記事

国力落ちた日本、アジア特化目指せ

1/2
シンガポールの街並み Photo by Cegoh

嶌信彦(ジャーナリスト)

【まとめ】

日本はいつの間にか世界の新市場を開拓する国力や気概を失った。

・アベノミクスの成果も今一つ。

アジア特化こそが日本の目指す方向。

【注:この記事には複数の写真が含まれています。サイトによっては全て表示されず、写真説明と出典のみ記されていることがあります。その場合はJapan In-depthのサイトhttp://japan-indepth.jp/?p=38959でお読み下さい。】

日本の政治に覇気がみえない。いや、政治だけではない。外交も経済も文化発信などもここ23年沈滞したままだ。元気が目立つのはオリンピックで活躍した若いアスリートや最年少で羽生名人に勝った将棋の藤井聡太四段(その後六段に昇進)ぐらいだ。若い人が活躍する姿は将来への展望が感じられていいことなのだが、それにしてもここ2~3年の日本の元気の無さは気にかかる。

■輝きを失った電気業界など

例えば電気産業。先日、日本の電気業界をリードしてきたソニーの歴史年譜が新聞にでていた。1955年にその後のソニーの代名詞ともなった日本初のトランジスタラジオ、1968年にトリニトロンテレビを発売している(井深大社長時代―50~71年)。

JB180317shima01

▲写真 日本初のトランジスタラジオ 出典 SONY

特にトランジスタラジオの出現は世界を驚かせ、後に日本の貿易外交を“トランジスタ商人・外交”などと呼んだほどだ。70年代に入り、盛田昭夫氏が社長に就任(71年~76年、76年~95年会長を務める)すると歩きながらでも音楽を聞ける携帯音楽プレイヤー「ウォークマン」を79年に発売。日本の電気製品の名を一挙に世界へと轟かせた。

JB180317shima02

▲写真 ウォークマン 出典 SONY

その後を継いだ大賀典雄社長(89年~99年CEO)も家庭用ゲーム機「プレイステーション」やパソコン「VAIO」、犬型ロボット「AIBO」などを世に送り出し世界の耳目を集めた。

JB180317shima03

▲写真 初代 犬型ロボット「AIBO」 出典 SONY

しかし、出井伸之社長(99~2005年CEO)、ハワード・ストリンガー(05~12年CEO)、平井一夫社長(12~18年CEO)の代になってから、「よその会社が作らないものを作る」というソニーらしさが影をひそめ、もっぱら人員削減ばかりが目立つようになってしまった。

こうした傾向はソニーだけでなく他の企業にも蔓延し、自動車や家電産業、IT産業にも新しい技術、発明、製品が出なくなってしまった。

この間、米国などではアップル、グーグル、フェイスブックなどの新製品や新サービスが次々と生み出され、自動車業界でもテスラなどの電気自動車やIT企業と協同した新しい製品、産業を次々と生み出し始めている。中国でもAIやインフラ、宇宙などへの進出が目覚しい。日本はいつの間にか世界の新市場を開拓する国力や気概を失ってしまったかのようだ。

■企業の基礎研究、新陳代謝に遅れ

昨年11月1日に日本経済新聞がまとめた「日本の革新力」によると、新産業を生み続けるアメリカや急成長する中国に押され、社会や産業を変革する人工知能などイノベーションの力が衰えていることを特集していた。

2016年の日本を100とすると、日本は1.06倍で最下位にあり、中国は6.34倍、韓国は2.08倍、ドイツが1.32倍、アメリカが1.24倍で日本は殆んど留まったままだ。

また応用開発力でも、国際特許の出願件数をみると日本は67%増ながら、中国は11倍に増え18年までに中国に追い抜かれるとみられている。さらに上場企業の営業利益合計(稼ぐ力)でもアメリカ28%増、中国7.3倍、ドイツ54%増、韓国66%増に対し日本は11%増と5ヵ国の中では最低となっている。

株式公開から10年未満の企業の時価総額からみた産業の新陳代謝力でもアメリカ50%増の4.3兆ドル、中国6.3倍増の2.8兆ドルに対し、日本は51%減の5543億ドルと半分に減っているという。

あわせて読みたい

「日本経済」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    豊洲移転 築地の悪慣習断ち切れ

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  2. 2

    森友ゴミ問題 朝日一面は誤報か

    和田政宗

  3. 3

    ついに4万円台 新型ルンバの戦略

    WEDGE Infinity

  4. 4

    立憲民主党は消費増税の対案出せ

    鈴木宗男

  5. 5

    イモトのWiFiまだ使う情弱に助言

    永江一石

  6. 6

    外国人大歓迎 裏目にでた観光地

    MAG2 NEWS

  7. 7

    川上量生氏の知財意見書にあ然

    やまもといちろう

  8. 8

    有吉弘行 加山雄三イジり共演NG

    女性自身

  9. 9

    「学歴<血筋」虚構新聞に納得?

    MAG2 NEWS

  10. 10

    志村けん「バカ殿もうできない」

    女性自身

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。