないようにするという措置。一般の方はほとんど見ることができなくなるという理解でいいと思うが、本来のアドレスを叩けば見ることができるので、完全にブロックできるわけではない。また、ISPのほとんどが加盟しているインターネットコンテンツセーフティ協会が反対声明を出していることも理解してほしい」と指摘する。

 ブロッキングに慎重姿勢を示す人たちが根拠とする「通信の秘密」の侵害。憲法21条の第2項には、「検閲はこれをしてはならない。通信の秘密はこれを侵してはならない」と書かれている。

 英知法律事務所の森亮二弁護士は「本件のようなブロッキングをやろうとすれば、全ユーザーがどこにアクセスするのかをチェックして、海賊版サイトを見ようとしている人のアクセスだけを遮断するということになる。インターネット上のどこにアクセスするのかをチェックするのはプロバイダーであっても許されていない。そこが通信の秘密に抵触することになる。ただ、特別な場合にはそれが適法化されることがある。それが児童ポルノ対策で、これに関しては、ISPが自主的な取り組みとしてブロッキングをしても緊急避難として正当化され、犯罪にはならないことになっている」と説明する。

 その上で「クリエイターの権利侵害を防ぐということと、通信の秘密の保護とが釣り合っていなければならない。クリエイターの権利は重要なものだと思うが、通信の秘密を侵害できるというところまで特別なものではないと私は考える。あくまでも違法なコンテンツをサーバーから落とす、配信代行業をやっているCDNに対して対応を求める、検索事業者にも対応を求める。そういった形で海賊版コンテンツの流通を防ぐことが重要ではないかと思う」との考えを示した。

 実際、11日には出版社の申請を受け、Googleなどの検索サイトから「漫画村」へのリンクが検索結果に表示されにくくなっている。

 スマートニュースの松浦シゲキ氏は「ブロッキングは対処療法でしかない。そもそもアクセスが集まれば集まるほどサーバ代などのお金がかかるので、そこに掲載される広告を止めてしまうなど、根っこの部分での対策が必要だ。これと併せて、誰もが無料で適法に見られる環境を準備して、そこには広告を付けてあげればいい。出版各社がそれぞれマンガアプリを提供しているが、それを上回る漫画村のような利便性を提供すればいい。たとえばニュースの分野では、スマートニュースがコンテンツを集め、作っている人に広告収益を返している。フェイクニュースも含め、そういうサイトに広告が付いてしまうことが原因なんだと、広告業界やクライントは知ってほしい」と警鐘を鳴らした。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶放送済み『AbemaPrime』の映像は期間限定で無料視聴が可能。

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