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AV出演強要問題は「肖像権及びパブリシティー権」の保護が重要

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Getty Images

騙されてアダルトビデオ(AV)への出演を強要されたと訴える女性が相次いでいる問題で、新ルールの運用が始まるという。この4月から「契約書」を交わす際の方法が変わるそうで、具体的には「契約書を交わす前にAVについて説明を受けること」などがこと細かく盛り込まれているとのことだ。

実は、こういった「AV出演強要問題」なんてのは今、急に出てきたことではない。正直言って〝今さら感〟さえある。というより、こうした問題があることは分かっていながら「見て見ないふり」。それこそ無策に近い状態だったのだ。それが、急に騒ぎ出すのは…。もちろん時代の流れもあるとは思うが、それ以上に、やっぱり2年後の「東京五輪」に乗じたパフォーマンスの一つのような気がしてならない。そう言ったこともあってか、その新ルールもどこかスッキリしない部分がある。

こういった出演の強要では、過去に私自身も何度か相談を受けたことがあった。

その中で、ある女性の話を例に語りたい。

騙されてAVに出演させられた19歳の少女

写真AC

その女性は地方出身で19歳になったばかりだった。東京に住んで数ヶ月ぐらい経っての出来事だったと言う。彼女は友人と会うために出かけた渋谷でスカウトマンの男性から声をかけられたそうだ。

「無視しても、断ってもついてくるの。それも、(逃げ込んだ)ドンキ(ドン・キホーテ)の中まで追いかけてくるんだもん。で、仕方なく話を聞くことにしたんだけど…」。

その時のスカウトマンの口説き文句は「グラビアアイドル」だった。

「嫌だったらやめればいいんだから、やるだけやってみようよ。一回、事務所に遊びに来て、詳しい話を聞いてからどうするか決めてもいいんじゃない?」。

そんな緩い語り口に「だったら…」と、後日に事務所に行く約束をした。

そこは南青山のオフィスで、中に入ると所属女優の写真が貼ってあったという。

「見たり、聞いたりしたことのある女優さんの写真もあった」。

しかも、説明の時には「彼女は…」と、その女優の予定や活躍まで聞かされながら「君も…」と説得されたと言う。彼女は「雰囲気的にも悪い気がしなかった」こともあって「体験」としてやってみることにしたそうだ。

すると、その後は「写真撮影に慣れるため」「プロフィル作成のため」と表参道などで写真を撮った。さらに事務所の経費でフィットネスやエステにまで通わせ、デビューに向けてプチ整形までにおわせてきたという。

「体験」を始めて3、4か月ぐらいが過ぎたあたりだった。「経費やギャラのこともあるから、そろそろ正式に契約しないといけないね」と言われ始めたそうだ。「さすがに断れる状況でもなかった」ことから契約を結ぶことに。それから数日経った時に来たのがAVの仕事だったという。

「当然、〝出来ません〟と断りましたよ。でも契約書にも書かれているって、その時の契約書を見せられたんですけど、でも、そんなことサインした時は書いてなかったはずなんです。それに契約書は2通書いたんですが、その時は私の分も事務所が預かったままだったんです」。

彼女の話を聞いた時、それが事実なら(もちろん事実だろうけど)、「そこまで、手の込んだことをやるのか…」と、その巧妙さに驚かされるばかりだった。

〝初仕事〟となったビデオは、ドラマ仕立ての作品だった。「主演作」と言われ納得させられたそうだが、内容的には「アダルトビデオメーカーから発売されるAV作品」である。直前まで泣きながら拒み続けた彼女に対して事務所側は「すでに契約している」と凄まれ、断ったらキャンセル料として九百数万円がかかると脅されたそうだ。しかも「契約不履行で損害賠償金として請求する。もし支払えなければ親に払ってもらうしかない」とも言われたという。

「親だけには知られたくない」。

彼女は、契約本数だった3本の撮影をした。

「毎日、涙が止まらなかった。自殺も考えた」。

詳細は記せないが、その後、幸運にも彼女の気持ちを理解してくれる人が現れ、事務所との交渉で契約を破棄することが出来たという。もっとも、撮影済みのAVは発売されたが…。

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