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人間とブタ、羊との交雑臓器誕生は近い?

「臓器移植用 ブタ作成」という今日5日付の読売新聞2面の見出しを見て、思わず「おおー、日本もついに!」という感慨を持ちました。

「感慨を持った」というのにはワケがあります。つい先日、羊を使って、人間と羊のハイブリッド(交雑)臓器を作成する実験が米国で行われたという記事を目にし、昨年にはブタを使った同様のハイブリッド臓器実験が行われたことを知ったばかりだったからです。それを伝えたFuturismの記事に添えられたビデオはこれです。



ですから、iPS細胞研究で先を行っているであろう日本も、ついに人間とのハイブリッド臓器研究に乗り出したのかと早トチリしたのです。読売の記事にあったのは、ハイブリッド臓器ではなく、人間への移植専用に清潔なミニブタを作ったというだけの話でしたから。

まあ、需給ギャップの甚だしい臓器移植問題の解決に一歩前進ということでしょうが、なんだか米国のハイブリッド臓器の方がダイナミックに感じます。そこで、ブログ名の「IT」とは直接、関係はありませんが、この際、日本の先を行ってるように見える、米国のハイブリッド臓器研究の一端を記録しておきます。

ハイブリッド臓器の最新の研究は、スタンフォード大学のチームが進めてきたもので、まだ、書面での詳細な研究報告はなされていないということですが、先日、テキサス州オースチンで開かれた全米科学振興協会の年次総会で披露されたようです。

これを伝えた科学・テクノロジー情報サイトPhys.orgの記事によると、その実験プロセスは、まず、どんな臓器にも成長しうる人間の幹細胞を集めることから始まります。

次に、羊やブタの体内から赤ちゃんの元である胎芽を取り出します。その先は、科学的素養がないので不正確になりますが、「そのDNAを操作して、望む臓器に発展する部分を不活性化」した上で、人間の幹細胞を胎芽に注入し、羊やブタの子宮に戻すそうです。

ブタで実験したのはカリフォルニア大デービス校のチームですが、今回、スタンフォード大が羊に取り組んだのは、臓器のサイズがより人間に近く、かつ体外受精がやりやすいからだそう。

羊と人間のハイブリッド臓器実験では、羊の胎芽の細胞には人間の幹細胞が0.01%しかなくて残りは羊元来の細胞でした。研究者らは人間の幹細胞が1%は必要だと見ているようです。そこで、この羊は28日後に、哀れにも処理されたそうです。

それ以前には、生物医学系研究では先端的だというカリフォルニア州サンディエゴのSalk研究所で、ネズミとハツカネズミの間でハイブリッド臓器生成の実験が行われていて、その成果は細胞情報に関するサイトCellに投稿され、詳細がPhys.orgの昨年1月の記事にあります。

その中で、この実験を主導したIzpisua Belmonte教授はこう言っています。

「キメラ(遺伝子操作による複合体。ここではハイブリッド臓器生成とほぼ同義のよう)研究の目的は、幹細胞と遺伝子編集技術を人間の細胞組織や臓器を発生させるために使うことができるかどうかを学ぶためだ。継続して作業することで最終的に成功することになると、我々はとても楽観視している」

もちろん、成功の道筋が見えてくれば、生命倫理を巡っての議論が高まるのは必然でしょう。ちなみに先のPhys.orgの記事の末尾には「米国のNIH(国立衛生研究所)は、政府からの資金を使っての、そうした研究は許可していない」とあります。

一方で臓器提供者の不足から、米国だけでも移植希望リストに載っている患者が1年間に7000人、一日平均20人が亡くなっている事実もあるわけですが。

なお、日本での「清潔なブタ」からの移植研究が始まるのは3~5年先だそう。いいのか?ニッポン。

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