記事

「もっと強気で行け」安倍首相は佐川氏にメモを渡していた - 「文藝春秋」編集部

 今から約1年前、2017年早春の国会でのことだった。

 学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省の佐川宣寿理財局長(当時)は野党の質問攻めに忙殺されていた。委員会室で10数メートル先に座る首相の安倍晋三の秘書官の一人が佐川氏に歩み寄り、1枚のメモを手渡した。

「もっと強気で行け。PMより」

「PM」は「プライムミニスター(首相)」、即ち安倍首相を指す官僚たちの略語である。


佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問 ©杉山拓也/文藝春秋

「近畿財務局と森友学園の交渉記録はございません」(2017年2月24日)

「価格設定して向こうと交渉することはございません」(同2月27日)

 当時、野党の攻め口を遮断するこんな強気の答弁を連発し、国有地売却の適法性を主張して追及に一歩も引かない佐川氏への首相官邸の評価はうなぎ上りだった。「PMメモ」の含意は佐川氏個人への激励にとどまらない。

 首相官邸と財務省は第二次安倍内閣の発足から冷え切った関係が続いていたが、突如勃発した森友問題で、この両者は疑惑の火の粉を払う共通の利害で結ばれ、政治的に初めて「同じ舟に乗った」といえる。それを「PMメモ」は象徴していた。

 2012年末の第二次安倍政権発足以来、経産省に軸足を置き、財務省をカヤの外に置く安倍首相の財務省「敵視政策」は徹底されてきた。

 遠のく官邸との間合いをどう詰め、2019年10月まで実施が延びた消費税増税への道筋をどうつけ直すのか。2017年前半は財務省にとって、お先真っ暗の状態から手探りを再開した時期だった。そこへ勃発した森友問題での“佐川氏の活躍”はかすかな光明にすら思えた。この対応にはどんな些細なミスも許されない。これが理財局で改ざんが進む前後の、財務省内の空気だった――。

 財務省はなぜ「決裁文書改ざん」に手を染めたのか。その背景に切り込んだレポートの全文は、4月10日発売の「文藝春秋」5月号に、10ページにわたって掲載される。

(「文藝春秋」編集部)

あわせて読みたい

「森友学園」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    「女」を使わせるマスコミが悪い

    山本洋一

  2. 2

    美人記者で官僚を釣るTV局の手口

    NEWSポストセブン

  3. 3

    テレ朝のセクハラ報道却下に衝撃

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  4. 4

    テレ朝のセクハラ対応こそ問題

    猪野 亨

  5. 5

    米山知事の援交問題に刑事罰なし

    AbemaTIMES

  6. 6

    高畑淳子「世の中全部恨んでる」

    女性自身

  7. 7

    福田次官問題 テレ朝もパワハラ

    小林よしのり

  8. 8

    女性問題叩きは大物の不在を生む

    文春オンライン

  9. 9

    民進議員 6党での審議拒否に疑問

    櫻井充

  10. 10

    自衛隊内の議員敵視派を調査せよ

    水口洋介

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。