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日本コカが「ザ・タンサン」を発売、強炭酸市場をどう切り開くか

なぜ今、強炭酸の新製品を出すのか

日本コカ・コーラが26日から強炭酸水「ザ・タンサン・ストロング」と「ザ・タンサン・レモン」を発売する。強炭酸水はアサヒ飲料の「ウィルキンソン」が市場をリードするが、後発の立場からどう立ち向かうのか。今、なぜ強炭酸水を出すのか。話を聞いた。

  • 新製品を手にする日本コカ・コーラ マーケティング本部 炭酸カテゴリー フレーバー炭酸グループ シニアマネジャーの西尾真一郎氏

強炭酸を今出す理由

お酒の割材のイメージが強かった炭酸水。今や直飲みをする人が増え、日常的な飲み物になった感さえある。市場のリーダー的存在となるアサヒ飲料の「ウィルキンソン」の売れ行きをみてもそれがわかる。

ウィルキンソンの販売数はうなぎのぼりだ。2011年に476万箱だったのに対し、2017年には1990万箱まで伸びた。今年は2100万箱が目標となっている。年々販売数量を大きく伸ばしているヒット商品なのだ。

ならば、同じカテゴリーに参入したい考えるのが普通だろう。日本コカ・コーラもウィルキンソンの売れ行きを見て「ザ・タンサン」の発売に踏み切ったように見えてしまうが、実際はどうなのか。

日本コカ・コーラ マーケティング本部 炭酸カテゴリー フレーバー炭酸グループ シニアマネジャーの西尾真一郎氏は、ウィルキンソンが市場をリードしている製品であることを認めながらも、その売れ行きが、「ザ・タンサン」の開発動機ではないと強調する。あくまで強炭酸水が売れている消費者ニーズを汲み取り、同社なりの新たな価値を加えられると考えたからだ。

  • 炭酸水市場に広がりがあると日本コカ・コーラは説明する

同社が見出したニーズは、様々な日常シーンで消費者が強いリフレッシュを求めているというものだった。「朝の目覚めをよくしたい」「仕事中に気分転換をしたい」など強い刺激でリフレッシュしたいという新たなトレンドが生まれつつあることがわかったという。

そうしたニーズを把握した上で、日本コカ・コーラが炭酸水に新たな価値を付け加えた。それは"おいしさ"だ。西尾氏は「炭酸の強さとおいしさの両立があってこの商品が成り立っている」とし、炭酸水において、現状は強い刺激が得られるというリフレッシュ効果にとどまっており、"おいしさ"までは他社では踏み込めていないと分析する。

実はこの炭酸の強さとおいしさの両立は難しい。炭酸を強くすればするほど、酸性が強くなってしまう。おいしいという状況からはどんどん離れてしまうのだ。

この矛盾を解決したのが、「ザ・タンサン」である。独自の製法で強炭酸ながらも中性寄りに仕上げたという。「他社製と比べてもpHの値が違います。炭酸は強いのにキレのある味わいになっています。飲み比べれば絶対にわかります!」(西尾氏)。

ブランドロゴを入れた理由

「CANADA DRY」ロゴが入る理由

「ザ・タンサン」には別の差別化ポイントもある。それはパッケージだ。「THE TANSAN」とインパクトがあるデザインにしたこと、そしてもうひとつは「CANADA DRY」のブランドロゴを入れたことだ。

  • 「CANADA DRY」のブランドロゴを入れたのには理由がある

インパクトの強さは、リフレッシュを求める人にマッチしたデザインだとわかる。しかし、なぜブランドロゴが入ったのか。そこには意味があるのか。

その答えは新製品の信頼感を高めるためだ。確かにロゴがなければどこの商品かわからない。日本コカ・コーラの製品ブランドであることがわかれば、迷いなく買う人はいるはずだ。ロゴの有無で、売れ行きも大きく変わりそうなのだ。

そして「CANADA DRY」でなければならなかった理由もある。西尾氏によれば、炭酸水の購買層は30代以上が9割だという。この層に対して訴求できるのが「伝統」「品質」「大人向け」というイメージが備わった「CANADA DRY」ブランドというわけだ。

飲料市場は毎年、多数の新製品が生まれ、その多くが翌年には姿を消す激戦区。「ザ・タンサン」はブランドロゴで消費者に信頼感を与えつつ、味でも差別化を図るなど、激戦市場で存在感を出すために周到な準備が行なわれてきたようにも感じられる。あとは、強炭酸でありながらもおいしいという触れ込みに、消費者がどう反応するか。最終的にはそこが命運を分けそうだ。

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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