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ネットに話題を提供し続けてきたガチャピン(5歳)に「あっぱれ」~中川淳一郎の今月のあっぱれ

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イラスト&題字 まんしゅうきつこ

ブログやSNSの普及に貢献したガチャピン

1973年開始の子供向け番組『ひらけ!ポンキッキ』(フジテレビ系)の後継番組である『ポンキッキーズ』(BSフジ)が3月25日の放送回で終了する。子供に様々な知識を与えるほか、『およげ!たいやきくん』『いっぽんでもニンジン』『ホネホネ・ロック』といったヒット曲を輩出した。今回は同番組の“顔”ともいえるガチャピンに「あっぱれ」を入れたい。

それは子供に与えた影響が理由ではない。我々IT業界人の中には、ガチャピンこそ2000年代中盤からのブログやツイッターの普及に大いに影響をしたと考えている者も少なからず存在するのだ。ガチャピンは13日に番組の公式ブログを更新。以下のように感謝した。

ぼくには、宝物がたくさんあります。たくさんのステキな人たちが、番組に出てくれました。おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、そして子どもたち・・・たくさんの人たちに番組を見てもらいました。(中略)「抱えきれないぐらいの宝物ですね!」そうだね、ムック。この宝物を、ずっと大事にしていきます。みんな、ありがとう

いやいや、我々こそブログやSNSの普及に一役買ってくれたガチャピンに感謝したいよ、という状況である。今でこそ日本最強クラスのブロガーといえば市川海老蔵であり、辻希美だが、2000年代中盤は「眞鍋かをりか中川翔子かガチャピンか」という状況だった。

また、ツイッターのフォロワー数は今では有吉弘行が700万超、松本人志ときゃりーぱみゅぱみゅが500万超で約155万のガチャピンは国内60位台になっているが、2010年頃は鳩山由紀夫首相(当時)と日本一を争っていた時期もあったのだ。

ネット黎明期を盛り上げたガチャピン「さん」付け論争

提供:中川淳一郎

さて、私がガチャピンに注目し始めたのは2006年に遡る。私もガチャピンと同様に1973年生まれのため(ただしガチャピンは今でも5歳)、ガチャピンの存在は知っていたが我が家は「目が悪くなる」という理由からテレビが禁止だったため『ひらけ!ポンキッキ』は見たことがなかった。そのため、もちろん存在は知っていたのだが、ガチャピンに注目し始めたのは33歳になってからだった。

この年にニュースポータルのアメーバニュースの編集を始めたのだが、執筆陣は様々な雑誌のライターと一橋大学の学生だった。何しろネットニュースが紙メディアより数段低く見られていたうえにギャラも安いため大っぴらに求人はできなかった。学生ライターにバカな実験をやらせたり、芸能人ブログやネットの流行りものや炎上案件を基にした記事を書かせていた。これは私が指示を出すこともあれば、彼らがやりたいことを好き放題やらせることもあった。それこそ「Tシャツを何枚着ることができるか実験してみた」や「台場・歌舞伎町・浅草にゴキブリホイホイを仕掛けてみた」などとやり、その成果を発表していたりしたのである。

雑誌のライターはプロであるため、私から何か指示をすることはなく好きに書いていいよ、ということを伝えていた。すると彼らは雑誌のプラン会議では落ちたネタや自分の趣味のネタを次々と書いてきたのだ。普段企画が通らないものだからフラストレーションを感じていた彼らからすれば、ネットニュースはギャラは安いものの「書く場所」が与えられるということでそれなりに楽しんでやってくれていたと思う。彼らが書くテーマは田原俊彦、チェッカーズ、大仏、ボートレース、売れないアイドルのインタビュー、芸能界の裏事情、あとは特定地域の珍事などだった。

そんな中、ジミー・ボーダー氏という記者は徹底的にガチャピンの記事ばかりを送ってきた。彼は「ガチャピン研究家」を名乗るほどガチャピンが好きだったのだが、元ネタは当時爆発的なアクセスを稼いでいた「ガチャピン日記」である。ガチャピンが書くブログなのだが、これが力が抜けた感じで当時の言葉でいえば「癒し系」として人気だった。

彼の特徴は「ガチャピンさん(5歳=恐竜のこども)」と記事に必ず書くことだった。彼曰く「ガチャピンさんのことを『ガチャピン』なんて呼び捨てにするのは恐れ多い!」とのことだった。質問サイト・ヤフー知恵袋でもガチャピンに関する質問が出た際に、「ガチャピンに『さん』」付けをしない無礼者にはベストアンサーを与えない」という強硬な人物も登場した。ジミー氏も「ガチャピンに『さん』をつけるべき理由」といった記事を出し、ガチャピンへの敬意を表していた。こうした流れを受けてネットでは「ガチャピン呼称問題」というものが発生。ガチャピンに「さん」をつけるかつけないかで論争が発生したのである。

そんな論争を目にしたJ-CASTニュースはガチャピンに対して、この論争への見解をメールで取材。『ガチャピンからJ-CASTへ「回答」 「日記」1周年「応援のおかげ」』という記事にまとめられた。同記事には当時のガチャピン呼称問題をめぐる空気が以下のように描かれている。

07年5月中旬には、ネットのQ&Aサイト「YAHOO!知恵袋」に「ガチャピンさんを超える超スーパースターは存在するのでしょうか?」という質問が寄せられた。注意書きがついており「回答中にガチャピンさんの名前を記載するにあたっては、必ず『さん』付けでお願いします」「呼び捨てにするような無礼者をベストアンサーに選ぶことなど絶対にありえない」と条件をつけたのだ。6月に入ってネットの「アメーバニュース」や2ちゃんねるで話題になり、「ネットでは、『さん付け』しなければならない雰囲気になっている」「必要ない」などと意見が集まった。

ガチャピンはJ-CASTに対しては、「さん」がつけられていることにはびっくりしたと回答し、スタッフや子供達に会った時は「ガチャピン」と呼び捨てられることを明かしたうえで「たぶん、インターネットだけじゃないかな?みんな、『ガチャピン』って呼び捨てでいいよ」と自身の見解を表したのだ。

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