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「経験を積んでから起業か、学生からいきなり起業か?」論争。

おはようございます。 昨日は、久しぶりに大学時代の友人二人と会ってきました。 実はもともとこの二人は、大学の頃”女子大生のビジネスプロジェクト”として 一緒にビジネスについて勉強したり、ビジネスプランを練り上げていた仲間。

半年間ほど一緒に活動した結果、二人は企業に就職する道を選び、 私は、たったひとりで「Value Design」という名前を引き継ぎました。

それぞれにそれぞれの事情がある中で別の道を選ぶのは、 当時はすごく寂しい決断のように感じましたが、 今こうして久々に会って近況報告をしたり、 その後、ValueDesign.net(バリューデザインネット)となった 私の事業の話を聞いたりしてくれる時間は、すごく特別。 皆それぞれに「これを選んでよかった」という道があることは、本当に幸せなこと。

それでもやっぱり、皆独立心の強いメンバーなので、 ”いつかは会社ではなく、個人でプロジェクトを動かしたい”という想いが どんな道を選んでいても芽生えてくるものなんですよね。

そう考えていると気になる問題がひとつ・・・

日々、インカレゼミに参加してくれている学生の方たちと 話していても必ず話題になるテーマ。

「学生がいきなり起業するのは良いことか?」 「企業で経験を積んでから、独立するのが良いのか?」

 

私も一年前まで、この質問に上手に答えることができず悩みましたが、 昨年大学を卒業して、小さいながら色々と経験をしていくうちに 私なりの視点というのが芽生えてきました。

本日はそれを少しご紹介したいと思います。

 

 

つい先日、YOMIURI ONLINEにも転載されていた isologueでお馴染みの磯崎哲也先生による記事を拝見しました。

テーマは、”学生がいきなり起業するのはいいことか?”

「私は学生で将来ベンチャーの起業を考えているんですが、学生からいきなり起業するべきでしょうか? それとも大企業などにまず一度は就職して、それから起業するべきでしょうか?」

この質問に、みなさんならどう答えますか?

磯崎先生は、

  1. 「まずはちゃんとした企業に就職して、社会人としての基本や 仕事のノウハウを身につけた上で、それから起業を考えるべきだ。」
  2. 「昨今、起業がちょっとブームになって来ているのかも知れないが、社会はそんな甘いところじゃない。 学生がいきなり起業して成功する確率は極めて低いぞ。」
  3. 「マイクロソフトのビル・ゲイツも、ヤフーのジェリー・ヤンも、グーグルのラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンも、 フェイスブックのマーク・ザッカーバーグも、みんな学生だったじゃないか。 社会を変えるような大成功をした起業家は、みんな学生か、 アップルのスティー ブ・ジョブズのように社会人になってからまだ間もない時に起業した人達も多い。」

 

以上3つの回答例を視点に、記事をまとめていました。 もちろん、「これが正しい」という一つの答えはありません。

実はこの論争は、私にとっても大きな課題。 学生時代、就職活動もせずに自分自身のビジネスを磨くことに必死だった私は、 実務に忠実な社長やサラリーマンの父には 「企業に入って経験を積まずして、何が分かる?」と諭され、 外国のスタートアップ経営者が集まるサミットでは 「そんな無駄な時間を過ごしている暇はない」とスッパリ言われ。 一体だれのどんな意見が正しいのか分からず、悩んだこともありました。

 

しかし、師匠から言われた言葉をきっかけに 自分が本当にやりたいと思ったことで生きていきたい! と、決意を新たに大学4回生の春にValueDesign.netを設立

設立してしまえば、それまでの悩みは消え去りました。 私が長期的な目標に向かって いかに企業の中で経験を積むか?ということをあれこれ考えるよりも、 今目の前にあるこの事業をどうやって自分のモノにするか?という リアルな修行の方が、ずっとExcitingで楽しかったからです。

もちろん、企業に勤めて組織の中で得る経験と、 自分で事業を回して初めてできる経験の違いを、 きちんと理解していなければ意味がないですよね。

今朝の日経新聞の一面にも、面白い記事がありました。

 

選んだ七色キャリア ~大志秘め経験重ねる~

 

終身雇用が当たり前だった働き方が変わり、 「〇年で辞めます」という就職するときの宣言通りに企業を辞め、 独立する人が増えているという事実。 転職や独立を前提とした働き方は、”腰かけ”と批判されていましたが、 現在はそれをキャリア(Career)形成の通り道だと、多くの人が考えているといいます。

この記事で紹介されていた、 アメリカにある”ティーチ・フォー・アメリカ”という組織を ”NPO法人 ラーニングフォーオール”として 日本に上陸させた松田悠介代表は28歳。 IT社長やフリーターを経て、病児保育サービスを立ち上げた フローレンスの駒崎弘樹代表は32歳。

実はお二人とも、私が半年ほど前に参加した 社会起業フォーラムでお会いした、実業家の大先輩。 講演を聞いたあとに名刺交換をさせていただきお話をさせていただく中で、 このお二人が「企業で経験を積んだからこそ成功できた」といった認識もなければ、 「自分でいきなりやるからこそ意義がある」といった認識もないことに気づきました。

そしてもちろん、 「私は学生のうちからやっているんですが、どう思います?大丈夫ですかね?」 という質問そのものが愚問であることも。(笑)

 

その質問そのものが愚問?

 

少し過激な言い方かも知れませんが、ほとんどの起業家はみんな、 「自分が起業したいからできることを考えた」というよりも、 「どうしても解決したい世の中の問題があって、 それを解決するのに一番適しているのが自分でやることだった」 と考えているはずですよね。

Google創業者の二人だって、Facebookのマーク・ザッカーバーグだって、 ラーニングフォーオールの松田代表だって、 フローレンスの駒崎代表だってそう。

松田代表や駒崎代表とお会いして私が確かに感じ取ったのは、 就職した先での経験を活かして起業しました!というよりも、 就職した先で抱いた想いが、 現在の事業が生まれる問題意識に確実に繋がっていること。 大切なのは「経験」ではなく、確固とした問題意識だと感じさせらた瞬間です。

何かを創ろうとしている人間がする決断は、 「今やるかやらないか」という2択だけであって、 それ以外の決断はどれも枝葉の問題。

自分の夢に気付いてしまったからには、それをやらずにはいられない。

もちろん、「いきなりやっちゃって、大丈夫?」と 不安が拭えないのは当然ですが、企業で働いてから独立するとしても、 「これだけの経験をしたんだから、もう大丈夫!」なんて 満足のいく(しかも最低限の)経験はなかなか自分で測れないものだし、 「いきなりやっちゃって、大丈夫?」という不安を抱えているのは 就職したあとであろうが、学生のうちであろうが、同じはず。

 

「経験」と「資源」の違いを見極める

 

様々な意見があるかと思いますが、私は、 企業に入って得ようとしているのは 「経験」ではなく、「資源」なのではないかな?と考えています。

就職して得る、人脈や取引先、営業スキルなどは、全て自分にとっての資源。

それらの資源を、いかに自分の新しい挑戦に活かすか? 自分の価値創造という、自分にしかできない「経験」が始まるのは、 まさに独立した”そこから”なのではないでしょうか?

無我夢中で夢を追い求めようと思えば、 そのために必要な資源をどのように手に入れるか?という選択肢は問題じゃない。 夢を叶えるために必要な資源は何か?をしっかり見極め、 そして今している経験をどんなふうに資源にしていくか?ということが 考えるべきポイントとなってくるはず。

磯崎先生の記事にもありましたが、起業を志すような人が、 「上手な名刺交換の仕方を企業で学んでから独立してやろう!」 とは思っていないわけで。

社会人として知っておいたほうがいいこと。 例えば、名刺をどう渡すかとか、敬語の使い方とか、そういったことは確かにあります。 しかし、私は学生で 起業した人というのを何人も見ていますが、 名刺の渡し方が悪くて事業に失敗した人というのは、まだ見たことがないですね。 本当に起業家として成功する「で きる」人なら、そういうことは、 他の人がやるのを横目でチラチラ見たりネットで調べたりしたら、すぐに身につけられる程度のことなわけです。

「仕事のノウハウ」もそうです。 何年も何十年も修業をしないと身につかない技術とかノウハウというものは確かに存在します。 ただし、そうした領域がベンチャー向きなのか、というと、どうでしょう?

そもそも、世の中のほとんどの事業領域は、 既存のやり方のままでベンチャーが参入して成功する可能性は極めて低いわけです。 (例えば農業とか製鉄 業とか海運業とか石油掘削事業とか。) しかし、そのベンチャー設立を目指している学生が「デキるやつ」なら、 そうした伝統的な領域に伝統的なやり方で挑も うなんてことを考えているわけはありませんよね。 拙いかも知れないけど、何らかの勝算があって起業を考えているのでしょうから、 やらせておけばいいわけで す。

「何も知らない学生が、知識が無いばかりに大人に騙(だま)されて失敗したら、かわいそう」とも思いますが、 一回も失敗せずに成功するなんてこと は考えられないし、失敗するのは必ずしも悪いことじゃないわけです。 橋下徹大阪市長は、学生時代に革ジャンを販売する仕事をしていた時に騙されて、 手形法 の勉強を必死にしたことで司法試験を受けることになり、弁護士になって、今は大阪市長になりました。 最初から手形の知識があったら、今は革ジャン屋の社長 だったかも知れませんが、 それが橋下氏のために、また世の中のために、良かったのか悪かったのかは何とも言えないところです。

一度起業したからといって、 一生起業家をしなければならないわけでもないわけです。

 

 

今やるか、やらないか ~NOW OR NEVER~

 

やろうと思ってやった奴は向いてるし、やらない奴は向いてない。 ただそれだけのこと。

これは、私が事業を設立する前、 「自分に経営は向いていない」と悩んでいたときに メンターであり尊敬している師匠に言われた言葉でした。

はっと目から鱗な想いをし、 こう言われた翌日に、私は開業届けを出しに行ってました。

自分の夢を叶えるために上手に導いてくれるメンターがいることは、 本当に幸せなことだなと感じた瞬間です。 もし私が別の考えを持ったメンターについていたら、 「そうだよね、不安だよね。 じゃあ就職して本当にやりたいかどうか、自分の気持ちを量ってみたら?」 ・・・なんていう、どっちつかずなアドバイス通りに就職し、 私の決断は日に日に遅くなっていたはず。

いや、一生なにも起こらないまま終わっていたかも?

磯崎先生もブログに書かれていましたが、 「こうすれば成功する」なんてセオリーは無いわけで、 結局は誰もが試行錯誤しながらキャリアの形成をしていくもの。

私にとって本日のテーマになっている質問の答えは、 まだまだ”自分を使って実証中”なところがありますが、 自分で事業を立ち上げて、 毎日のように経験する挫折や喜びや葛藤や幸せ。

それらのすべての”修行”こそが、事業を経営し、 世の中に価値を提案するための”経験”になるのだと、今も信じて疑いません。

 

もしタイトルのような質問をされたら・・・

「あなたの言っている”経験”ってどんなものですか?」

この質問が、質問者に大切なことを突きつける、 模範解答となるのではないでしょうか。

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