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ビル・ゲイツ「銀行は将来必要なくなる」

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■銀行の脅威になる、アマゾンのサービス

1994年、ビル・ゲイツは「将来、銀行は必要なくなる」と唱えた。当時は一笑にふされていたかもしれないが、現在、フィンテックの急激な発展によって、銀行は存在意義が問われている。本当に銀行不要の社会は訪れるのか。


写真=iStock.com/ultramarine5

まず論を進める前に、「フィンテック」の定義をしておきたい。フィンテックとは、ファイナンスとテクノロジーをかけ合わせた造語で、一般的にはITを活用した革新的な金融サービス事業を指す。

私の解釈としては、ユーザー目線で見たとき、テクノロジーを利用して金融サービスが使いやすくなっていれば、広義のフィンテックと呼んでも差し支えないと考えている。その目線に基づくと、フィンテックに値するサービスを提供して銀行を脅かすのは、さまざまなEC事業者だ。

■「いちいち銀行に行かなくてもいい」

たとえば銀行の主要な役割のひとつである、資産運用の機能はどうだろうか。現在の金利で、銀行に預金してもリターンはほとんどない。しかしアマゾンでギフト券を買ってチャージすれば、最大2.5%のポイントがつく。もちろんこれは金利ではないが、現金同等物と見なすことができる。もし入った給料のうち可処分所得でカードを買う人が増えれば、銀行からすると預金獲得の大きなライバルになるだろう。

そのアマゾンは現在、販売サイトの出店業者を対象に、短期融資事業「Amazonレンディング」を展開している。しかし同社のように出店業者の商品販売動向や支払い実績のデータを把握することができれば、それを踏まえてさらに柔軟に資金を貸すことも可能である。出店業者が運転資金を必要としているようなら、予定していた支払期日を前倒しにする。

これによって売掛金の回収が早まって、資金繰りに余裕が生まれるだろう。これは業者からすると、銀行からお金を借りているのとほとんど同じだ。取引していたら商品がさばけ、運転資金もリバランスしてくれる。「いちいち銀行に行かなくてもいい」という発想になるだろう。

■「メルカリ」も銀行の競合になりうる

実はフリマアプリのメルカリも、銀行の競合になりうる。今まで手元にお金がなくて困ったとき、銀行系の消費者ローンを頼りにしていた人がいたとしよう。それがメルカリで所有物を売って現金が手に入れば、銀行は機会を損失するからだ。

とりわけ銀行の競合が増えているのが、決済機能の分野である。これまで決済において一番使い勝手がよいのは現金であり、ATMを数多く擁する銀行は重宝されていた。しかし現金は人の手で数えたり、厳重に保管したり、管理コストがかかる。データで管理したほうが、利用者も店も便利だ。

実は決済サービスでフィンテックが行き渡り、完成系に達している国がある。それが中国だ。偽札が流通しやすいこともあり、キャッシュレスの文化が支持され、現金を見せたら驚かれるほどである。

そのプラットフォームになっているのが、「アリペイ」である。EC大手のアリババがオークションサイトの決済をスムーズにするため立ち上げたもので、まずはスマホにアリペイのアプリを入れて、口座を開設。紐付けた銀行の口座からお金を移動しておき、状況に応じて決済する。日本でいえばスイカやパスモに近いかもしれない。

スマホをかざすだけで日常的な買い物、交通費、ガスや電気など、広範囲の決済ができる。さらに中国に数多くある高金利の金融商品もすぐ購入できるので、資産運用も可能。ひとつのプラットフォームを使って多様な経済活動を滞りなくできる。LINEのような通信アプリ・ウィーチャットの決済機能、ウィーチャットペイも拡大しており、中国ではどちらかを持っていないかぎり、暮らしていけないだろう。

これまで銀行は、決済機能ならその機能だけを担っていれば、ユーザーは喜んで利用してくれた。それが今、アマゾンやアリババのように、決済機能+サービスを提供する企業が次々出現している。比較したユーザーがそちらを選ぶのは自然な流れである。

フィンテックの台頭によって、銀行の魅力がどんどんそがれている。その結果、銀行の競合相手は銀行ではなく、他業種へと変わりつつあるのだ。

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