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貧困世帯の子どもの7割、経済的理由で塾に通えず 「勉強への意欲減」も5人に1人に

経済的に困窮する世帯の子どもの7割は、塾や習い事を諦めていると言う。子どもの貧困対策に取り組む公益財団法人あすのばが2月13日に発表した、「子どもの生活と声1500人アンケート中間報告」から明らかになった。

同団体は、総合的に経済状況が厳しいと判断した世帯や社会的養護退所者を対象に「あすのば入学・新生活応援給付金」を支給している。アンケートは2016年度に給付金を受け取った、住民税非課税世帯、生活保護世帯、社会的擁護の元で暮らしたことがある子どもとその保護者を対象に行われた。子どもは高校1年生、大学1年生、保護者は、社会的擁護を除く小学1年生~大学1年生を養育する人が該当する。

「スマートフォンや携帯を持つのを我慢した」という子どもも3割

経済格差が体験格差を引き起こしているようです
経済格差が体験格差を引き起こしているようです

保護者に、これまで経済的な理由で子どもが諦めた体験を聞くと、最も多かったのは「塾・習い事」(68.8%)で、「海水浴やキャンプなどの体験」(25.3%)、「お祝い」(20.2%)が続いた。家庭の状況別に見ると、子どもが中学に上がる前に困窮している世帯ほど諦める傾向にあった。

2017年度の「全国学力・学習調査」によると、小学生で約46%、中学生の約61%が塾に通っているという。あすのばでは「今の子どもたちの『あたりまえ』となりつつある塾・習い事や様々な経験が、経済的な理由で諦めなければならない状況にあることが分かった」としている。

子どもにも同様の質問をしている。経済的な理由で諦めたことで多かったのは「洋服や靴、おしゃれ用品などを我慢した」(52%)、「スマートフォンや携帯を持つのを我慢した」(29.8%)、「学習塾に通うことができなかった」(28.6%)の3つだった。勉強に対する意欲や進学への意気込みが減ったと答えた子どもも20.8%と、約5人に1人いる計算だ。意欲の減退や様々な経験の我慢は小学校頃から始まった人が最も多い。

小学校の頃から経済的に辛い状況が続いている子どもは4人に1人、生まれる前から困窮している家庭に育つ子どもは3人に1人が、学校を「自分の居場所だと思っていない」ことも明らかになった。

「父が仕事ができないため生活がギチギチです。助けてください」

調査では、給付金を受け取った子どもらのコメントが紹介されていた。「家庭状況が厳しいことは友達に言えないし、知られたくもないので、支援してくれる団体があることが心強い」「進学に必要なパソコンを買うことが出来た」「自転車や靴を購入し毎日使っている」といった声が多かった。

ただ、中には「助けてと言いたいときもある」「父が仕事ができないため生活がギチギチです。助けてください。父の障害年金(月10万円)だけの生活です」と、窮状を訴えるコメントもあった。

アンケートに回答した世帯は、勤労月収の中央値は手取りで11万4000円、児童手当や児童扶養手当、生活保護などを含めた総年収中央値は202万9500円だった。総年収の平均も206万3894円で、国が実施した「全国ひとり親世帯等調査」(2016年度)での母子世帯の平均収入348万円より低かった。

団体では調査結果をもとに、子どもの貧困対策法の見直しや経済的支援の充実など7つの提言をしている。

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