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焦点:米予算教書に賭けるトランプ政権、副作用しのぐ効果期待

[ワシントン 12日 ロイター] - トランプ米政権が12日に議会へ提出した予算教書を見ると、物価や金利の上昇が及ぼす悪影響よりも大きな経済押し上げ効果を狙うトランプ氏の賭けの要素が一段と強まっている。

議会は既に昨年末に法人税と所得税の減税を承認し、先週には財政赤字を年間約1兆ドルまで拡大させる可能性がある歳出法案を可決した。

しかしこうした政策にはリスクが存在する。つまりせっかくの景気刺激策で雇用が増えても、労働生産性が高まるような企業投資が行われない場合があり得る。また現在の賃金上昇が、インフレの高まりで帳消しになってもおかしくない。

ジョージ・W・ブッシュ元大統領の経済顧問を務めたダグラス・ホルツイーキン氏は「これらの政策が機能しなければ、長期的には財政赤字が大きくなり、生産性は伸びない。それは好ましくない結果だ」と話す。

それでもホルツイーキン氏は、必要な賭けだと主張。確かに追加的な刺激策は物価上昇率をあまりにも高め、米連邦準備理事会(FRB)による大幅な利上げを招くかもしれないが、物価がそれほど上振れないままというケースも考えられるという。

ホルツイーキン氏をはじめとする保守系エコノミストは、米国の長期的成長にとって最適な政策として法人減税を挙げる。成長が加速すれば、財政赤字が抑制されて債務危機を回避できるという理屈だ。一方で同氏は、労働市場の今の強さを考えると、家計向けの減税は経済的には不要だとみている。

今回の予算教書からは、今後10年の経済成長率の想定が年3%と非常に楽観的なことが分かる。議会や民間アナリストの予想は約2%にとどまっている。

短期的には、財政赤字の増加はインフレのリスクを増大させる。FRBは事態を注視しており、物価が本格的に上振れる兆しが見えれば、利上げペースを速めると表明している。

特にFRBの政策担当者は、企業投資に関心を向けている。なぜなら機械設備や研究開発などへの支出は、労働生産性を高め、企業のコスト節減を手助けして物価上昇圧力を抑えてくれるからだ。

もっともシカゴ地区連銀が先月公表した調査によると、減税で浮いた資金のうち企業が設備投資に回す割合は25%にすぎない。約60%は債務圧縮や合併、株主還元に充当する計画。残りの15%を新規採用や賃上げに使うという。

FRBは、財政赤字が抑制されなくなると投資家が米国債のより高い利回りを求めるため、政府の債務返済が難しくなってしまうことも心配している。

ニューヨーク連銀のダドリー総裁は8日、議会予算局が今後10年で債務返済費用が2倍になるとの見通しを示したことに言及し、「FRBの仕事が一段と難しくなる恐れが出てくる」と警戒した。

より長い目で見ると、金利上昇がトランプ政権の財政刺激がもたらすプラス効果を完全に相殺する可能性があると指摘するのは、オバマ前政権で大統領経済諮問委員長を務めたジェーソン・ファーマン氏だ。

ファーマン氏は「当面は問題ないかもしれない。だが長期的には金利上昇はわれわれの富を削り取ってしまう」と述べた。

(Jason Lange記者)

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