記事

「不正流出はありましたか?」仮想通貨取引所に質問してみた!高橋洋一氏「検査では違反も見つかるだろう」



 きのう業務改善報告書を金融庁に提出したコインチェック社。午後8時から記者会見を行った大塚雄介取締役は、401億円の日本円の出金手続きを終えたことを報告し、事業継続の意向を示した。その一方、流出したNEMについて、具体的な補償時期などについての明言は避けた形で、詰めかけた100人を超える報道陣たちは戸惑いを隠せないようだった。



 現地で取材に当たったテレビ朝日経済部の松本寛史記者は「想定していた通りではあるが、一つ進展があったとすれば、NEMの流出分を日本円で返金することについて、"時期はまだ言えないが、目途は見えてきている"とした点。ただ、それ以外についてはほとんど初日の会見と答えが変わっていないのかなという印象だった」と話す。



 「コインチェック社は、1NEM=88円相当で補償すると言ってきたが、税金の関係上NEMで返してほしいという人もいるし、流出時に110円だったのを88円で返すという計算方法を批判している人もいる。彼らとしても、どの返金方法が正しいのか決め兼ねているのだろう。また、現在、世界に存在しているのは90億NEMくらいなので、6%くらいが流出したことになるが、これを新たに調達して返すとなると相当な量になる。買い集めれば価格も上がることになるし、現実的でないというのがコインチェックの説明だ。

金融庁への報告書は、流出の原因、顧客にどう対応するのか、経営管理体制、そして再発防止策の4項目についてで、数十ページに上る。金融庁もこれから精査すると言っているが、立ち入り検査を経ても疑惑の答えが明確になったことは少なく、現状では解決の目処が見えていない。事業の継続を目指したいと言ったが、この問題を解決しない限り、取引所としての登録は相当厳しいだろうと思う」(松本記者)。

 嘉悦大学教授の高橋洋一氏は「預り金を出金するのは一番簡単で、当り前の話だ。また、NEMの流出分である580億円も銀行口座にあって、それを回しても会社に全然影響ないなのであれば、そのことを説明すれば終わりだ。多い月の取引高が4兆円で、多額の現金もあると報じられてきたし、普通にやっていれば1か月で200、300億円くらいは稼げるようなレベル。しかし普通にやっていないから"楽に対応できる"とも言えないのだろう。金融機関の不祥事で見られることだが、コインチェック社と取引している人がこの機に乗じてお金を抜いていったり、関係者が業務上横領をしていたり、という最悪のケースもありえる」と持論を展開した。

 コインチェックのNEM流出から1か月も経っていない中、イタリアでも仮想通貨流出事件が発生した。9日、取引所「BitGrail」から約184億円分の仮想通貨「Nano」が流出。その後「BitGrail」はすべての入出金を停止、CEOがTwitterで100%の払い戻しは不可能と通知した。一方、仮想通貨の不正流出に関して北朝鮮の関与も疑われている。コインチェックも取り扱っていた匿名性の高い仮想通貨「モネロ」に対して、ロイター通信は8日、モネロをマイニングし採掘した通貨を金日成総合大学(平壌)のサーバーに送る仕組みのソフトウェアが組み込まれていたことを、米国のサイバーセキュリティ会社が発見したと報じている。

 13日、金融庁はマカオにある仮想通貨交換業者「ブロックチェーンラボラトリー」に対し警告書を出した。この会社は無登録でありながら、日本語のウェブサイトで「CtC」と呼ばれる仮想通貨の勧誘などをしていたという。これは昨年4月に金融庁が業者の登録制を導入して以降、初めてのことだ。また、金融庁はコインチェック以外の2つの取引所にも立ち入り検査を行った。

その2社、テックビューロとGMOコインは「みなし」ではない登録業者であり、金融庁は今後、すべての取引所に立ち入り検査に入る方向で準備を進めている。仮想通貨をめぐる騒動に、麻生太郎金融担当大臣は、「被害が発生した顧客の保護と被害拡大の防止が大事。コインチェックにおいて、顧客の保護が今後も確実に確保されるよう取り組む」と話した。



 こうした状況を受け、番組では日本の全取引所31社に質問状を送付。8社から回答を得ることが出来た。「これまで不正流出はあったのか」との質問に、テックビューロ社では不正流出があったことを認めたほか、各社が様々なセキュリティ、補償の対策を講じていることが分かった。また、「金融庁の立ち入り検査が及ぼす影響」については「顧客に更なる上質のサービスが提供できると考える」「業界の健全化には必要な措置」と、前向きに捉えている業者が多いようだ。



 しかし、官僚時代には金融機関の検査を担当したこともあるという高橋氏の見方は少し異なるようだ。「こういうところで不正流出が起きた場合、まともに補償されたことはない。また、金融庁は書類をたくさん要求するので、その書類作りだけで普通の中小企業は音をあげてしまう」。さらに「みなし業者」には法令違反がある場合が多いといい、コインチェック社でも違反が見つかる可能性が高いとの見方を示す。



 「認可と違い、登録というのは結構単純で、普通は2か月くらいで終わる。コインチェック社がそれもクリアできなかったということは、実は非常に単純なことができていなかったというレベル。扱っている通貨の匿名性が高からだとも言われているが、それだけではないと思う。セキュリティ以前の問題のレベルではないか。仮想通貨取引所は、売りも買いも全部相手方の意向に沿って、取引するだけだから分別管理は難しい。検査官はそういうところを狙っていくので、細かく検査していくと引っかかる可能性は高い。検査を受けたことがない企業はまず間違いなく、なんらかの違反が見つかるだろう。また、規制を資金決済法ではなく金融商品取引法のレベルに引き上げたら登録は難しいのではないか」。



 また、法整備については「全然できていない。資金決済法には色々な業種が入っていて、プリペイドカードも含まれているが、不正があまり起こらないのは、集めたお金の半分以上は別のところに預けるように決まっているから。仮想通貨取引所に対しても、そういう規制をかけてくる可能性はある」とし、「仮想通貨は決済に使えばいいと思っていたが、こんなに価格が動くと手数料が高すぎて使えない。本当にギャンブルの世界になっている」と指摘。

「規制をするとICOはやりにくくなるだろう。ただ、ブロックチェーンの技術は行政規制とまったく関係ないので残っていく。用途がすごく多いので、どれだけ日本で取引所が潰れて、仮想通貨がダメになっても必ず残るし、うまく社会に根付いてもらいたいと思っている。中央銀行が自らやれば、良い社会になったんじゃないかと思う」と話した。(AbemaTV/『AbemaPrime』より)

▶『AbemaPrime』は月~金、21時から放送中!

あわせて読みたい

「仮想通貨」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    壇蜜が明かすヌードのデメリット

    fujipon

  2. 2

    セクハラ問題 個人叩きで進まず

    ニャート

  3. 3

    大阪に工作員論で差別助長は当然

    小林よしのり

  4. 4

    NHKが過労死を4年間封印した訳

    篠田博之

  5. 5

    詩織さん レイプは日常的にある

    PRESIDENT Online

  6. 6

    小池氏の築地再開発は騙し討ちか

    おときた駿(東京都議会議員/北区選出)

  7. 7

    女性専用車で男が呆れた抗議行動

    猪野 亨

  8. 8

    ロンブー淳の不合格 相方が激励

    女性自身

  9. 9

    SNSで身近に増える「死の意識」

    Chikirin

  10. 10

    工作員は危険? リスクの程度示せ

    赤木智弘

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。