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【悲報】大阪でeスポーツ施設の閉鎖が始まる

いよいよ、ゲームバー、もしくはeスポーツ施設と呼ばれる施設にも受難の時代が押し寄せてきたようです。以下、ITmediaビジネスより転載。

「ゲームバー」大阪で一斉閉店 著作権団体から警告 任天堂の許可なく大会も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180409-00000076-zdn_mkt-bus_all

ITmedia ビジネスオンラインの取材に対し、ACCSは「警告を行ったのは事実だが、詳細については回答できない」とした上で、一般論として「家庭用ゲーム機器やゲームソフトを店舗に備え置き、顧客に貸し出して、店舗内に設置されたモニターに映写して遊技させる形態は法律違反に該当する」(広報担当者、以下同)とコメント。

「店舗の管理のもとでゲームソフトを顧客に貸し出して上映する行為は、ゲームソフトの著作権者の許諾を得ていない場合は、著作権(上映権)の侵害行為となる」という。

ゲームの著作権者によって組織されるACCSの警告により大阪でゲームバーを展開する事業者が、府内3店舗の閉鎖を決定したとのニュース。

他者の著作物に対する使用料の支払いをせずに行われる営業行為としては、昨今、JASRACが音楽教室に対して起こした係争が有名でありますが、その他にもカラオケ店、ライブハウスなど様々な類似のケースが沢山あります。今回論議になっているゲームバーもしくはeスポーツ施設という存在も、他者が著作権を保有するゲームを「営業」として使用する限りは、そこに著作権使用料が発生するのは当り前のことであり、ACCSの警告は至極当然の主張であるとも言えます。

一方で、本件が「JASRAC vs 音楽教室」の構図と大きく異なるのは、上記記事内にも記載されているとおりeスポーツ施設は、本来風営法上で規定される許可業種となっており、許可なく業を営む者は法律違反となるという点。以下は、風営法第二条第一項からの引用。
第二条 この法律において「風俗営業」とは、次の各号のいずれかに該当する営業をいう。

一 キヤバレー、待合、料理店、カフエーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業
二 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、国家公安委員会規則で定めるところにより計つた営業所内の照度を十ルクス以下として営むもの(前号に該当する営業として営むものを除く。)
三 喫茶店、バーその他設備を設けて客に飲食をさせる営業で、他から見通すことが困難であり、かつ、その広さが五平方メートル以下である客席を設けて営むもの
四 まあじやん屋、ぱちんこ屋その他設備を設けて客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
五 スロットマシン、テレビゲーム機その他の遊技設備で本来の用途以外の用途として射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができるもの(国家公安委員会規則で定めるものに限る。)を備える店舗その他これに類する区画された施設(旅館業その他の営業の用に供し、又はこれに随伴する施設で政令で定めるものを除く。)において当該遊技設備により客に遊技をさせる営業(前号に該当する営業を除く。)
(※下線は筆者)

上記法文の中で下線を引いた部分は「風営5号営業」と呼ばれる一般的にゲームセンターなどに適用される営業種でありますが、この規定はアーケード専用機のみならず、コンソール型の家庭用ゲーム機にも適用されるものであり、原則的にゲームバー、もしくはeスポーツ施設と呼ばれる施設は各都道府県の公安委員会から営業許可を取得することなく営業を行うことはできないわけです。

ところが、国内に現存する殆どのゲームバー、もしくはeスポーツ施設は、実はその殆どが許可を取得しないまま無許可で営業を行っているのが現状。即ち、ゲームの著作権者に「著作権侵害をされている」と警察にタレ込まれ、それを受けて警察が施設に踏み込んだ時点で営業者は風営法上の「無許可営業者」として摘発の対象となってしまう。

風営法上の無許可営業は、2年以下の懲役刑までもを含む風営法上最も重大な違法行為とされています。そういう意味では音楽著作権使用料を払わずに営業を続けている音楽教室などよりもも非常に不利な立場に居るのがゲームバー、もしくはeスポーツ施設という存在であり、権利者と直接対決をするのも中々難しいのが実態。大阪の当該業者は無駄な争いを避けるため、閉店を自主判断するに至ったのでありましょう。

当ブログでは、ここ数ヶ月のあいだeスポーツと景表法の関係について様々な論考を行ってきていますが、実はこの風営法に関連する問題というのは景表法問題と並んで、現在、我が国のeスポーツが直面している大きな問題。目の前で燦燦と炎上する景表法問題との混同を避けるため、当ブログ上では「あえて」あまり大きく取り上げてきませんでしたが、実はtwitter上などではかなり早い時期から私自身も警告を発してきた分野でもあります。


ということで、良いタイミングでもありますので、これから数回に分けて当ブログ上で現在、eスポーツ施設と風営法の関係を巡って何が問題となっているのかに関して、論考をしてみたいと思うところです。

(本稿は次エントリーに続きます)

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