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中国の安定政権がうみだすもの

中国で開催されている日本の国会にあたる全国人民代表大会において習近平国家主席の神格化と独裁化が進んでいます。習氏と盟友の王岐山氏のコンビネーションで2035年に中国がアメリカを超えるとする目標を設定しているようです。

日本ならまず理解されないであろうこの超長期政権は中国国内でも反発の声はもちろんあるのでしょうが、理解を示すボイスが主流ではないかと思います。世界は長期政権を必ずしも悪いとは考えていないと思います。

世界には長くトップを務める国家元首は多いものです。ドイツ、ロシア、北朝鮮、シリアもそうですし、トルコのエルドアン大統領は2003年から14年まで首相でその後大統領ですし、イスラエルのネタニヤフ首相も第一期と第二期を合わせると8年になります。

トップが長いと国政が安定するというメリットがあります。この安定感には政策がぶれず、長期的な国家計画が着実に進められます。政権交代が頻繁にある国では交代のたびにそれまでの政策をスクラップにするという無駄が生まれ政策が税金の無駄遣いにもつながります。その点では国家運営の効率化という点が最大の長所とも言えます。

中国は13億人という民に「食わせる」「生活水準の向上」「生命権」という基本的人権の確保に長年時間を費やしましたが、一定水準を得た現在、「幸福の追求」という新しいシナリオを描いているように見えます。習近平氏の腐敗撲滅運動は「ズルをしてすごろくのゴールに到達する人間」を排除し、共産的な平等感を取り入れている点も意味があると思います。

二重国籍が取れない中国人が海外においても中国とのリンケージや強い同胞感を見る限り、中国のパスポートがなくなっても中国人のメンタリティは強く、ここに国民性を見て取ることができそうです。

中国の現在の立ち位置は日本がかつて経験した高度成長期と同じと考えてよいと思います。確かにGDPの算出方法に疑念はありますが、6%台後半の水準を長期に渡って維持しているとすれば相当なハイペースであります。それは母数が13億だという点に意味があります。(人口の少ない小国ならば特定産業が国家を引っ張ることも可能です。5000万人の韓国におけるサムスンの位置づけが好例かと思います。)

中国に対して懐疑的見方が多いのは十分承知しております。ですが、彼らの進化の仕方は国家主導もあり、極端に強く、かつ早くなる傾向が見て取れます。多分ですが、ほとんど他国の力添えなどいらない国家になるのもさほど遠い時期ではないでしょう。例えは悪いですが、AIが知識を集積し、加速度的に進化するようなものでしょうか?

習近平体制は国家が確実に前進して行く中で、ベクトルがブレがない安定政権であります。私は圧倒的な強大国家となりつつある中で日本の中国との付き合い方も考えなくてはいけない時期にあるのだろうと感じます。

例えば先日話題にあげたアリババのアリペイのシステムを日本にも導入する計画を日本の金融機関が渋っているという話がありました。3大メガバンクらしい対応です。しかし、金融機関にとってアリペイは圧倒的魅力があるはずで垂涎の的だけど毒が盛られているかもしれないと二の足を踏んでいるのでしょう。私はりそな銀行がやればいいと思っています。アリババもそれ以下の規模の銀行とは付き合わないと思うなかでリテールバンクのりそな銀行はパーフェクトマッチングだと思います。

確かに中国に情報を吸い取られるという見方はありますが、ネット社会のこの時代に個人情報はあちらこちらにばらまき続けています。悪さをしている人ならともかく、普通の人はアマゾンの買い物もグーグルにアクセスするのもフェイスブックをやるのもすべて見られる時代にいちいち構っていないでしょう。(少し前、「監視社会」というネタのブログも書きましたが今や個人が情報の網をかいくぐるのは先進国にいる限り不可能だと思います。)

アリババの話でもう一つ重要なポイントは日中のポジションが逆転していることです。かつては日本の企業が中国に売り込みに行ったのです。今、中国の企業が日本に売り込みに来ていることは衝撃的事実だという認識が抜けています。例えば中国が国家を挙げて進める自動車のEV化。未来の想像ですが、トヨタなど日本の自動車メーカーの最大のライバルは中国のEVになってもおかしくないでしょう。

それは日本が規制や政策などで自由が利かない、やり直しができない、しがらみが取れないというがんじがらめの社会となっているからであります。この点に関しては中国だけではなく、北米も含め、スピード感は鈍行列車と特急列車ぐらいの違いがある点は指摘しておきます。

中国の政権の長期安定化は中国の経済的飛躍、社会的安定感、外交的交渉能力の強さなど侮れなくなるとみています。日本がそれに飲み込まれないようにするにはどうすべきか、根本から見直す時代になったと言えないでしょうか?

では今はこのぐらいで。

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