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民泊と地域の親和性〜平成維新が大阪にもたらした無防備な民泊③〜

 今年6月から全国で実施される住宅宿泊事業法に基づく民泊については、各自治体において条例を設置することによって区域と期間について制限を設けることができる。(住宅宿泊事業法18条)

 違法民泊が1万件を超えるとも言われる大阪市においては、当然、全国一律の法制度による民泊ではなく独自対応が求められるものと考えていた。しかしながら、残念なことに今年2月に上程された大阪市における条例案は区域も期間も一切制限を設けないというものであった。規制を厳しくして違法になるよりも適法民泊として事業者に届出を出してもらった方が管理ができるという考えによるものらしい。

 確かに、住宅宿泊事業法は違法民泊を紹介するネット上の仲介サイトなどに対しても規制をかけていく法令となっていることから民泊をできるだけ適法の枠内に入れて、その上で管理監督していこうという考え方が生じることは分からないでもない。しかしながら、いくら規制のハードルを低くしても住宅宿泊事業法の施行に伴い、違法民泊がなくなることは考えにくく法をかいくぐって違法民泊を行う事業所が少なからず出てくることは想像に難くない。また、適法を装って民泊の届出を出すものの実態調査がなければ適当な報告をすることで実質的に不適切な民泊を行う事業所が出てきてもおかしくはない。適法民泊とて、住民の不安や不満を解消するものではない可能性は大である。

 このような状況を鑑み自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団と公明党大阪市会議員団とは共同で、大阪市に対して現状の条例案に対して(規制をかける)修正案を求めている。
 修正依頼部分は下記の三点である。期間については、個別具体の設定が難しいとの判断から、以下の区域について全日(民泊)不可とする修正を求めている。

①良好な住環境を保護するための地域
<区域>住宅専用地域・住居地域
 良好な住環境を保護するための地域として新法民泊の実施による生活環境の悪化を特に防止する必要があるため。

②騒音・防災・防犯面等での課題の多い地域
<区域>市内全域の幅員4m未満の道に接する敷地
 前面道路が狭隘で住宅間の距離が密接している地域では、特に、騒音・防災・防犯面で住民の方の不安が大きいことから、生活環境の悪化を特に防止する必要があるため。

通学路と民泊 ③学校・保育所等周辺
<区域>小学校、中学校、幼稚園、認定こども園、保育所等の周囲100m以内の区域
 こどもたちの静穏な教育環境の維持及び防犯の観点から、こどもたちの安全・安心を守る必要があるため。

 これらの要望を見て、率直にどう思われますか?
 厳しいでしょうか?寧ろ、当然と感じられる方が多いのではないでしょうか。
 皆さんの家の横に民泊ができることを考えて見て下さい。

 住宅ばかりが立ち並ぶ地域にポツンと民泊が一つできる。不安ですよね。
 木造密集市街地の一角で狭隘な道路に接面した長屋の一つが民泊になる。いざ火事が起こった時、地震が起こった時…コミュニケーションがとれない状況があるとすれば心配です。
 学校園周辺で子ども達が行き来するエリアに民泊。トラブルはいつか必ず起きそうです。

 民泊を進めるにあたって必要なことは次の3点であると考える。
(1)適正な民泊を推進するための厳しい規制
(2)違法民泊を根絶する厳しい体制
(3)地域と民泊との交流体制

民泊は適法だからと言って課題がないわけではないのです。よって(1)によって適法民泊においても一定の厳しい規制が求められるのは当然のことではないでしょうか。実際、特区民泊が既に認められている大阪市においても、適法であっても地域の方々からは上記のような不安が生じる地域を中心に「民泊反対」の声を既に頂いておりま。

 特に学校園周辺は、土曜授業や土日の行事も含めて子ども達の行き来が頻繁なエリアです。学校周辺は子育て層が多く在住する傾向にあり、平日・土日祝日に関わらず子ども達が付近で遊んだりもしますので、不特定多数の(外国人)旅行者が行き来する民泊とは親和性は薄いと踏まえなければなりません。
 公明党市議団の皆様においても、市民不在の玉虫色の結末に妥協することなく、市民の安全のために要望趣旨を貫いて頂きたいと考えます。

 民泊は、大阪市のまちにおって一定必要であるものです。
 だからこそ、一定の厳しい規制が必要であり、大阪市独自の地域の特性に合わせた規制をかける条例修正案が出てくることを望みます。

【民泊と地域の親和性~平成維新が大阪にもたらした無防備な民泊③~】

 大阪市で民泊を利用した殺人事件が起きてしまいました。
 民泊だから起きた事件ではない。民泊が起こした事件ではない。…という声が聞かれます。

 しかしながら、地域社会では兼ねてより民泊(違法・合法に関わらず)の広がりにより不特定多数の旅行者が訪れることで犯罪の温床になるのではないかという懸念の声が出ていたことは紛れもない事実です。
 最悪の形で起こってしまった事件。

 この事件を目の前にしても、「違法民泊を適法民泊へと誘導」などとのんきなことを言っている大阪市の姿勢には疑問を通り越して憤りを感じます。これ以上、多くの民泊は物理的に必要ないわけなので、本当に必要なところに求められる民泊を認めればいいだけのことであって、広く市民に不安や不満をもたらすような民泊については先ずはシッカリ規制する方向に舵を切るべきであると考えます。

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