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トランプ・リスク再び、市場はリスク回避の動きを強める

米国のトランプ大統領は、中国による知的財産の侵害などを理由に通商法301条に基づき、中国からの幅広い輸入品に高い関税を課す制裁措置を発動することを決めた。また、トランプ政権は、知的財産の侵害に関連して中国をWTOに提訴する方針で、中国からアメリカへの投資の規制も検討するとしている(NHK)。

 それに加えて、トランプ大統領は22日、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するマクマスター大統領補佐官を交代させ、後任にボルトン元国連大使を起用するとツイッターで明らかにした。トランプ大統領は予定されている北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との会談を控え、国家安全保障チームの多くを交代させており、すでにティラーソン国務長官を解任し、後任に保守系で強硬派のポンペイオCIA長官を指名していた。北朝鮮に対し厳しい姿勢を示す保守強硬派として知られているボルトン氏の大統領補佐官の起用により、北朝鮮との首脳会談を前にして、北朝鮮に対して厳しい姿勢で臨む構えを示した格好となった。

 異例の輸入制限措置を発動により、中国との貿易摩擦の強まりとともに、北朝鮮と米国の緊張が再度高まる懸念も出てきたことで、金融市場ではリスク回避の動きを急速に強めた。

 米国と中国の貿易摩擦が強まり、世界経済に悪影響を及ぼすという懸念が強まり、22日の米国株式市場では、キャタピラーやボーイング、スリーエムなどグローバル企業主体に売られ、23日のダウ平均は724ドル安となった。24日も続落となり、ダウ平均は424ドル安となった。

 FRBのパウエル議長は2月5日に就任したが、この日にダウ平均は一時1597ドル安となり、取引時間中として過去最大の下げ幅となり、引け値も1175ドル安となって引け値の前日比でも過去最大の下げ幅を記録していた。そして、今度は議長として初めて望んだFOMCで利上げを決定した翌日の3月21日にダウ平均が724ドル安となるなど、パウエル議長は今回の下落相場の要因ではないものの、タイミングが悪かったようにも思える。

 外為市場では円高が進み、23日の東京時間でドル円は105円を大きく割り込んだ。日経平均も大きく下落し一時1000円を超す下げとなった。

 20日に日銀の副総裁が入れ替わり、総裁は変わらないことで実質的に新体制のスタートとなったが、こちらも新体制に変わったタイミングで円高が進行するなど、なかなか厳しい船出となった。ただし、23日に発表された2月の全国消費者物価指数(除く生鮮)については前年比1.0%増となり、3年6か月ぶりの1%台乗せとなっていた。

 いろいろ悪材料が重なったことで、複合的な要因によるリスク回避の動きとなっている。ダウ平均や日経平均、さらにドル円のチャートなどからみると、再度下値を試す動きとなり、どこまで下げてくるのか予測が難しい状況となっている。ドル円は100円近辺まで下落する可能性もあり、日経平均も20000円の大台割れの可能性が出てきた。今後の動きに注意する必要がありそうである。

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