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どこに座れば快適か? 座席選びの鉄則12か条 鉄道編 プロが教える「旅の新常識」 - 橋賀 秀紀

 旅先に占める移動時間の割合は少なくない。短期間の旅行が多い日本人ならなおさらだろう。その際、座る座席の位置について、どれだけ意識をしているだろうか。そこで、ベストの座席を確保するためにはどうすればよいのか、ここで改めて考えてみたい。


座席指定によって、鉄道旅行の快適性や楽しみは大きく左右される。写真は富士川を渡る東海道新幹線

1. ホームで待つときは最後尾で

 バスと異なり、2両以上連結されている列車では車両によって混雑度に大きな差があることが少なくない。自分の乗った車両は立錐の余地もないのに車両を移動するとがらがらといった経験はないだろうか。こんなとき、混んでいる車両で立ち続けるのは単なる体力の消耗に過ぎない。そこできわめて簡単な解決策がある。それは列車が入線する際、最後尾で待つのだ。そうすると目の前を通過する車両すべての混雑具合が手に取るようにわかる。そのなかでもっとも空いている車両に移動すればよいのだ。自由席が3両連結されている場合ならば、そのうち一番手前の車両前で待つのがベストだろう。

2.待つときは階段から遠いドアを選ぶ

 途中駅から乗車する場合、1車両の車端部のデッキに2か所ドアがある場合は、階段から遠いほうのデッキを選びたい。降りる人は基本的に階段に近いほうのデッキから出たがるので、降り終わるまで時間がかかることが多い。そのため、乗り込むのが遅れ、座席確保の可能性が低くなる。

3.新幹線では一番端の車両をさける

 新幹線では運転台がある関係上、一番前と一番後ろの車両は座席数が少ない。これは鉄道に詳しい人には比較的知られている事実だが、再確認しておきたいことだ。たとえば東海道新幹線の主力であるN700系の場合、2号車の定員が100名であるのに対して先頭車両の1号車は65席しかない。当然のことながら同じ人数が並んでいたとしても確保できる席が少ない分不利になる。ただし、在来線の場合、新幹線ほど「鼻が長くない」ので、端の車両の座席数が極端に少なくなることはない。また、一般的に編成が長い車両では、端にいくほど空く傾向があるので状況により判断したい。

4.新幹線は3人がけのほうがよい?

 新幹線の普通車は3人がけと2人がけのいずれかを選べるが、どちらかというと2人がけの方が人気は高いようだ。だが、1人で利用する場合、本当に2人がけのほうがよいのだろうか。たしかに満席になった場合は、3人がけよりも2人がけのほうが快適だろうが、混雑度が8割程度の場合は、3人がけの真ん中の席は空く可能性が高い。一方、2人がけで隣に人が来ないのはかなり空いている場合にかぎられるだろう。

5.隣に人が来たら逃げる「逃げ水」作戦とは?

 指定席の場合、どんな人が隣に来るかはわからない。だが、隣に人が来るか来ないかの情報を得ることはできる。「えきねっと」(https://www.eki-net.com/pc/personal/yoyaku/wb/Common/ReserveTop/ReserveTop.aspx)(JR東日本)・「e5489」(https://www.jr-odekake.net/goyoyaku/e5489/)(JR西日本)などで予約をする際、できるだけ隣に人がいない席を予約する人がほとんどだろうが、いったん座席を指定した後は隣席がどうなるか確認する人は少ないのではないだろうか。座席の変更は1回までは無料で変更できる(一部の列車は無制限に変更可能)。スマホを持っていれば、出発直前までリアルタイムで座席の空席状況を確認しながら、変更が可能である。

6.コンセントを使いたいなら窓側?

 東海道・山陽・九州新幹線のN700系の普通車を利用する場合、コンセントは窓側の座席の足元にしかない。このコンセントを使用する権利について明文化はされていないが、やはり位置からして窓側の人でないと使いづらいだろう。

7.風圧を避けたいなら進行方向左側を

 新幹線は高速で移動するため、対向列車とすれちがうとき、かなり衝撃を感じる。対向列車は進行方向右手側になるので、進行方向左側の席にすれば影響をおさえられる。

8.順光の席を選べ

 列車に乗ると、景色を堪能したいのにシェードが下ろされており、がっかりした経験はないだろうか。時間帯と進行方向を考慮すれば左側・右側のどちらに日が差し、差さないかは特定ができるはず。順光側ならば直射日光を浴びることはないし、ほかの人にシェードを閉められて残念な思いをする可能性も低い。さらに車窓の風景をとるときに綺麗な写真をとることもできる。

9.川が見える側の席を選べ

 日中に列車に乗るなら景色を楽しみたい。富士山や北アルプスがあるなど、明確にみたい目標がある場合は、その目標がみえる側でよいが、そうでない場合はどのように判断すればよいだろうか。こうした場合は地図をみて、線路から川が見える方が景色がよいことが多い。川が流れているということは相対的に高度が低く、車窓から景色を見下ろす形となる。一方その反対側は斜面の切通しなどで視界がさえぎられるなど、眺望がきかないケースがままある。

10.安全なのは中央部やや後ろの車両?

 鉄道は相対的に安全な乗り物なので、あまり神経質になる必要はないと思うが、それでも先頭車両や最後尾の車両は追突したり、追突されたりした場合に大きな衝撃を受ける可能性が高くなる。イリノイ大学の以下の研究によれば、中央よりもやや後ろの車両が相対的に安全であると結論づけている。

QUANTITATIVE ANALYSIS OF FACTORS AFFECTING RAILROAD ACCIDENT PROBABILITY AND SEVERITY
http://railtec.illinois.edu/CEE/pdf/Thesis/Anderson%20MS%20thesis%20(final).pdf

11.電動車「モハ」は避けるべき?

 電車の場合、モーターがある車両(車両番号にモハなどモーターを意味する「モ」がついている)とモーターがついていない車両(クハ・サハなど「モ」がつかない車両)がある。グリーン車には新幹線をのぞくとほとんど電動車がないのは、電動車だとモーター音がうるさいということが影響している。そのため、普通車でも「モ」がつく車両を避ければ、より静かな列車の旅が楽しめる。

12.シートマップは自分の目で確認して

 指定席をとる場合、①みどりの窓口や旅行会社でとる・②駅の券売機でとる・③「えきねっと」などオンラインでとる、と大きく分けて3つの選択肢がある。自分でとる場合はじっくり座席を選べばよいが、みどりの窓口などでとる場合も、座席表をみせてもらいながら、自分の一番よいと思う座席を選んでほしい。指定席が自由席より高いのは、単に座れることが確約されるという意味ではなく、より条件のよい座席を自分で選ぶことができるという意味が含まれているのだから。座席表は大型の時刻表のほか、「のりもの勝席ガイド」(イカロス出版)でも詳しく知ることができる。

(橋賀 秀紀)

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