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名所を歩く観光客が電力を生む?

「観光客が名所を歩いて発電」と読める見出しを見て、ついつい本文に目がいきました。ロサンゼルス・タイムズ(LAT)の<How travelers to California’s most popular landmarks could create electricity while they walk>という記事です。

米国でも自然再生エネルギーへの関心が高まっているようなので、1年半ほど前にワシントンDCの中心街デュポンサークルの歩道に設置されたことが話題になった「発電するタイル」が、カリフォルニアの名所に次々、大規模に埋め込まれたのかと思いました。

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Pavegen社の発電タイルは三角形で、この上を歩くとわずかにタイルが揺れ、その下のフライホイールが回って発電、周りにある花崗岩のベンチの下に設けたLED電球に電力を供給するのです。

その発電タイルが、カリフォルニア各地の名所に広がっていたわけではありませんでした。早とちりでした。「もし」という単語はありませんが、「もし、観光客が殺到する名所に発電タイル埋め込まれたら、観光客はどのくらいの電力を生み出すか?」という仮定の読み物でした。

そこにあるのは、サンフランシスコのゴールデンブリッジ、サンディエゴ動物園、ハリウッド大通りのウォーク・オブ・フェイム、サンタモニカ近くのベニス・ボードウォーク、ディズニーランドの5つ。

それぞれに、訪問者数平均歩数から、電気製品をどれだけ動かせるかを計算しているのですが、例えば、最初のゴールデンブリッジだと、一日1万人で歩数3600で、65台のノートパソコンまたは600台のタブレットを一日動かせる電力量という具合です。

最大はディズニーランドで、年間1790万人の入場者は平均2万1千歩も歩くので、75ワットの街灯100本を1週間または5万台のスマホのフル充電が3回可能とのこと。

こういうお手軽な話題ものやハウツーものが、米国の大手紙でもよく見かけるようになりました。経営不振が続いたLAタイムズでは、先ごろ、オーナーが、旧称トリビューン、現TRONCから、米国でもっとも裕福な医師と言われるパトリック・スン・シオン(Patrick Soon-Shiong)氏に代わったせいもあるのかもしれません。

ただし、この記事も、表立っては書いていませんが、例えばディズニーランドにしても、一見、かなりの電力を生み出しているかに見えながら、よく考えると、1790万人もが押しかけ、どこよりも歩き回るのに、それが生み出す”一種の再生可能エネルギー”は驚くほど少ないという逆の事実を読者に示唆しているようでもあります。

そこで、思い出したのが中国人研究者が開発中という雨でも発電できるハイブリッド・ソーラーパネルのことです。

American Chemical Society(米国科学会)のサイトで紹介されていますが、この分野も不案内なので大雑把な理解では、太陽が出ていればもちろん太陽光発電をしますが、雨の時でも静電気現象の一つである摩擦帯電で、電力を生み出すということのようです。落ちてきた雨つぶが細かな溝を刻んだパネルの表面にあたり、滑り落ちる際にパネルの下にある2種類のポリマーに摩擦を起こさせるってことのよう。

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難しいことはわかりませんが、梅雨があるなど、雨の多い日本向きだ、いいアイデアではないかと思いましたが、問題はその発電能力。

これまた不案内な分野ですが、peak short-circuit current(最大短絡電流)が33.0nA(ナノアンペア)、peak open-circuit voltage(最大開路電圧)2.14V(ボルト)とあります。ナノアンペアという単位は4×10−9アンペアだそうですから、超微弱なのでしょう。実用化には相当なハードルがありそうです。

これまた、当方の”早とちり”の類だったようです。

これまでも電力を自前生成する夢の衣料調光用の電力を自前で賄う賢い窓ガラスなど、地球温暖化につながる化石燃料を使わずに電力を生み出すアイディアを、このブログで紹介してきました。

今後もいろんな再生可能エネルギーを含む新エネルギーの模索は続くのでしょう。”早とちり”に終わらないビッグアイディアを期待したいものです。

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