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やはり主流派の支配か?~クォーター制度での女性日弁連副会長推薦

 元兵庫県弁護士会会長の武本夕香子先生が、クォーター制度が導入された日弁連副会長女性枠に会員からの推薦を受けて応募された。しかし、残念なことに候補者推薦委員会は、武本先生を、日弁連副会長を決める日弁連代議員会には推薦しないと決めたそうだ。

 先日のブログでも記載したとおり、大阪弁護士会の会員HPに女性枠副会長の推薦を求める告知が掲載される以前から、既に近畿弁護士会連合会では、女性枠副会長の候補者を決定していた、という、会員を完全にバカにしきったかのような一幕もあった。おそらく、候補者推薦委員会は近弁連が決定した候補者を推薦するのだろう。

 武本先生は、長年女性の権利問題に熱心に取り組まれており、自ら女性枠に応募しようと決意され、短期間に200名以上もの推薦者(応募するには50名以上の推薦で足りる)を集めた方である。個人的にも存じあげているが、人格・識見とも申し分なく、素晴らしい先生である。また、現実問題として、そのような方でなければ僅かな期間にこれだけの支援者を集めることは不可能である。

 ただ、武本先生が日弁連執行部を牛耳っている主流派に属していないことだけは事実である。しかし、主流派の主張全てに反対されるわけでもなく、是々非々できちんと理由があって賛成・反対を決めておられる。そのなかで執行部の痛いところにも、遠慮無く切り込む姿勢をお持ちだ。

 その武本先生が、男女共同参画の理念を実現すべく、自ら副会長になろう等の立場を表明されたのだから、実力も十分、やる気も十分で、特に推薦から外す理由が少なくとも私には見当たらない。

 女性の観点から広く意見を取り入れようとするのがクォーター制度なら、主流派に反する意見だってどんどん聞くべきだろう。女性の意見は聞いてもよいが、それは主流派に反対しない限度に限るというのでは、女性の共同参画をエサにした主流派の地盤固めにしかならない。

 もし、近弁連推薦の候補者が自ら女性枠副会長のポストを強く希望していたのであれば別だが、そうでなければ、やる気においては、自ら女性枠に応募しようと決意され推薦状を集められた武本先生の方に軍配が上がるだろう。しかし結論として、推薦委員会は理由も示すことなく武本先生に落選を伝えたそうだ。

 女性枠副会長に応募を決意して推薦状を集められた武本先生は、事実上立候補に近い行動をとられている。そもそも日弁連の言い分によれば、本来、女性の副会長立候補希望(実際には弁連等での推薦を受けても良いとする女性弁護士)が少なく、男女共同参画が実現しないからこそ女性優先枠を作ったはずではなかったか。

 少なくとも日弁連は、女性の副会長のなり手がいないという説明であり、副会長希望者は多いがその中に適任者が少ないとの説明はしていなかったはずだ。

 そうだとすれば、女性としての意見を反映させるべく事実上の立候補を行った武本先生こそ、女性枠副会長に相応しい人材といっても過言ではないはずだ。このように副会長になろうと希望する女性を理由も告げずに外すことは、それこそ男女共同参画に逆行する判断ではないかと思われる。

 推薦委員会が、何故武本先生を推薦しなかったのか、その理由ははっきりしないが、私は、主流派がイエスマンではない武本先生に難色を示したのではないかと考えている。結局、これでは、女性の共同参画を、いいお題目に使いながら、執行部の意向に添った副会長を増やしただけのように思えてならない。

 なお、ご存じのとおり女性枠(クォーター制度)副会長に対しては、通常の報酬月額50万円に加えて、特に支援費が月額20万円支給されることになっている。もしも、副会長女性枠が執行部の地盤固めに使われ、更に会費も使われるのなら、やってらんない気持ちになる会員もそこそこいるのではないだろうか。

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