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いのちの食べかたを、こどもと一緒に学ぶ「ぶたにく」

ぶたにく  いのちの食べかたを、子どもと一緒に学ぶ。

 表紙は子豚、裏は腸詰、つまりブタがソーセージになるまでを写真でつづる。屠畜の現場もあるが、屠畜そのものを全面に押し出していない。妊娠、分娩から離乳、よちよち歩きから10ヶ月の若豚までを、その生活に寄り添って写しとる。そして屠場から肉になるまで、さらに次の誕生までを同じ流れで見せてくれる。



 これは、ありがたい。小学校低学年と高学年の二人が一緒に読むのに、ちょうどいいから。というのも、内澤旬子著「世界屠畜紀行」は早すぎるし、森達也著「いのちの食べかた」は一緒に読むには難しいから。

 屠畜をテーマにすると、どうしても「場所」の話になってしまう。だが、そこへ行くまでの長い間、子どもは「食べられるサイズになるまで」成長してきたのだ。その「時間」をきっちり見せてくれる。解体現場を克明に写すことで、「ほら見てこれが現実なんだよ」と教えることもできるが、低学年にはキツいかも。そんな配慮を見越したかのように、屠殺の現場はカットされている。おかげで怖がらずに見てくれた。

 テーマが偏ってないため、むしろ豚の生活に目が行く。わたしが驚いたのは、「豚は笑う」こと。見ているこっちまで目が細くなる、いい顔だ(赤ちゃんの笑顔)。子どもたちが可笑しがったのは、「豚の餌」。近所から残飯をもらってきて餌にするとある。明らかに学校給食の残り物らしいが、中には豚肉が混ざっているという。「豚が豚を食べるなんて!」子どもにとって、屠畜そのものよりもショッキングらしい。

 豚の種付けの写真もあったので、「これは交尾、セックスといってね…」と淡々と説明する。娘が感心したのが、「赤ちゃんはどこからやってくるのか」という謎が解けたこと。息子がうらやましがったのは、「種付けの雄は食べられない」こと。確かに種豚は「種」だから大事にされ、食っちゃ寝の交尾三昧だが……さすがわが息子、目の付け所が俺的ナリ。

 子どもにとってすれば「初めて」の画像もあったけれど、気分を害することなく最後のページに行き着いた。そして、食肉を見て、きちんと「おいしそう」と言ってくれた。そうなんだ、ぼくらは肉を、食べている。それは命を食んでいるのと一緒。「感謝して」とかはもう言わない。自分は他者の命によって生かされていることさえ自覚できれば合格かと。

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