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無料アプリ利用で百数十万円の”減収”に

「ただより高いものはない」ーーーそんな戒めの言葉が浮かんできます。

他でもありません、無料のお役立ちアプリを使っていたばかりに、保険会社から支払われていた年350万円ほどの傷害保険金が半額になっちゃった!という怖い話です。

そんな怖い目にあったのはデンマークの女性(名前は明かされていません)。デンマーク最大の労働組合だという3Fのサイトに載った記事(デンマーク語)と、それを紹介したBusiness Insiderの記事を総合すると、こういうことです。

彼女は2007年に事故でむち打ち症と診断され、翌2008年から、AP Penshionというデンマークの保険会社から毎年20万クローネ(351万2千円)の保険金を受け取ってきました。これは、傷害で失った前職の給料全額に相当するものだったようです。

ところが、時期ははっきりしませんが、多分、ここ数ヶ月以内のことでしょう。彼女に対し「あなたはかなりのレースに参加できます。それもいい記録で」という通知が届きました。「もう、相当なペースで走れるんだから保険金は支払いません。受け取るのは詐欺です」ということです。

どうして保険会社は、彼女の回復ぶりを見つけたのか? 3Fの記事によると、保険会社は2015年から、女性のフォローアップに乗り出し、彼女のFacebookページをチェックするなどネットで足跡を追跡したようです。

その中で、彼女が、スポーツ用品メーカー、アンダーアーマー傘下のEndomondoが提供する無料のフィットネスアプリSports Trackerを使っていることを知り、どのくらいの運動量か、そのレベルはどうかを把握、さらに参加したレースやそのタイムまで入手したということです。

このデンマーク生まれEndomondoのアプリ、日本語版もあってかなり広まっているようですが、私はダウンロードしていないので詳細は知りません。ただ、ネットで検索すると、いろんな運動を選択して、その運動量を計測できるとのことで、その結果をFacebookやTwitterで共有できるようになっているのがウリなのかもしれません。

保険会社は、どうやって彼女のSports Trackerのデータにたどり着いたかは明らかにしていません。「法律、業界規制を遵守している」と回答しただけとのこと。まあ、プロの調査員なら、いろんなやり方を承知しているんでしょう。

これで、一旦は、彼女の保険金は全額停止になったのですが、多分、労組の後押しがあったのでしょう、保険苦情処理委員会に持ち込まれた結果、委員会は「まだ後遺症が相当ある」ことを認めて、年間保険金を半額にするということになったようです。無料アプリを使ったばかりに年間百数十万円を失った恰好です。

走れるくらいなら、仕事に復帰すればいいので、保険金をもらい続けるのは詐欺的だ、という考えもあれば、努力して回復しつつあるのだから、しばし大目に見るべきだろうとも言えます。

難しいところですが、ここではただ、プライベートなデータを安易にシェアしがちなソーシャルメディアの一面に警鐘が鳴らされたと受け止めましょう。個人が思っても見ないことに使われるかもしれない。このケースを紹介した組合の狙いもそこにあるようです。

(デンマークの組合の記事翻訳にはGoogle翻訳にお世話になりました)

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