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【読書感想】誰も語らなかったジブリを語ろう

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誰も語らなかったジブリを語ろう (TOKYO NEWS BOOKS)
誰も語らなかったジブリを語ろう (TOKYO NEWS BOOKS)
作者: 押井守
出版社/メーカー: 東京ニュース通信社
発売日: 2017/10/20
メディア: 単行本
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内容紹介
世界のアニメーションに影響を与えた“スタジオジブリ”を、これまた世界中からリスペクトされる監督・押井守が語り尽くす。スタジオジブリの劇場公開作を振り返りつつ、「これまでのジブリ、これからのアニメーション」まで縦横無尽に語った痛快&ディープなインタビュー。<目次>第一章 矛盾を抱えた天才 宮崎駿/第二章 リアリズムの鬼 高畑勲/第三章 ジブリ第三の監督たち/第四章 小さな巨人――スタジオジブリ カバーイラスト/湯浅政明

 押井守監督が語る、スタジオジブリの作品たち。
 ジブリの作品は、興行的に成功し、テレビで放映されれば何度でも高視聴率を維持し、映像ソフトでも稼いでいるという「ドル箱」であるため、ジブリ作品に対するネガティブな評価は、なかなか難しい状況なのだそうです。

 もちろん、宮崎駿監督が、「悪口を言うな」と牽制しているわけではなくて、業界全体が「忖度」してしまっている、ということなのでしょう。

 そんななか、あの押井守監督が、本音で「ジブリ作品」を語ったのがこの本です。
 聞き役は、映画ライターの渡辺マキさん。

 読んでみると、「けっこう細かいところに揚げ足をとっている」ように感じるところもあり、同業者だけあって、ディテールを徹底的に観ているのだなあ、とも思いました。

 押井さんの話をきくと、『ジブリ』というのは、語られるときに「美化」されがちだけれど、必ずしも「綺麗なもの」だけを描いているわけではないのです。

——『ナウシカ』、押井さんは好きなんですか?

押井守:僕はまったく好きじゃありません。公開当時からそれは変わらない。世界を救うレベルの話が嫌いだし、ナウシカは完全無欠のヒロインすぎる。

——父親(族長ジル)を助けようとして、敵をメッタ斬りにするのにはちょっと驚きました。ここまで描くんだって。

押井:そうなんだよ。後半には重機関銃まで登場して、ナウシカは腰だめで撃つ。必要とあらば暴力をいとわないボリシェビズム。ナウシカは堂々と殺している。公開当時は「それが嫌だ」という人がいたし、子供文化関係のおばさんは「女の子が人を殺しまくる映画がなぜ評価されるのか理解できない」と言っていた。ある意味、まっとうな意見だと思うけどね。

——でも、自然描写は素晴らしかった!

押井:それは宮さんの十八番。『赤毛のアン』の頃から「自然描写といえば宮崎駿」と言われていたのは事実だから。単純な塗り分けだけですべてを表現できるし、本人も「線と塗り分けだけで表現できないものはない」と豪語していた。実際その通りなのだから、これは認めざるを得ない。

 ほかにも、パンを頬張ったりシチューをすすったりという、ものを食べる描写の上手さは天下一品。あとは服のボタンをかける仕草とかね。宮さんの口癖のひとつは「基本的にアニメーションは感覚の再現」というもので、これは僕も散々聞かされた。感覚を再現できるのがアニメーターであって、正確に手順を踏んで描くのはアニメートではないというのが持論なんだよ。

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