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電気自動車時代の覇者はパナソニック、という可能性

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パナソニックは、車載関連ビジネスを成長の柱のひとつに据えている。

現在、同社のオートモーティブ事業の売上高は、2016年度実績で1兆3000億円、全社売上高の約18%を占める。2018年度の売上高目標に至っては、16年度から7000億円も積み上げる2兆円の売上高を目指しており、年平均成長率は業界平均の7%増を大きく上回る24%増を目指す。なお、2021年度には2兆5000億円の規模を目指している。

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 副社長 兼 インフォテイメンメントシステム事業部長の上原 宏敏氏は、「コネクティビティによるクルマの情報化、自動運転によるクルマの電子化、そして環境対応でのEVの拡大といったクルマの進化のなかで、当社が持つ車載・民生デジタル技術やセンシング・画像処理技術、高度な電池・電源技術を生かすことができる。これにより、車載システム領域での事業を拡大し、業界を上回る成長を実現できる」と意気込む。

パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社 副社長 兼 インフォテイメンメントシステム事業部長 上原 宏敏氏

2018年1月に米ラスベガスで開催された家電見本市「CES 2018」でも、2030年ごろに実用化が見込まれているADAS(先進運転支援システム)のレベル5、つまり完全自動運転時代における車のあり方を想定した「次世代モビリティキャビン」を展示。デジタルサンシェードや空質調整付きシート、キャビンオートエアコン、リビング照明、AI・クラウド連携によるエージェント機能など、車内空間であっても、自宅リビングのような快適さを実現するデモストレーションを行った。

次世代モビリティキャビン

自動運転時代はパナの時代?

10年以上先の未来だけでなく、直近の未来もパナソニックは忘れていない。

すでに実用化されている部分運転自動化のADASレベル2での利用を想定した「スマートデザインコックピット」では、4つのマルチディスプレイを同時にコントロールする高性能グラフィックスエンジンを搭載。ドライバーや助手席同乗者に必要な情報をそれぞれ表示したり、ディスプレイに触れることなく、手のひらや指の動きによるジェスチャーコントロールを実現する。

スマートデザインコックピット

また、条件付き運転の自動化を実現するADASレベル3に対応した「スマートビジョンコックピット」では、エンジンを始動すると大画面HUD(ヘッドアップディスプレイ)にクルマの状態とドライバーの健康状態を表示。運転中は、パノラミックディスプレイにバックカメラ、サイドカメラの映像を表示し、死角の無い安全運転を支援する。

スマートビジョンコックピット

ここではドライバモニタリング技術を活用しており、カメラで捉えた映像から瞬きや表情などを、非接触のまま高精度で検出。ドライバーの眠気を予測したり、ステアリングに加えられた圧力を計測して、ドライバーの運転集中度を推定する同社の得意技術を採用している。あわせて、赤外線アレイセンサーによって、人の温冷感や温熱快適性を非接触で計測し、車内空調との連動によって「快適に覚醒状態を維持する」といった制御も自動的に行う。

上原氏は、「クルマの変化にあわせて、コックピットシステムも大きく進化していくことになる」と前置きした上で、「すでに、レンジローバーの新型SUVであるRange Rover Velarに採用しているデュアルディスプレイやHUDは、パナソニックが民生で培ったデジタルAV技術や、デジタルカメラのLUMIXによる光学設計技術を応用したもの」と話す。

レンジローバーの新型SUVであるRange Rover Velar

Range Rover Velarのディスプレイに様々な情報を表示

例えばスマートデザインコックピットでは、樹脂製素材でありながら天然素材の質感を実現できるインモールディング技術を採用しているが、これもパナソニックが蓄積したノウハウを活用したものになる。

10年後の未来を見通した次世代モビリティキャビンでも、ライティング技術や空調技術など、パナソニックが住空間事業で培ってきた、よりよい暮らしを実現する技術とノウハウを活用する。これに車載システム開発力を融合させることで、「新たな移動空間を提供できる」(上原氏)という。

パナソニックのオートモーティブ事業は、単なる部品メーカーとしての動きではなく、むしろ自動運転時代の到来とともに、これまで同社が培ってきた家電技術、AV技術、住空間技術を活用できる場になるという捉え方をしている。この分野を垂直統合したメーカーはほぼなく、差別化を図れるだけでなく、同社にとって「クルマの数だけ、新たな居住空間が増える」というビジネスチャンス到来の時代ということになる。

小型EVという可能性

もちろん、こうしたインフォテインメントに加えて、部品メーカーとしてのパナソニックの側面もある。米テスラとの協業によるギガファクトリーでのリチウムイオン電池「2170」の生産をはじめとするEV向けバッテリーのほか、各種センサーなどの自動運転に欠かせない技術領域は、元来のオートモーティブ事業というべきものだ。

テスラのギガファクトリーで生産しているリチウムイオン電池「2170」

そうした中で新たに提供するのが小型EVソリューション「ePowertrain」だ。CES 2018のパナソニックブームにおいても、このプラットフォームは関係者の間で注目を集めた展示のひとつになった。これは、4輪および2輪の小型EVの普及を目的に、バッテリー、電源、駆動装置といった同社が実績を持つEV向けデバイスを活用してプラットフォーム化したものだ。

求められる車両の大きさや、走行速度やトルクといった仕様に応じて、基本システムをモジュールのように組み合わせて利用できるという。具体的には、車載充電器、ジャンクションBox、インバータ、DC-DCコンバータによる「電源システム部」と、モーターによる「駆動部」で構成し、これらを組み合わせて使用する。

小型EVソリューション「ePowertrain」プラットフォーム

同社が、EVやPHEV(プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)などの電動車向けに供給してきた電池や車載充電器、フィルムキャパシター、DC-DCコンバータ、EVリレーなど幅広い車載製品を活用したもので、すべてにおいて、実績がある技術を活用している点が特徴だ。

では、なぜパナソニックはEV向けプラットフォームの投入に踏み出したのか。ひとつは、インフォテインメントシステム同様に、パナソニックが家電やAV事業で培ってきたノウハウが生かせる領域であるからだ。

例えば、車載充電器やDC-DCコンバータの電顕システムは、テレビの電源基板設計技術やIHクッキングヒーターの電力制御回路技術を活用。モーターやインバータなどの駆動システムでは、エアコンの室外機などの電動コンプレッサによる高圧縮、高効率技術が活用されている。

また、電池システムでは、レッツノートなどで採用しているPC用リチウムイオンセルの安全機構や高信頼性構造を応用している。さらに、これらのコア技術を活用したシステムに、電費シミューションモデル技術を応用することにより、システム全体の電費予測を行い、ランニングコストの低減を図ることができるという。

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