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森友文書改ざんの次は、イラクの日報隠し…国会の冒とく、民主主義の危機だ 安倍内閣の退陣以外に信頼回復は無い

 この国の民主主義は一体どこにいってしまったのでしょうか?

 先月2日、森友学園の文書が改ざんされていたことが朝日新聞に報じられ、27日に改ざん当時の理財局長であった佐川宣寿前国税庁長官の証人喚問が行われました。

 佐川氏は核心に迫る質問については「刑事訴追を受ける恐れがある」からという理由で答弁拒否を約50回も行いました。

 参院の予算委員会で質問に立った立憲民主党の福山哲郎幹事長は、佐川氏の説明を「全く不誠実な答弁で、疑惑はますます深まったと言わざるを得ない。『これで幕引き』という訳にはいかない」「(佐川氏は)刑事訴追されるからといって(証言を)拒否しているにもかかわらず、首相官邸の関与だけを否定するのは論理矛盾そのもの」と強く批判しました。

 国会の証人喚問は、「国会の各議院は、議案等の審査及びその他国政に関する調査のため、証人を喚問し、その証言を要求することができる」との憲法第62条の規定に基づく国政調査権の一環として実施されるものであります。そして、議院証言法により、証人が虚偽の陳述をした場合は、3月以上10年以下の懲役に処せられることになります。つまり、質問に対して肯定も否定もしていないということは、肯定すれば刑事訴追され、否定すれば偽証罪に問われかねないから、証言を拒否するという対応をしたと考えるのが自然なのではないでしょうか?

いずれにしても、佐川氏の証人喚問のみでは疑惑が深まり、真相解明のためには当事者である安倍昭恵総理夫人と、改ざんされた元の文書が作成された時の理財局長であった迫田氏の証人喚問を行う必要があると野党6党で与党側に求めています。

 このような状況の中で、PKOでイラクに派遣された部隊の日報が陸上自衛隊内に保管されていることが発覚したのです。

 この日報の有無は昨年の2月、稲田朋美防衛大臣時代に表面化し、野党に対して「不存在」としてきたものでした。つまり、1年以上の間、我々国会議員は存在する文書について存在しないと嘘の説明に騙されていたということになります。これは与野党関係なく、行政府の国会に対する冒とくであり、民主国家としてあり得ない暴挙であると怒りを感じます。しかも、陸自内に文書があることが分かったのは今年の1月12日、陸上幕僚部が統合幕僚監部に一報が入るのが2月27日。小野寺防衛大臣に報告があったのは年度最終日3月31日。つまり、文書の存在が把握されてから大臣への報告まで2か月半以上かかっていたのです。

 2月は裁量労働制のデータ疑惑が明らかになり、安倍総理と加藤大臣が答弁を撤回、その後、データ自体も誤りであると撤回されました。そして、3月は前述通り、森友学園の決裁文書改ざん問題が注目を集めていた時期です。大臣への報告が遅れたのはこの時期に大臣に報告し、事実を公表してしまうと国会の予算審議に影響を及ぼしかねないという忖度が働いたのでしょうか。

 1年前、稲田前大臣が無いと国会で答弁していた南スーダンの日報が発見され、大問題となりました。その時になぜ見落とされたのか非常に疑問が残ります。そして、稲田前大臣は「驚きと怒りを禁じ得ない」と記者会見で述べていますが、在職中に本当に知らなかったのでしょうか。

 仮に稲田前大臣が知っていたとしたら、南スーダンの日報問題が起こっておきながら、こちらを隠していたというのは大問題です。また、稲田前大臣が知らなかった場合は、このようなことが実力組織である自衛隊の判断で隠され続けていたというシビリアンコントロールを明らかに無視する、自衛隊の憲法問題にも発展しかねない大問題となります。

 いずれにしても、安倍内閣は、公文書の改ざん、隠蔽、そして、それに基づく虚偽答弁が繰り返していたことは事実であり、国会を冒とくしているとしか言いようがありません。

 我々、野党議員は政府が出す文書に偽りが無く、国会での答弁に嘘はないものという前提で国家審議を行っています。政府が出して来る文書が信頼に足るものではなく、答弁も虚偽かもしれないというのでは、国家審議は成り立ちません。

 まさに日本の議会制民主主義の危機です。

 安倍内閣の退陣以外に政治の信頼を取り戻すことは出来ません。

東京労働局長がマスコミを恫喝!

 裁量労働制のデータが不適切なデータに基づいて国会で答弁を行っていたことで、安倍総理、加藤厚労大臣が答弁を撤回し、今国会で提出予定の働き方改革関連法案から裁量労働制の拡大を削除して、法案を出し直さなくてはならなくなったことはご承知の通りです。

 この間の審議の中で、更に明らかになったことは昨年末に行われた野村不動産への特別指導が過労死をきっかけにしていた可能性があるということです。

 過労死など労災認定に関わる事案のように個別の事案には答えられないと厚労省は回答を拒否し、黒塗りの文書を出して情報隠しを行っています。

企業名を公表するような過去行われたことのない「特別指導」ということを行ったきっかけが何なのかを明らかするべきだと我々野党は訴えておりますが、個人情報や今後の指導に影響があるという理由で厚労省は拒み続けています。

 このような中で、野村不動産に対する特別指導を行った張本人である勝田東京労働局長が、3月31日の記者会見で今の政権の体質を示すような問題発言をしました。

 野村不動産に対する特別指導について記者から繰り返し質問されたことに勝田労働局長が苛立ち、「なんなら皆さんのところに行って是正勧告してあげてもいいんだけど」という恫喝発言をしたのです。

 労働行政のトップの局長が、自分たちに都合の悪い質問をするマスコミを選んで恣意的に指導、是正勧告を行うことがあるとしたら、公平中立に行われなければならない労働行政を歪めることになります。

 労働基準監督官は違反企業を送検することが出来る強い権限を持っています。つまりは、警察官が気に入らない相手に家宅捜索して、逮捕するぞと脅すようなものなのです。

 この発言を与党側も問題だと感じたのでしょう。4月4日に厚生労働委員会で集中審議が行われました。しかし、肝心の勝田局長の出席は与党側が拒否、記者会見の文字起こしも委員会後の提出と不十分な審議となりました。

 翌日には、野村不動産の過労死遺族が、過労死があったことを公表しても良いというFAXを送付したことが明らかになりました。また、記者会見の文字起こしも委員会に提出され、先の委員会での説明と食い違いがあることが明らかになりました。

 そのため、再度、6日に厚生労働委員会で集中審議が行われ、今度は勝田局長が出席することになりました。しかしながら、不誠実な答弁に終始し、自らが行った発言を正直に認めることはありませんでした。

 更に、ご遺族からのFAXについても、内容について確認中と相手と連絡を取れば直ぐに分かることを引き延ばし、過労死があった事実を認めようとはしませんでした。

 更に驚くべくことに、6日の朝、裁量労働制の拡大は削除されましたが残業代がゼロとなる高度プロフェッショナル制度が盛り込まれている働き方改革関連法案が閣議決定されました。

 私は厚生労働行政への信頼が失墜している中で働き方改革法案の審議など出来るはずはないと法案を閣議決定したことに厳しく抗議すると共に審議することについて断固反対を主張しました。

 安倍政権の傲慢さは、このように一つ一つの法案への対応にも表れているのです。

 安倍政権を退陣に追い込み、偽りだらけの働き方改革を断念に追い込むよう頑張って参ります。

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