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アマゾンにも切り込んだ、“攻める”公取を率いる元財務次官 - 森岡 英樹


会見で「経済や社会の変化に対応」と表明 ©共同通信社

 公正取引委員会は15日、アマゾンジャパンに独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査に入った。自社サイトで販売する商品のメーカーに値引き販売額の数%から数十%を「協力金」として要求した疑いで、公取はアマゾンが優越的地位を乱用したと見ている。

「公取にはデジタル化が進み、プラットフォーマーと呼ばれる事業者に情報が集中し、市場が寡占化しかねないとの危機意識がある」(経済部記者)

 かつては、「吠えない番犬」と言われた公取だが、

「リニアの談合事件も、独禁法を使って特捜部が逮捕した。今や特捜部にとっても公取との連携は欠かせない。金融庁の進める地銀再編にも待ったをかけるなど、公取はすっかり様変わりしました」(同前)

 最近では、移籍や芸名使用の制限など芸能事務所の所属タレントに対する“奴隷契約”に斬り込んだことも注目された。その舵取りを担うのは、今国会で再任が決まった杉本和行委員長(67)だ。

 杉本氏は、1974年に東大法学部を卒業し、旧大蔵省に入省。2008年には事務次官に上り詰めた。

「74年入省組は、69年に東大入試が中止された影響で、一浪や仮面浪人して、70年に東大に入学した学生が多く、豊作で知られています。杉本氏も、京大に入学後、翌年に東大に入り直した。杉本氏、丹呉泰健氏(現・JT会長)の2人が異例の同期次官となりました」(元担当記者)

 交流のあった大手銀行元役員はこう振り返る。

「杉本氏は、大物大蔵官僚といわれた杉井孝氏が秘書課長時代に、年次トップのエリートとして紹介された。腰の低い人との印象が残っている」

 杉井氏は、杉本氏を「鉈(なた)とカミソリの両方が使える」と高く評価していたという。一方でこんな一面も。

「頭の良さ、切れでは、歴代のトップ5に入る。ただ、彼は兵庫県生まれ、姫路西高卒で、関西人らしい血が騒ぐというか、熱い一面がある。普通、偉くなると自分の庭先しか掃かない人が増えますが、彼は新しいことにもどんどん挑戦する。今の公取は杉本氏らしさが出ています」(前出・元担当記者)

 公取委員長の任期は5年だが、70歳が定年。残された2年半で杉本氏は、何に斬り込むのか。

(森岡 英樹)

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