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アングル:中国人民銀の次期総裁、米FOMC後にどう動くか

[上海/北京 6日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行、PBOC)は米連邦準備理事会(FRB)が今後利上げに踏み切っても、金利の調整を小幅にとどめるざるを得ないとみられる。FRBが今月利上げすれば、人民銀行の総裁交代という微妙な時期に重なるほか、既に中国の政策金利が比較的高いためだ。

長期にわたり人民銀の総裁を務めた周小川氏は、今月の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で退任するとみられる。ロイターは先月、習近平国家主席の信認が厚いエコノミストの劉鶴氏が最有力の後任候補に浮上していると報じた。

FRBは20─21日に連邦公開市場委員会(FOMC)を開いて21日に政策判断を公表するが、全人代の閉会は20日。人民銀の次期総裁は就任早々、重い判断を迫られる。

劉氏は米国に留学した経験を持ち、経済・金融担当の副首相にも就任する見通し。中銀総裁と兼務なら近代の中国で最も権限の大きな経済当局者の1人となる。

ただ、ノムラ・インターナショナル(香港)の首席中国エコノミストのツァオ・ヤン氏は、人民銀の総裁交代が金融政策運営に影響することはないとみている。

人民銀はFRBなどと違って独立性を持たない。政策金利や人民元レートの変更には政府の承認が必要だが、金利の変更が政府から認められることはなさそうだ。

FRBは昨年3回の利上げを実施し、中国も3月と12月に定例オペ(公開市場操作、OMO)を行う際の短期金利をそれぞれ10ベーシスポイント(bp)と5bp引き上げた。FRBが今月利上げすれば同様の措置を採るとエコノミストはみている。

ただ、人民銀が主要政策金利である1年物貸出金利と預金金利の引き上げに動くことはないとの見方が一般的だ。両金利は2015年から据え置きが続いている。

ノムラのツァオ氏は「人民銀はFRBに追随して利上げするが、幅はかなり小さくなる公算が大きい」と述べた。

中国の金利はアジア諸国や他の経済主要国に比べて既に高い水準にある上、政府が進める負債圧縮政策により金融環境は一段と引き締まっている。しかしそれでも政策当局者は、中国が世界経済と歩調を合わせており、期待は裏切らないとの姿勢を示そうとしてきた。

このため人民銀は、短期金利であるOMOの7日物リバースレポ金利を小幅に修正するとの見方が大勢だ。7日物リバースレポ金利は銀行間取引の非公式な指標と位置付けられており、銀行間の借り入れコストの調整は徐々に経済全体に影響が波及するという。

バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ(香港)は顧客向けノートで「(昨年12月のように)FRBに追随して緩やかかつ小幅な金利調整を行い、市場の期待をつなぎとめ、ボラティリティを抑えるのではないか」と予測。人民銀が3月はOMO金利を5bp引き上げると見込んでいる。

華宝信託(上海)のニェ・ウェン氏も中国は10年物国債利回りが4%を付けたこともあり、利上げで他の中銀の先を行っていると指摘。「人民銀はFRBの後を追って利上げするだろうが、今回は幅が5─10bp程度で象徴的な意味合いの強いものになる」と予想した。

(Winni Zhou記者、Elias Glenn記者)

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