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素手でトイレ掃除すると生産性が上がる? 日本の働き方改革は前途多難かも

 ホッピーで知られる「ホッピービバレッジ」が、社員に素手でトイレ掃除をさせているという話がSNSで拡散し、一部から批判の声が寄せられています。

 日本では素手でトイレ掃除をすることによって心が磨かれるという話は、以前から何度も話題になっており、そのたびごとに批判の声が上がっていますが、状況は変わっていません。若い人には驚くような話かもしれませんが、年配の人にとっては「またか」という話です。


(アフロ)

 ホッピービバレッジでは、社員教育の一環としてトイレ掃除を行っており、採用のページにその様子が紹介されています。創業家出身で同社の社長を務める石渡美奈氏は、自身のブログに「トイレ掃除が、問題から逃げない強い心を育てる」と書き込むなどトイレ掃除の効用を説いています。また自身もトイレ掃除を実践したようで「素手で必死にトイレを磨いた」「わが社にトイレ掃除の文化が生まれそうだ」とも書いていますから、社長が推奨したものと思われます。

 社員に素手でトイレ掃除をさせることの是非はともかくとして、日本では「素手でトイレを掃除することで精神的によい効果が得られる」という話は、過去、何度も提唱されており、同じような事例が各地で見られます。

 掃除サービスや中小企業の経営サポート業などを手がけ、優良中小企業としてメディアでもよく取り上げられているある企業では、社員教育の一環として素手でトイレ掃除を行う企業研修を主催しています。

 研修では実際に公園のトイレなどを掃除するそうですが、素手で掃除することに意味があり、原則として参加者は素手で掃除をすることが求められます。同社によると、研修に参加した人の中からは「トイレが綺麗になって自分の心も綺麗になったようだ」という声が寄せられているそうです。また市民団体やNPO法人などが主催し、地域の小中学生に素手や裸足でトイレ掃除を実践させるという取り組みもよく見られます。

 ある中学校では素手でトイレを掃除するイベントを行い、一部から批判が寄せられましたが、こうした批判に対してPTA副会長は「手袋をしていると汚れの感触が分かりません。子供たちには素手で汚れを取る達成感を感じてほしいのです」と反論しています。一連の取り組みに共通しているのは、素手でトイレを掃除することで「心が洗われる」「強い企業文化を作り上げる」といった、スピリチュアルな価値観です。

 日本では働き方改革が一大テーマとなっており、いかにして労働生産性を上げるのかが課題となっています。労働生産性がメンタルな部分に左右されることは経営学においても立証されていますし、どのような研修を行うのかは企業の自由です。しかし、素手でトイレ掃除をしなければ「心が洗われず」「高い生産性を得られない」のだとすると、日本の働き方改革は前途多難かもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

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