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ナインティナイン矢部浩之の覚悟と笑顔

『27時間テレビ』で100キロマラソンを走ることになった矢部浩之は決まった当時の心境を本番1週間前にスタッフとの飲みの席でこう話している。
矢部: 嫌でしたね。えーーと、絶対にスタジオにいたほうが面白いし、楽しいし、あと、、まあ……、5ヶ月近く休んだ相方がスタジオで大丈夫かっていうのも、もちろんあったり。(岡村さんには)言わないですけど。
膝は大丈夫か?と問われると「大丈夫でしょう」とヘラヘラと微笑む。
矢部: どんどん強くなっていく自分は感じてるんで、今。岡村さんがああなって、特にですよね。
岡村が精神を蝕まれた時、彼に休養を言い渡したのは矢部だった。
その詳細は岡村復帰一発目の『ナインティナインのオールナイトニッポン』(2010年12月2日深夜放送)で語られた。(参考:ナインティナイン矢部浩之の決断
矢部: ホンマこっちは心を鬼にして。自分から休むっていわへんタイプやから、
岡村: いわへんよ絶対。

矢部: リスナーの皆さん、想像以上にもう糞真面目な人間なんで、岡村さんは。「絶対仕事だけは行く」と。ね。で、僕と大谷がここは線引かなあかん、心強く持って、休まそうって打ち合わせて、ちょうどそれをフジテレビで発表してんねん。スタッフの前で、岡村さんに。
岡村: あああ。うん。

矢部: 俺の口から岡村さんに発表したんや。で、俺は座ってて、岡村さんは横に立ってんねん。もう座ってられへんから。「座ってください」って言っても、当時「いや、あかん」って(笑)。「決めました」と。「大谷ともスタッフとも決めました。言う事聞いてください。岡村さん、休みましょう」って
岡村: 覚えてる、覚えてる。

矢部: 僕、目見て言うたんですよ。そん時の岡村さんが、考えられんよ、今やったら。僕の腕、ガアー掴んで、しがみついてさ、(変なイントネーションで)「かんべんしてくれぇ〜、相方」って(笑)。「かんべんしてくれぇ〜」って言ったの。凄い目で言うたの、それを
岡村: あー、そう。

矢部: 一番言われたくないことやったんやと思う
岡村: 休むってことがやろ?

矢部: うん。俺もはっきり言ったん、初めてやったの。その時のトーンが……(笑)、
岡村: 「かんべんしてくれぇ〜」ってなんで急にキャラ変わんねん(笑)。おかしいやん。

矢部: いや、おかしいねん(笑)。でも、そん時の岡村さん、マックスやったから
岡村: キてたんやろうな。

矢部: マックスにキてたから。
岡村: いや、俺ホンマにあの仕事を休むって言うのは

矢部: 一番嫌なことやろ?
岡村: 自己管理ができてないし、プロ失格やと思うからどんな状態でも行かなあかんと思うたんや。

矢部: で、一番言われたくないことやったんや、たぶん。
岡村: うん。だから「なんまいだぁ〜」みたいなトーンに、

矢部: そう(笑)。だからもう最高よ(笑)。
岡村: あんま覚えてないねんなー。でも、「イヤや」っていう意思表示は絶対したと思うねん。

矢部: そう。
岡村: 休むんだけは絶対イヤやっていう意思表示は。

矢部: たぶん、いつも以上に僕、強い目で言ってると思うんですよ。
その矢部が決断した時の心境が先のスタッフとの対話で明かされた。
矢部: 当時は、、、えっと……、僕はもう覚悟はしましたね、もう(岡村が)一生戻ってこれない覚悟も僕の中でしてたんですけど。
なんで覚悟したかっていうとやっぱり……、そもそも僕が誘ったのでこの(お笑いの)世界に

そこなんですよねぇ……。
で、「僕のせいや」って言うのは、責任はやっぱり背負ってしまいましたよね、当時は。
誘ってなければ、あの人は……分かんないですけど、、、こんなツラい思いはしてないやろなぁとは思いましたよね。
元々サッカー部の先輩・後輩の間柄だった二人。
すでに大学に進学していた先輩岡村を後輩の矢部が誘う形で吉本興業の養成所NSCに入学した。

コンビとして「誘った方の」責任を背負いながら重い決断を下した矢部。
『ANN』でもその時の覚悟を振り返っている。
矢部: 僕はもう腹くくってましたもんね。だっていつ回復するか分からないんで、もう回復したときのことだけ考えてました。だから、申し訳ないですけど、ハゲて帰ってこいって思ってましたもんね。ツルッツルになって、太って、三冠王で帰って来いって。治ったときのこと考えてるからね。オモシロなって帰ってこいってそれくらい腹くくってましたから、早く帰ってきて良かったな、と。
そして、最大の危機を乗り越えて復帰を果たした岡村。
矢部: こんな5ヶ月近い休みと病気を笑いにしたあの人は、やっぱスゲエなぁってやっぱ自分にできないことをしはるんで、やっぱスゴいですね。
本番前、一度、矢部のマラソン練習に岡村が合流した。
矢部の後ろに付かず離れずの距離で走る岡村。

その時どう思ったかとスタッフに訊かれた矢部。
矢部: サッカー部時代に戻った感じがしますね、復帰後。

ここへ来てサッカー部時代(の関係)に近くなりましたね。
あの人の表情とか……、優しさとか
スタッフと矢部の対話のVTRをスタジオで聞いていた岡村。

涙をこらえている岡村。数秒間何かを言おうとするが、軽く一礼した後、たまらずカメラから背を向ける。
よゐこ濱口が背中を軽くたたく。「笑顔だよ」と加藤浩次が声をかける。光浦靖子はすでに号泣し、雛形あきこが優しく微笑みかける。

「はい、すみません、ごめんなさい!」と岡村。
岡村: テレビで泣いたら、、、さんまさんに怒られるんです、、、。

相方にも迷惑かけたもんですから。
あのぅ、、、なんとかこうやって戻ってきて、えーー、頑張って、笑い、作れていけたらなっと言う風に思ってます。
えーー、なんとか矢部さんにもゴールしてほしいな、と言う風に思ってます。

ごめんなさいっ!
加藤に「矢部が近くまで来てるから、迎えに行って来い!」と促されて自転車で矢部のもとに向かう岡村。

この時、岡村の表情をカメラで追っていたのは、ナイナイ若手時代からの盟友辻カメラマンだった。
僕は岡村くんのジワジワきた涙を

誰よりも早く感じ取れました。
そして僕の涙線もジワジワ来てしまい、
岡村くんとほぼ同じタイミングで涙がポロリ。
めちゃイケメンバーと歩んできた歴史の重みを

すごく感じるスゴイ瞬間だなと感動しました。
tsuji-cam blogより)
そして、合流。
二人で並走しゴールへ向かうナインティナイン。

それまで重かった矢部の足が心なしか軽くなる。
放送終了ギリギリ。
矢部の背中を軽く支えながら一緒にゴールテープを切る岡村。

矢部は笑顔。
矢部: わっ、時間ギリギリや!
「どう、やべっち?」と感想を訊かれると
矢部: あのね、引くくらいしんどい! やったことなかったから。
すると岡村。
岡村: 相方! 俺、テレビで号泣してしまった、、、。
その言葉に信じられないといった表情で手を叩きながら「どこで、どこで?」と笑う矢部。
「ごめんなさい」と言って矢部に抱きつく岡村。
岡村: 今日の『やべっちFC』は『おかっちFC』で俺がやるから寝ていいよ。
矢部: いや、行きますよ(笑)。
岡村: テレビで泣いてしまった。
矢部: ハハハ。そうなん?
大団円。

最後に矢部がいつものヘラヘラした笑顔を絶やさぬまま問いかけた。
矢部: あのー、、、面白かったよね?

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